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TOPトピックス接客・サービス業のマネジメントは「ロマン」から「ソロバン」の順番が大切!

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2023.01.22

マネジメントコラム

接客・サービス業のマネジメントは「ロマン」から「ソロバン」の順番が大切!

「ロマン」と「ソロバン」の両立が重要と言われますが、

私が多くの現場リーダーを見ている中で気になるのは「ソロバン」に偏ったリーダーが圧倒的に多いということです。

 

それは、部下に売上や単価、原価、残業時間といった、数字ばかりをメンバーに求めることを中心とした

声掛けやマネジメントをしていることを意味します。

しかし、接客・サービス業で働く人の多くは、

「お客様の笑顔を見るのが好き」

「お客様に喜んでいただきたい」

ということを大切にして働いているスタッフが多いのも事実です。

 

ある自動車販売のディーラーの熱血部長では、部下に対して

「売れるまで会社に戻ってくるな!」

といった、ソロバン型のリーダーがいました。

 

私は、その部長に、

「部長、ソロバンだけでは部下は動きませんよ、ロマンを伝えることを大切にしたほうがいいですよ。」

と助言したところ、

案の定、「船坂さん、ロマンとは何ですか?」と聞かれました。

 

ロマンとは、

「私たちがお客様に提供する価値」であり、

「私たちが目指す、仕事の意義」を意味します。

従って、自動車販売では、部下に「売れ、売れ」と数字ばかりを求めないで、

「私たちが販売する車を通じて、お客様の生活を豊かにしよう!」

「私たちから購入した車で、家族の大切な時間を過ごしてもらおう!」

といった「ロマン」を大切にすることで部下の皆さんは今よりもっと頑張れると思いますよ、と伝えました。

 

私の助言に感化した部長は、その熱血ぶりを「ソロバンからロマン」に持ち替えて、

「私たちの販売する車でお客様を幸せにするぞ!」と、

ロマン型のマネジメントに変えたところ、以前よりも販売台数が向上したと嬉しい報告をいただきました。

 

このような事例からも、私は、接客・サービス業のマネジメントで大切なのは、

「ソロバンよりもロマンである」と確信しています。

 

そのロマンに共感、共鳴したスタッフが、

「売ることが目的ではなく、お客様の為に自発的に商品を勧める」こととなり、

結果的に売上が伸びることに繋がります。

 

従って、弊社では「売上」ではなく「社会貢献額」と呼んでいます。

それは、売上を上げることが目的ではなく、売上が上がることで「社会に貢献した量が増える」、

つまりソロバンではなく、ロマンで売上を表現することを大切にしているからです。

 

この他にも、あるウェディング系の企業は、受注率ではなく、お客様がご満足いただいた率として「ご満足率」、

集客数も、お客様の期待の数として「ご期待数」という呼び名にしています。

 

このように、マネジメントにおいてロマンとソロバンをバランスよく使い分けることはもちろん重要なのですが、

こと接客・サービス業においては、ロマンの先にソロバンがついてくると考えてマネジメントしたほうが、

「お客様の笑顔や喜びを仕事のやりがいにしている」スタッフにとっては頑張れるに違いありません。

 

それでは、具体的にリーダーは何を大切にすべきなのでしょうか?

 

まず大切なのは、「ロマン」を言葉にした目標設定です。

私が前職のホテルマン時代に婚礼支配人をしていた時のこと。

私は会社から与えられた500組受注、売上16億円という予算を達成するために、

「目標:500組受注 売上16億円」を目標に掲げていました。

しかし、その数字を心から達成したいと思っている部下はいませんでした。

 

それは何故か?

 

それは、この目標には「ロマン」が無いからです。

16億円は会社から与えられた予算で、部下は「給料をもらうため」、「自分が評価されるため」といった義務感で、

目標達成を目指しますが、これは外発的な動機付けであり、自分が心からやりたいという目標ではありませんでした。

 

そこで、私は「何のために500組受注、売上16億円を達成しなければならないのか」をメンバーと話し合いました。

そこで出た結論は、

「私たちの喜びは、結婚式を通じて新郎新婦様やゲストの笑顔が見れたり、その後の人生で結婚式の1日が、

夫婦生活の礎になりしあわせの源泉となること」でした。

 

そうであれば、私たちはより多くのカップルの皆さんにこのホテルで結婚式を挙げていただき、

しあわせになっていただきたい、つまり「年間500組のハッピーをつくる」というロマンの言語化をしました。

 

このロマンを掲げ取り組んだ結果、部下の仕事の意味が「500組のハッピー」という貢献が軸となり、

「500組のカップルをしあわせにしたい!」と内発的な動機付けに繋がり快進撃がはじまりました。

結果として残念ながら500組には届きませんでしたが、

前年287組からの大幅なV字回復で451組という過去最高組数と売上を達成、

そして、その年の全国のホテルで1番1年間で婚礼売上を上げたホテルとなりました。

 

このように、ソロバンを掲げるだけでは部下の心が動かなかったところが、

ロマンを掲げることで部下の心を動かし、結果的にソロバンもうまくいくのです。

 

そして、そこからはリーダーがその目標に向かって、部下が新規獲得をした時に、

「1組受注が増えた」ではなく、「1組ハッピーが増えた」とロマンをベースにした、

チーム内での共通言語にすることで、内発的なエネルギーが最大化します。

 

サービス業は、コロナ禍のリバウンド需要でお客様が押し寄せ、人員不足で疲弊している現場が多いと感じています。

こんな時だからこそ、「ソロバン」ではなく「ロマン」を語り、

サービス業の素晴らしさ、この仕事のやりがいを目標に落とし込むことが重要です。

 

 

ザ・ホスピタリティチーム(株)では、リーダーシップ・組織作り・ホスピタリティに関する、

研修・コンサルティングのサービスを提供しておりますのでお気軽にご相談ください。

 

※本トピックスは著書「接客サービス業のリーダーにとって一番大切なこと(PHP研究所)」

の本文の一部を再編集して掲載させていただいております。

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