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2023.01.29

マネジメントコラム

サービス業における人的資本経営とは?

最近、よく耳にするようになった「人的資本経営」。

この人的資本経営とは、

『人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上に繋げる経営のあり方』(経済産業省)

岸田首相も2023年の年始に、

「人的投資が企業の持続的な価値創造の基盤であり、株主と共通の理解を作っていくため非財務情報の開示ルールを策定する。」

と述べています。

まさに、政権の基本方針のど真ん中に「人的投資」が位置づけられました。

 

これは何を意味するのでしょうか?

 

これまでの企業の評価はBS(賃借対照表)、PL(損益計算書)などに記載された「財務情報」による評価でした。

しかし、それだけでは企業の評価は測れないとして、

これからは、財務諸表には書かれていない潜在的な実力や将来性について知る為の「非財務情報」が求められるようになったのです。

 

その経緯としては日本の失われた30年が示すように、日本は諸外国に比べて経済成長していません。

その要因のひとつとしてリーマンショック以降、企業は正社員から派遣などの非正規社員の雇用に切り替えて急場をしのいできました。

そのことにより、長期雇用を前提としない非正規社員への教育等の投資をしてこなかったという点が経済成長に影響を与えたということも事実です。

実際、日本の従業員への教育に関する投資の時間と費用は先進国の中で極めて低い水準となっています。

 

これらが示すように、そもそも日本の経営における「人材」の位置づけは、

「利益や売上の源泉は個々人の能力ではなく、組織の仕組みにあり、

仕事は属人的にならずに安定した組織運営を優先する。」

そして、人を採用するのは「仕組みを回すための欠員補充」という意味合いが強く根付いています。

 

しかし、これからの時代の従業員の位置づけは、

人を資本と考え、「仕組みの一部」ではなく、個々人の持てる力を最大限に引き出して、

組織力、企業力を最大化することに置き替わります。

 

人的資本をいち早く唱えたノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ゲーリー・ベッカー氏は、

「人的資本は教育や訓練で高められる人間の能力だと定義し、あらゆる投資の中で最も価値があり、

明確に理由を説明できない経済成長は、大部分が教育の賜物であり、

人への投資は収益化に時間はかかるものの、収益率は非常に高い。」

と述べています。

 

それでは、サービス業に置き換えた時に「人的資本経営」はどのような意味を持つのでしょうか?

サービス業における「人的資本経営」の意味は大きく3つあると考えます。

 

まず、ひとつ目は「労働人口の減少による人手不足の解消の一手」となるということです。

これからサービス業で更に深刻化する人手不足問題。

総務省のデータによると、現在約6400万人いる労働人口が、2030年には約5900万人、

2050年には4600万人と急激に減少していきます。

従って、人員が減ることを見据えた上での労働生産性の向上、

新たなサービスによる付加価値を生むイノベーションは企業において待った無しの状況です。

その上で、様々な知識・スキルを従業員に教育・訓練する必要性が高まり、

それによって、一人あたりの労働生産性を高めることが求められます。

 

ふたつ目は、「企業への帰属意識の復活」です。

コロナで自宅待機、リモート勤務などで会社に出勤する必要がなくなることで、

企業内におけるコミュニケーションも希薄となり「会社に対する帰属意識が薄くなった」と言われています。

それに加えて終身雇用の終焉、売り手市場により、嫌ならいつでも転職できる環境も追い打ちをかけています。

従業員の働く意味も「生活のために給料を稼ぐ」から「自分の成長」「自己実現」「社会貢献」に

移り変わってきています。

このような中で、如何に企業が「従業員に対して投資をしてくれているか」は、

従業員の帰属意識、エンゲージメント、離職率などに大きな影響を及ぼします。

 

そして、もう3つ目は「人による付加価値を高める」ということです。

これから、マニュアル通りの定型型サービスは、AI・IT・ロボットに取って替わられます。

その上で、人の役割はそれぞれの顧客のニーズを汲み取り、その顧客に応じたサービス、

つまり「適応型」サービスが人が提供する接客・サービスの主流となります。

その上で、これまでのマニュアル通りのサービスであれば、組織の仕組みの一部として、

仕事として機能していたのですが、その領域はAI・IT・ロボットが担当することとなり、

その上での付加価値、つまり目の前のお客様が何をして欲しいか察して、

そのお客様に最善のサービスを心を込めて提供する、ホスピタリティの領域での接客・サービスを提供できる人材が、

これからの時代には求められます。

その上で、「人による付加価値を磨く」ことが企業には求められ、それに伴う教育・訓練が必要です。

 

これらからも分かるように、これからの時代の企業運営において「人を資本として考え投資していくこと」の重要性が高まることは、

間違いありません。

 

これまでの「人を大切にする経営」の意味は、終身雇用や年功序列といった安定した生活の提供でした、

しかし、これからの人を大切にする意味は「能力開発や自律的キャリア形成の支援」に変わります。

「人材はオペレーションや組織を回す機能の一部」ではなく、「個々の価値を最大化して」、

個人も企業もWIN WINとなる経営への変革が求められています。

 

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