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TOPトピックス付加価値のつくり方 ~接客業におけるホスピタリティで付加価値を高めるには?~ 

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2023.07.22

マネジメントコラム

付加価値のつくり方 ~接客業におけるホスピタリティで付加価値を高めるには?~ 

最近、弊社への問い合わせで多いのが、

「付加価値の提供で他社と競争力を高め、差別化を図りたい!」

といったご相談です。

サービス業はこれから二極化の流れが進み、

AI・IT・ロボットを駆使したテクノロジーで、省人化、効率化を図り、

できる限り人力を使わないで事業を成り立たせる。

という方向と、

人による付加価値の提供で、商品サービスの質を高めることで、

単価、利益率を高めて事業を成り立たせる。

といったふたつの方向に進むことが予想されます。

 

その上で、弊社に相談に来られる多くの経営者は、

『確かにAI、ロボットによる省人化、効率化は大切だけど、

それは日進月歩で、すぐに競合も新しい技術を取り入れてくるので、

決定的な差別化にはならない。

それよりも「人による高い付加価値の提供」といった優位性は、

今から取り組めば、競合他社が追いつこうと思ってもそう簡単には追いつけない。

だから、今、人に投資をして付加価値を高めたい。』

といったこと言われます。

 

一見、世の中のトレンドはテクノロジーの活用のように感じますが、

大手の資本力のある企業は、テクノロジーに対する継続的な投資ができても、

中小企業はそういう訳にはいきません。

従って、今いる従業員による「付加価値」の提供で他社との競争力、差別化を図ることは、

接客業にとっては重要な施策になると考えられます。

 

それでは、接客業における「付加価値」とは何なのでしょうか?

 

顧客に提供される価値は大きくふたつあります。

ひとつは「等価価値」。

これはお客様が支払った金額と同等な価値が商品サービスによって提供される価値です。

顧客が支払ったお金=価値 ⇒ 等価価値

一方、「付加価値」とは、顧客が支払った以上の価値を顧客が感じること、

顧客が支払った金額<価値 ⇒ 付加価値

 

従って、如何に顧客が支払ったお金以上の価値を提供できるかどうかが重要であり、

その為には、マニュアル通りの通り一遍の「定型型」の接客サービスではなく、

個々のお客様を心から想い、気遣い、もてなす、「適応型」の接客サービス、

つまりホスピタリティの提供が高付加価値を提供するカギとなります。

 

それでは、どのようにすれば全従業員が顧客に高いホスピタリティの伴ったサービスを

提供し、商品サービスの付加価値を高めることができるのでしょうか?

 

一見、単純に「接客サービスに関する教育をすればホスピタリティは上がる」

と考えがちですが、実はそれだけでは競合との真の競争力にはなりません。

 

高付加価値を提供する為には、実は、企業、組織全体にホスピタリティを

インストールすること、ホスピタリティの重要性を共通価値化することが、

結果的に「高い付加価値の提供」に繋がります。

 

ホスピタリティは顧客への「もてなし」や「厚遇」といったことをイメージしがちですが、

ホスピタリティは3つの種類に分類されます。

 

1.インナー・ホスピタリティ(社内のホスピタリティ)

  従業員同士の思いやりや気遣いによる関係の質の向上

 

2.カスタマー・ホスピタリティ(顧客へのホスピタリティ)

  顧客への気遣い、もてなしや厚遇による付加価値の提供

 

3.ソーシャル・ホスピタリティ(社会へのホスピタリティ)

  コンプライアンス、社会規範の遵守、企業理念の実現による社会貢献

 

このように、ホスピタリティは顧客だけに提供されるものではなく、

全ての人間関係に介在します。

その中でも、特に重要なのが「インナー・ホスピタリティ」です。

ホスピタリティによる付加価値で重要なのは、

会社から「いい接客サービスを提供しなさい」といったやらされ感ではなく、

「心からお客様に喜んでいただきたい」という、

スタッフの内発的動機を引き出すことが重要であり、

それが、顧客への心からの主体的なサービスの提供に繋がり、

この主体的なサービスこそが「付加価値」に繋がるのです。

 

それには、

・社内に笑顔が無いのに、お客様の前だけで笑顔になれない。

・自分の半径5メートルの人をしあわせにできないのに、

 その先のお客様をしあわせにすることはできない

・真のお客様から選ばれる商品サービスを提供するには従業員の「自己犠牲」、

 「滅私奉公」では叶えられない。

 

このような事が示すように従業員自らが心から「お客様を喜ばせたい」と思わせる、

企業風土、マネジメントをすることが重要となります。

 

特に最近注目されている、マサチューセッツ工科大学のダニエルキム教授が提唱している

「組織の成功循環モデル」では、

組織内、スタッフ間の「関係の質」が上がることで、

組織の心理的安全性が高まり、不毛な人間関係によるストレスから解放されて、

スタッフが前向きな思考となる「思考の質」が向上し、

それが、主体的、自発的な行動となることで「行動の質」が上がり、

最終的に「結果の質」が上がるという理論を提唱しています。

 

このことにおいても、スタッフ同士の尊重や承認をベースとした、

思いやりや気遣いを意味するホスピタリティは、

社内の「関係の質」を高める上で大きな役割を果たします。

 

それが、スタッフの顧客思考を高め。

「やらされ感ではなく、心からのお客様を喜ばせたい!」

「お客様を笑顔にしたい!」

といった思考の質を高め、

「お客様を喜ばせるマニュアルを超えたサービス」

「お客様のして欲しいことを洞察した一歩先回りしたサービス」

の提供といった「行動の質」を高めることに繋がり、

・顧客満足度の向上

・リピート率の向上

・付加価値の向上

となり、「結果の質」の向上、業績の向上に繋がります。

 

これが、ホスピタリティによる付加価値を向上する為の真のプロセスとなります。

 

実際、私がホスピタリティコンサルタントとして500社以上の企業を見てきた中で、

ホスピタリティ(付加価値)の提供度の低い企業は、社内の「関係の質」が低く、

働くスタッフが会社の悪口、他部署のあら探しに奔走して社内で消耗戦を繰り広げている

「内向き」な組織風土になっており、

ホスピタリティ(付加価値)の提供度が高い企業は、社内の人間関係にストレスが無く、

みんなでお客様の笑顔や喜びの為に一丸となる「関係の質」の高い、

「外向き」な組織風土であることが分かりました。

 

このことからも、ホスピタリティというのはお客様の為だけではなく、

社内の仲間同士の為でもあり、やりがいを持って楽しく働けるようになる

従業員自身の為でもあり、最終的には自社のCSとESの向上、業績向上、

「従業員にも、お客様にも愛される会社」をつくることにも繋がります。

 

そして、ホスピタリティを共通価値化することのもうひとつの利点は、

従業員の仕事の目的意識、やりがい、誇りに繋がるということです。

顧客への期待以上のサービスの提供、付加価値を提供をすることで、

「喜びの笑顔」「ありがとうの言葉」「あなたで良かった」

といったお客様からの称賛が増えることに繋がります。

この事がスタッフにとっての「精神的報酬」となり、仕事のやりがいに大きく影響します。

この事で、

・定着率の向上

・採用率の向上

・生産性の向上

・エンゲージメントの向上

に繋がり、今、サービス業で抱えている問題解決にも大きく貢献します。

 

このような事からも分かるように、ホスピタリティを企業内にインストールすることは、

顧客に提供する商品サービスの付加価値を高めるだけでなく、

従業員の仕事のやりがいを高めることにも繋がり、

これから企業に求められる「人的資本経営」にも繋がります。

 

いかがでしたでしょうか?

 

自社の接客サービスを磨いて、顧客への付加価値の提供で競争力を高め、

顧客から選ばれる企業になること。

このことは接客業にとって、これからの時代の重要な戦略となります。

しかし、それには上辺の接客サービスを磨くだけでなく、

インナー・ホスピタリティを高めることで、スタッフ同士の関係の質が向上し、

職場の心理的安全性、顧客志向が高まる。

つまり「社内から溢れ出すホスピタリティ」が顧客への心からのホスピタリティの提供に

繋がり、圧倒的な競争力、付加価値の提供、顧客から選ばれる理由に繋がります。

 

ザ・ホスピタリティチームでは、付加価値提供に向けた仕組みづくり、

ホスピタリティ溢れる組織作りのコンサルティング、研修のサービスを提供しておりますので、

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