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2021.04.02

マネジメントコラム

サービス業で成果を生むリーダーシップ・マネジメントとは?

 

サービス業のマネジメント特性を理解する

サービス業と異業種とのマネジメントの大きな違いは、

サービス業は人による労働生産性の割合が高いという点です。

つまり、「各スタッフのパフォーマンスにより、生産性、業績が大きく変わる」

ということを意味します。

 

従って、サービス業における、リーダーシップやマネジメントにおいて重要なのは、

スタッフ一人ひとりを如何に生かして、スタッフの価値を最大化するマネジメントです。

例えば、ある飲食店では、それまではドリンクが空になっているグラスを見ても、

スタッフが声掛けもせずに放置していたところから、

グラスが空になっているお客様を見掛けたら、

「おかわりいかがでしょうか?」と笑顔で声掛けをするようにしたら、

ドリンクの売り上げが1.3倍になりました。

ある結婚式場では、それまでは新規のお客様に対しての受注率が、

30%だったところが、教育を強化したところ50%に上がり、

売上が、1.5倍になったケースがあります。

このように、サービス業においては、

リーダーはスタッフに対してどのようなリーダーシップを発揮して、

どのようなマネジメントをするかにより生産性が大きく変わることを

理解することが重要です。

 

◆サービス業の生産性を向上させるマネジメントとは?

それでは、どのようにすれば「スタッフ一人ひとりの価値を高めて」

生産性を向上させることができるのでしょうか?

 

私は、これまでの17年間のホテルマンとしての現場経験と、

ホスピタリティコンサルタンととして500社の支援経験、

サービス業一筋30年間の経験から導き出した答えは、

リーダーは「ホスピタリティ」をマネジメントに生かす視点を持つべきということです。

 

ホスピタリティはお客様への「おもてなし」や「厚遇」といったイメージを持つのですが、

実は、それだけでなく、すべての人間関係の中に存在します。

このホスピタリティにおける、大切な価値観は以下の4つです。

 

「異人歓待」

自分以外の他者に対して歓迎の意を持ち、好き嫌いなく無条件に受け入れる。

 

「互酬性」

お互いの関係性において、どちらか片方にメリットがあるということではなく、

お互いにメリットを感じ、お互いを高め合いながら喜びを分かち合う。

 

「相互関係」

主体的なコミュニケーションからお互いの良好な関係性を高め、信頼関係を構築する。

 

「共創関係」

一緒に取り組むことで、その「場」や「物事」を共創することにより相互満足を得る。

 

これらの価値観をリーダーシップやマネジメントに生かすことで、

成果の最大化に繋がります。

 

◆サービス業の肝となるマネジメント

それでは、どのようにすれば、これらのホスピタリティの価値観を

マネジメントに生かすことができるのでしょうか?

 

ここでは、サービス業におけるマネジメントの肝となる、

「組織環境」「人材育成」「目標達成」について解説します。

 

1.組織環境

サービス業における組織環境は、生産性を生む土台であり、

スタッフが「キラキラ輝いてサービスを提供するのか?」

それとも、「疲弊した中でやらされ感でサービスを提供するのか?」

は組織環境によって大きな影響を及ぼしており、

それにより成果にも大きな差をもたらしています。

その中でも、大切なのが、メンバー同士の良好な関係性の構築です。

退職の本当の理由の第1位は「職場の人間関係」という事実である。

ということが示すように、

社内や職場の関係性がギクシャクした中では、

「やる気」や「モチベーション」が上がる訳もなく、

お客様の前で心からの笑顔を提供することはできません。

マサチューセッツ大学のダニエルキム教授の研究結果でも、

成果を生む組織の最大の特徴は、

「組織内の関係の質が高いことである」と述べています。

グーグルでも、「生産性の高い組織の特徴とは?」を

全世界のマネージャーに聞いたところ、

「生産性の高い組織は、心理的な安全性が高い」

つまり、「この組織ならメンバーを信頼して働ける」、

「失敗してもこのチームなら叱責されない、安心してチャレンジできる環境」

といった心理的安全が、メンバーのやる気を最大化し、

スタッフが伸び伸びと働ける環境を育んでいる。

という研究結果が出たそうです。

 

これは、ホスピタリティでいうところの

「異人歓待」「互酬性」「相互関係」「共創関係」、

すべてに当てはまります

つまり、ホスピタリティを対顧客に提供する以前に、

組織環境の醸成に生かすことで生産性の高い組織の土台を

創り上げることができることを意味します。

 

2.部下育成

成長は人間の第4の欲求と言われるほど、

基本的に人間は「成長したい」と思っています。

組織においても、メンバーが成長することで、

・知識、スキルが向上し、サービスの品質が上がる

・顧客満足度が上がる

・時間内にできる仕事の量が増えて生産性が上がる

といったメリットが得られます。

 

しかし、現状では現場のリーダーは、目の前の業務に追われ、

メンバーの成長を促すマネジメントが不足しているということも事実です。

また、現場のリーダー自身が「部下の成長を促すマネジメント」といった観点の

教育を受けたこともなく、見様見真似でマネジメントしているのが現実です。

それでは、そのようにすれば部下の成長を促す育成をすることができるのでしょうか?

 

それには、リーダーは以下の視点を持つことが重要です。

○部下育成の仕組み化、体系化をする

私が見る現場教育は、「場当たり的」で仕組み化、体系化できていない

組織が多いというのが現状です。

しかし、部下育成で重要なのは、

 

計画的指導内容、指導期間、達成レベルを設ける)

  新人が戦力化するまでの育成方法が計画性を持って確立されているか?

  各スタッフの毎年の目標設定、目標達成の為に何をするかの明確化、

  そして、フィードバックの仕組みなどが確立されているか?

 

 ・意図的(意識と行動の変容を促す働きかけをする)」

  日々のマネジメントの中で、部下の成長を促す声掛けや、

  ティーチングではなく、部下に内省を促し部下が持つに答えを引き出す

  コーチングの実施などで、メンバーの意識と行動の変容を促す

  マネジメントをしているか?

 

といった視点でメンバーの成長を促すマネジメントが行われているかどうかです。

 

そして、知識・スキルの習得も大切なのですが、

もうひとつサービス業で大切なのは、

お客様との関係性も含めた「人として」という部分の人間教育です。

「あなたに会えて良かった」

「あなたから買いたい」

とお客様から言ってもらえるスタッフを育てることは、

部下にとっても、会社にとっても、お客様にとっても意義のあることです。

その上で、「自分の貢献がお客様の喜びやしあわせに繋がる」といった

ホスピタリティ視点のマインド醸成は、

部下にとっての人間力の向上に大いに役立ちます。  

 

3.目標達成

仕事である以上、会社から期待されるミッションや目標を達成することは、

リーダーにとって重要な役割のひとつです。

前述のように、サービス業は人による労働生産性が高い為、

「ただ時間を働けば給料がもらえる」と思っているスタッフと、

「目標達成の為に頑張る」スタッフとでは、

パフォーマンスも結果も大きく異なります

 

それでは、どのようにすれば目標達成に導くマネジメントをすることができるので

しょうか?

 

それには、2つの視点をリーダーは持つことが重要です。

まず、ひとつは「メンバーが目標達成したくなるようにする」ことです。

目標は、一般的に会社や所属長が決めて、それを部下に共有するケースが多い

と思うのですが、それでは、メンバーのコミットメントが引き出せません。

 

なぜならば、それは「メンバーが達成たい目標設定ではない」からです。

従って、最終的には会社やリーダーが意思決定をするのですが、

目標設定の時点からメンバーを巻き込み、その目標を「自分事」にする

マネジメントが必要です。

 

また、売上といった「定量的」な目標だけでなく、メンバ-の想いを目標にして、

「この1年で私たちはどうなりたいか?」

「日本一、お客様に喜ばれるサービスを提供するチームになる」

といった「定性的」な目標設定をすることで、メンバーのコミットメントを

引き出すといった視点も重要です。

 

そしてもうひとつは、

「目標達成までのPDCAを全員巻き込み型で仕組み化する」ということです。

現場リーダーのよく見る光景として、現場のオペレーションや、

顧客サービスのところはスタッフが担当し、

それ以外の、数字管理や集客施策、商品造成などの部分はリーダーが一手に

引き受けている組織が多いように感じます。

 

しかし、リーダーひとりでできる仕事には限界があり、

結局、リーダーがひとりで抱えることで、施策が中途半端で結果が出ないという

結末になるという認識をリーダーは持つことが重要です。

 

従って、私がお勧めしているのは、メンバー全員がメインの業務以外に、

目標達成の為の役割を持つということです。

 ・集客担当

 ・単価アップ担当

 ・商品開発担当

 ・チームワーク担当

目標達成の為に必要な項目を洗い出し、それに対して各担当を決めて、

アクションプランを策定し、定期的に進捗管理をする。

 

当然、最初はリーダーにとっては物足りないアクションプランが

策定されるケースもあるのですが、それをリーダーがフォロー、修正しながら、

サポートすることで、リーダーが自分ひとりで全部やっていたところから、

メンバー全員を巻き込むことで、アクションがパワーアップし、

メンバーの目標達成に対するコミットメントが高まり、

メンバーの成長にも繋がります

これこそ、ホスピタリティの「共創関係」であり、

メンバー全員で共創することによる相乗効果を生む組織運営に繋がります。

 

このように、サービス業におけるマネジメントの特徴を理解し、

それに応じた効果的なマネジメントをすることで、

スタッフのやる気や生産性の向上に繋がり、

最終的には、

・スタッフ一人ひとりのパフォーマンスを最大限発揮できる組織環境の中で、

・日々、成長を実感しながら、

・達成したい目標に向かって「自分事」として取り組む。

これが、成果に結びつかない訳がありません。

 

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