2022.04.11
マネジメントコラム
組織をプラスのエネルギーで満たすリーダーの思考習慣
■組織をプラスのエネルギーで満たすとは?
「職場のムード」が「店舗のムード」となり、そのムードがお客様に伝わり、居心地や心地良さ、最終的には顧客満足度、業績に影響します。
従って組織全体を「殺伐」や「疲弊」といったマイナスのエネルギーではなく、「明るさ」や「笑顔」といったプラスのエネルギーで満たすことが大切であり、
その上で、組織に大きな影響力を持つリーダーの思考や行動によって、チームのムードは大きく左右します。
その為には、リーダーがいつも元気で、明るく、ご機嫌でいることで組織全体がプラスのエネルギーで満たされることが理想ですが、リーダーも人間、会社から無理難題を要求されたり、部下の行動や言動によって、笑顔で居られない時、ご機嫌で居られない時も当然あります。
私も、現在10名足らずの小さな会社を経営していますが、スタッフに対して、
「何で、言ったことをやっていないんだ」
「何度言ったら分かるんだ」
「何で期日を守らないんだ」
という感情は日常で常に起こり、以前はその度に不機嫌な態度をスタッフに示すことによって改善を図ろうとしていました。
しかし、ある時私は気付きました。
「自分の怒りや不満を部下に示したところで、誰も喜ばないし、誰もしあわせにならない、そしてお互いの関係性を悪くするだけで効果的に改善されていない。」
部下にとってみれば、上司から苦言を聞いて気持ちは落ち込み、お客様にとってみれば、そのマイナスな気持ちの中でサービスを受ければ満足度は上がらない、そして何より、私自身も決していい気分ではなく、不満を示して「してやったり」といった満足感は生まれません。
従って自分のマイナスな感情を表現することによるメリットは少なく、マイナスなエネルギーは、マイナスな出来事を引き寄せるので、そんな時に限って、お客様からお叱りをいただいたり、クレームが発生したりするものです。
■リーダーが持つべき思考習慣
そもそも、上司として不満や苦言を呈する時は、「自分が求めている結果が手に入らない」時であり、不満や怒りというマイナスな感情をぶつけることで、自分が求めるものを手に入れる効果的な手段であるかどうかということを考える必要があります。
しかも、その求める基準も上司が決めた基準であり、
「部下の身の丈に合っているかどうか」、
「部下がその基準に納得しているかどうか」
というと、必ずしも合致していないケースが多いものです。
その上で私が考えるリーダーにとって最も大切な思考は、「自責思考」です。
部下に対する怒りや不満は「他責」であると理解することで、その不満の矛先を部下に向けるのではなく、
「自分が部下に対する求め方、伝え方が違うのかな?」
「求めている基準に達するような教育を自分がまだできていないんだな」
と自分に向け、「自責」で受け止めることで、部下に対する不満や怒りといった感情は消えて無くなります。
そして、それをリーダー自身がその事象を落ち込むのではなく、謙虚に受け止めて、自分自身のマネジメントにおける成長のエネルギーに変えれば良いのです。
相手に求める、他責によって起こる「マイナス」な感情よりも、自分が至らなさを受け入れる「自責」の感情のほうが明らかに「プラス」であり、このリーダーの思考習慣がリーダーの「怒り」や「不満」ではなく、「笑顔」や「明るさ」に繋がり、組織をプラスのエネルギーで満たすことに繋がります。
本コラムは、著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」(PHP研究所)を再編集して掲載しております。
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