2021.05.23
マネジメントコラム
離職率が「高い」職場と「低い」職場の環境の違い
■離職率が高い職場と低い職場の違い
最近、私が経営者から相談を受ける中で、
「うちの会社は離職率が高い。」
「新しいスタッフを採用しても、すぐに辞めてしまう。」
といった離職に関する相談が増えています。
その相談を受けて、私がそれらの企業に伺った際に総じて感じるのは、
「離職率の高い職場は空気が冷たい」ということです。
外部の私が事務所内に入って行っても、挨拶も無ければ、
スタッフ同士の笑顔も会話も見られません。
このような職場環境では離職率が高いのも頷けます。
一方で、離職率が低い職場にはある共通点があります。
それは職場に「ありがとう」と「笑顔」が溢れていて、
職場の空気が温かいという点です。
ある地方のトリミングサロンで、
「最近、スタッフ同士がギクシャクしているので何とかしたい」
という相談を社長から受けました。
そこで、私がインナー・ホスピタリティの研修を提案して実施した際に、
メンバー同士で「お互いにありがとうを言おう」というワークをしました。
これはメンバー10名が一人ひとりに「ありがとうを伝える」というただそれだけのワークです。
ある新人は、「〇〇先輩、いつもトリミングの技術を教えていただきありがとうございます!」
あるベテランスタッフは「〇〇ちゃん、いつも朝早くきて店のオープンの準備を
してくれてありがとう。」
店長は「社長、こんな私を店長にしていただきありがとうございます。」
普段思っている感謝の気持ちを一人ひとりの目を見ながら、
心を込めて伝えていきます。
すると誰からともなく泣き出し、全員が伝え終わるころには、全員号泣していました。
私が、「みんなどうしたの?」と聞くと、
新人は、「みんなの足を引っ張ってばかりいて、
私はこの職場に必要ないと思っていたけど、
みんなが私のことを見てくれていて嬉しい。」
店長は、「上司らしいことは何一つできていなくて、
みんなから嫌われていると思っていたけど、
私のことをこんなに思ってくれていたなんて感動した。」
ここから、このトリミングサロンは結束を固め、
その年過去最高売上の達成を成し遂げました。
私はこのような経験を他企業でも何度も経験しています。
■離職率を下げる為に大切なこと
この事から分かるように、感謝の気持ちをお互いが伝えられている職場が意外に少ない
という表れであり、スタッフ達は「ありがとう」に飢えています。
そして「ありがとう」は相手に対する承認を意味し、
お互いを承認し合える職場環境であるかどうかは全員がお互いを信頼し、
安心して働けるという点においても重要であるということを物語っています。
また、笑顔に関しても本来、私たち接客・サービス業の仕事の目的は
「お客様の喜びやしあわせに貢献すること」のはずなのに、
「仕事は辛いもので、楽しく仕事をすることは悪」といった職場風土を
未だに感じることがあります。
しかし、笑顔は、
「しあわせを実感できる。」
「親しみやすくなる。」
「話し掛けやすくなる。」
「お互いが元気になれる。」
といったメリットだらけであり、接客・サービス業にとって
笑顔は仕事のエネルギーの源泉です。
「職場の笑顔=お客様の笑顔」と考え、笑顔溢れる職場風土が必要です。
このように、職場にありがとうと笑顔が溢れていること、
たったこれだけで離職率の低下に繋がることをリーダーは理解し、
まずはリーダー自らが常に笑顔で、
事あるごとに「ありがとう」を伝えることからはじめていきましょう。
※本コラムは、著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」
(PHP研究所)の本文を再編集させていただいております。
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