組織をプラスのエネルギーで満たす リーダーの思考習慣

2021.07.24

組織をプラスのエネルギーで満たす リーダーの思考習慣

マネジメントコラム

■ リーダーの不機嫌は、誰もしあわせにしない!

「職場のムード」が「店舗のムード」となり、そのムードがお客様に伝わり、

居心地や心地良さ、最終的には顧客満足度、業績にまで影響します。

 したがって、組織全体を「殺伐」や「疲弊」といったマイナスのエネルギーではなく、

「明るさ」や「笑顔」といったプラスのエネルギーで満たすことが大切です。

 そしてそのためには、組織に大きな影響力を持つリーダー自身が、

いつも元気で、明るく、ご機嫌でいることです。
 

ただ、リーダーも人間です。

会社から無理難題を要求されたり、部下の行動や言動によって、

笑顔でいられないとき、ご機嫌でいられないときも当然あります。

私も、現在10名足らずの小さな会社を経営していますが、

スタッフに対して、

「なんで、言ったことをやっていないんだ」

「何度言ったら分かるんだ」

「なんで期日を守らないんだ」

 といった感情になることは日常的にあります。

 

以前はそのたびに不機嫌な態度をスタッフに示すことによって、

事態の改善を図ろうとしていました。

 

 しかし、あるとき私は気づきました。

「自分の怒りや不満を部下に示したところで、誰も喜ばないし、

誰もしあわせにならない。」

 

それに、お互いの関係性を悪くするだけで、何も効果的に改善されていない」

部下は上司からの苦言で気持ちが落ち込み、

そのマイナスな気持ちの中でサービスをするので、お客様の満足度は当然上がらない。

そして何より、私自身も決していい気分ではなく、

不満を示して「してやったり」といった満足感は生まれません。

したがって、自分のマイナスな感情を表現することによるメリットは

ほとんどないのです。

 

一方、マイナスなエネルギーはマイナスな出来事を引き寄せるので、

そんなときに限って、お客様からお叱りをいただいたり、

クレームが発生したりするものです。

 

■リーダーにとって最も大切な「自責思考」

 そもそも、上司が不満や苦言を呈するのは、

「自分が求めている結果が手に入らない」からでしょう。

であれば、不満や怒りというマイナスな感情をぶつけることが、

本当に自分が求めるものを手に入れる効果的な手段であるかどうかを

よく考える必要があります。

 

しかも、その求める基準も上司が決めた基準であり、

「部下の身の丈に合っているかどうか」

「部下がその基準に納得しているかどうか」というと、

必ずしも合致していないケースが多いものです。

 私が考えるリーダーにとって最も大切な思考は、「自責思考」です。

 部下に対する怒りや不満は「他責」であると理解してください。

 

そして、その不満の矛先を部下に向けるのではなく、

「部下に対する自分の求め方、伝え方が違うのかな?」

「求めている基準に達するような教育を自分がまだできていないんだな」

 というように矢印を自分に向け、「自責」で受け止めるのです。

 

そうすると、部下に対する不満や怒りといった感情は消えて無くなります

 

但し、自責といっても、

「自分はなんてダメなんだ」などとリーダーが落ち込む必要はありません。

謙虚に受け止めて、自分自身のマネジメントにおける成長のエネルギーに

変えればいいのです。

相手に求めるばかりの「他責」によって起こる「マイナス」な感情よりも、

自分の至らなさを受け入れる「自責」の感情のほうが、明らかに「プラス」です。
 

また、こうしたリーダーの思考習慣は、「怒り」や「不満」ではなく

「笑顔」や「明るさ」に繫がり、組織をプラスのエネルギーで満たすことにも繫がります。

 

 

※本コラムは、著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」(PHP研究所)

の本編を再編集して掲載させていただいております。

 

https://thehospitalityteam.jp/wp/book-release/

関連記事

トップページ - コラム - 組織をプラスのエネルギーで満たす リーダーの思考習慣