2021.09.24
マネジメントコラム
会社が与える「金銭的報酬」と同じくらい、 上司が与える「精神的報酬」は重要!
◆仕事をすることによる2種類の報酬
仕事をする上で「報酬」と言えば、給料や賞与をすぐにイメージしがちですが、以前の高度成長期のように、毎年の昇給や高額な賞与が見込める時代ではもはやありません。
一方で働く側の企業への志望動機も、以前は給料が高い、休みが多いといった待遇面が
多かったのですが、最近では、
「自分のやりたいことができる」
「企業の考え方に共感できる」
「社会に貢献できる」
など、自分にとっての仕事の意味や意義を重視した動機が多くなってきています。
特に接客・サービス業を志望する若者に関しては、顕著にその傾向を感じます。
したがって、これからの時代は「金銭的な報酬」だけではスタッフにとって魅力的な企
業、職場にはならず、それと同じくらい、スタッフの心を満たす「精神的報酬」が重要な
時代だと認識する必要があります。
その上で、部下に仕事の意味・意義を感じてもらいながら、やりがいを持って仕事がで
きる環境があること、そして部下の心を満たす「精神的報酬」をいかにリーダーが部下に
対して日々のマネジメントの中で提供できるかが重要です。
そして、この「精神的な報酬」は素晴らしいことに、リーダーの「意識」と「心掛け」
だけで、明日からでもすぐに提供できます。
金銭的な投資はまったく必要ありません。
◆効果的な精神的報酬の提供方法
部下の心を満たす精神的報酬の代表的なものとしては、
「褒める」
「感謝を伝える」
「認められる」
「任せる」などが挙げられます。
具体的な上司による部下への声掛けとしては、
「ありがとう」
「頑張っているね」
「嬉しいよ」
「君に任せる」
「素晴らしい」
など、リーダーが日々の中で意識的に部下の心を満たす言葉のプレゼントを贈ること。
たったこれだけで、部下の精神的な報酬となり、これが有るか無いかで部下のやる気や
モチベーションに大きな違いが生まれます。
あるウェディング系企業の取り組みに「ホメホメ交換日記」があります。
これは、その週に起こった出来事に対して、メンバー同士で「褒めたい」ことをノート
に記入するということを仕組み化したものです。
「〇〇さん、オフィスの掃除を率先してやってくれて頭が下がります」
「〇〇さんがいるだけで、オフィスが明るく、元気になります」
といったように、お互いに精神的報酬を交換し合い、つまらない人間関係の消耗戦では
なく、お互いを讃え合い、仲間を愛する文化を醸成する取り組みです。
この取り組みを始めてから、組織内のコミュニケケーションが活性化され、全メンバー
が幸福感を抱きながら、いつも笑顔でお客様に向き合えるようになったといいます。
このように、日々の仕事の中でスタッフの心を満たす報酬をリーダーが率先して提供す
ることで、スタッフが仕事において「しあわせを実感」できるようになると、やりがいや
組織に対するロイヤリティの向上にも繫がります。
特に「心や想い」を重んじる接客・サービス業のスタッフにおいては、この精神的な報
酬がやる気の源泉となり、組織運営における様々な効果をもたらすのは間違いありませ
ん。
※本コラムは、著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」(PHP研究所)の本文を再編成して掲載しております。
サービス業のリーダーがマネジメントで役立つ56のエッセンスが書かれておりますので、是非、ご一読ください。
著書『接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと』絶賛発売中!
ホスピタリティ経営・コンサルティング・セミナー・講演のことなら
ザ・ホスピタリティーチーム
CATEGORY
NEW ENTRY
RELATED POST関連記事表示
TOPICSトピックス
マネジメントコラム
2024.09.29
社員の「幸福度」と「業績向上」を両立する組織づくりとは?
◉ 働く意味の時代変化 皆さまにとって「働く意味」とはどのようなことでしょうか? 昭和時代を...
マネジメントコラム
2024.09.21
社員が採用できない!すぐに辞める!「働きたくなる職場の条件」 ~ 3つのステップで人で困らない職場をつくる ~
「求人サイトで人を募集をしても、申込者がゼロ」 「社員は、辞めるばかりで現場は...
マネジメントコラム
2024.09.15
部下のやる気を高める方法 ~ メンバー一人ひとりのやる気スイッチの見つけ方 ~
私たちが仕事をする上で理解しなければいけないのは、 組織の所属するメンバーの「感情」によって生...