2021.06.26
マネジメントコラム
スターバックスコーヒーが実践するサーバント・リーダーシップとは?
先日、あるテレビ番組で、
スターバックスコーヒージャパンのCEO水口社長が口にした、
「サーバント・リーダーシップ」。
このリーダーシップとは、どのようなリーダーシップなのでしょうか?
リーダーシップといえば、
「強い決断力」
「みんなを引っ張っていく」
といったトップダウン型リーダーシップをイメージしますが、
このサーバント・リーダーシップは、それとは真逆なことを意味します。
サーバントは、奴隷や召使いを意味します。
従って、直訳すると「リーダーが部下の奴隷になる」ということになりますが、
そのような解釈ではなく、
このサーバント・リーダーシップは「人の為に働くリーダーシップ」です。
従って、部下に「指示」をする、「指導」をするといったリーダーシップではなく、
部下を「支持」する、部下を「支援」するマネジメントです。
確かに、スターバックスを利用した際に店内の雰囲気を見ても、
店長が強いリーダーシップを発揮している店舗は見当たりません。
それは、上司部下の関係ではなく、パートナーとしての関係が
構築されているからに他なりません。
それでは店長はリーダーとしての役割を果たしていないのでしょうか?
そうではありません。
店長とメンバーは定期的に面談をして、
各メンバーが「どんな事をやりたいのか?」
それを仕事に落とし込み、どう実現するのかといった事をヒアリングをして、
個人の目指している方向と、会社の目指している方向の接点を見つけます。
そのことにより、
メンバーは、会社から指示・命令されたことではなく、
「自分がやりたい事、目指している事」が今の自分の仕事の中にあることにより、
「やらされ感」ではなく、「やりたい感」で真の力を発揮します。
そのようなメンバーで集まった組織はものすごい力を発揮することになります。
このように、サーバントリーダーシップは、
トップダウンではなく、メンバーのやりたい事、なりたい自分を支援、サポート
する役割を担い、それを会社の方向性と結びつけているのです。
それが、メンバーの自己実現の実現や成長の機会となり、
メンバーの力、組織の力を最大化することに繋がっています。
ここで重要なのは、リーダーのメンバーに対するホスピタリティです。
ホスピタリティは顧客への厚遇といった意味合いだけでなく、
他者に対する思いやりや気配り、尊重を意味します。
そして、何よりも「他者への貢献により得られる自分の喜び」
が自分自身の大きなエネルギーになり得ます。
従って、リーダーシップにおいても、
ホスピタリティは、「部下への貢献を第一に考えるリーダーシップ」、
すなわち、サーバントリーダーシップと同じ意味を持ちます。
スターバックスコーヒーのこのようなリーダー思考や、
組織マネジメントが、結果的に顧客サービスに繋がり、
ホスピタリティの高い、付加価値の高いコーヒーショップ経営に
繋がっています。
従って、顧客サービスの品質を上げるには、
まずは社内の組織運営、マネジメントを見直すことが重要なのかもしれません。
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