2024.02.17
ホスピタリティコラム
インバウンド接客国別対応術 ~ 外国人ゲストに高いホスピタリティを提供するポイント ~
コロナ禍では街で外国人を見掛ける機会も減りましたが、
コロナが明けてから訪日外国人が急激に増え、
2023年の訪日外国人の数は2500万人を超えてコロナ前の8割まで回復し、
円安も追い風となり、まだ増加傾向にあります。
一方で、日本は『おもてなし』を代表する世界一のホスピタリティを誇っている国であり、
海外から日本に来られたゲストに、ハードだけではなく、
接客などのソフトで『日本の良さ』を知ってもらう機会でもあります。
しかし言葉の壁や、インバウンド対応に関する知識が日本人全体的に乏しい為、
十分な対応が出来ていないという点も否めません。
このコラムでは、日本と海外とのコミュニケーションの取り方の違いと、
国別の外国人の特徴と対応術について解説させていただきます。
まず、最初に理解しておかなければならないのは、
「日本人と外国人ではコミュニケーションの取り方に大きな違いがある」という点です。
日本人のコミュニケーションは、ハイコンテクスト (High-Context)と言われ、
特徴としては、
・情報や意味が文脈や非言語的な要素(身振りや表情など)に依存するコミュニケーションスタイル。
一方で、アメリカを代表とするローコンテクスト(Low-context)の特徴は、
・情報や意味が主に言葉だけに依存するコミュニケーションスタイルとなる。
特に我々日本人は、表現することが苦手で、相手の事を察する文化が根付いていますので、
ローコンテクスト文化の外国人にとっては、「何を思っているのか分からない」といった誤解を生むことも
あるので注意が必要です。
それでは国別で考えた時に、どのような特徴とコミュニケーションのポイントがあるのでしょうか?
ここでは、国別の風習や文化の特徴とコミュニケーションの取り方について解説させていただきます。
1.中国
・集団主義: 中国の文化は、個人よりも集団や家族を重視する傾向があります。集団内での調和や共同作業が重要視されます。
・家族の重視: 中国の家族は非常に結びついており、家族が個人のアイデンティティや役割の中心です。世代間のつながりや尊敬が重要視されます。
【コミュニケーションのポイント】
・間接的な表現: 中国では直接的な表現よりも間接的なコミュニケーションが好まれることがあります。文脈を理解しやすいように心掛けます。
・ 年齢や地位に対して尊重の念を示すことが重要です。
2.韓国
・尊敬と礼儀: 年長者や権威に対する尊敬が韓国の文化で重要視されます。敬意を示すためには、適切な敬称や礼儀を守ることが期待されます。
・情緒表現: 韓国人は感情を表現することが少なく、しばしば控えめで抑制的な態度を示します。感情の表現は控えめで、直接的ではないことが一般的です。
・外見への配慮: 韓国社会では外見に対する意識が高く、身なりや外見の清潔さが重視されます。ファッションや美容に対する関心が高い傾向があります。
【コミュニケーションのポイント】
・韓国では目を合わせることが重要視されます。目を合わせて話すことは、相手に対する尊重や関心を示す方法とされています。
・韓国人は感情豊かな人が多いです。相手の話に共感を示し、相手の感情や意見を尊重する姿勢を示すことが大切です。
3.台湾
・文化の多様性: 台湾は異なる文化や民族が融合した多様な社会です。中国本土の伝統文化と先住民の文化、日本の影響などが組み合わさっています。
・食文化への愛: 台湾の食文化は豊かで多様であり、台湾人は食べ物に対して非常に興味津々です。
・社交性と親しみやすさ: 台湾人は一般的に社交的で親しみやすいとされています。他者とのコミュニケーションを大切にします。
【コミュニケーションのポイント】
・ 台湾では、相手への敬意を示すことが重要です。初対面の際には、丁寧な挨拶や敬語を使うことが一般的です。
・台湾人は親しみやすく、温かい人々が多いです。笑顔や積極的な態度で接することで、コミュニケーションが円滑になります。
また、謙虚さや礼儀正しさも重要視されます。
4.アメリカ
・個人主義: アメリカの文化は個人主義が強く、個人の権利や自己表現が重視されます。自立心や自己実現への追求が一般的です。
・楽観主義と前向きさ: アメリカ人は一般的に楽観的で前向きな考え方を持ちます。困難な状況にも前向きに取り組み、成功を信じる傾向があります。
・寛容さと包括性: アメリカ社会は寛容さと包括性が重視され、異なる信念やライフスタイルを尊重する文化が根付いています。
【コミュニケーションのポイント】
・ アメリカではオープンで直接的なコミュニケーションが一般的です。感謝の表現や積極的な意見が重要視されます。
・名前を頻繁に使用し、相手との距離感を縮める傾向があります。
5.フィリピン
・家族の重視: フィリピンの文化では、家族や親族関係が非常に重要視されます。家族の絆が強く、相互のサポートや助け合いが一般的です。
・親和性と温かさ: フィリピン人は一般的に親和的で温かい人々として知られています。他人との接触を楽しむ傾向があり、訪問者や外国人に対しても歓迎的です。
・宗教への信仰: フィリピンはカトリック教徒が多い国であり、宗教への信仰が強いです。宗教的な祝日や行事が重要視され、多くの人々が教会に定期的に参加します。
【コミュニケーションのポイント】
・フィリピン人は一般的に親しみやすく、笑顔で接することが重要です。笑顔は相手に対する好意や敬意を示すことにつながります。
・フィリピン人は一般的に直接的なコミュニケーションを好みます。感情を率直に表現し、直接的な意見交換を行うことが一般的です。
6.オーストラリア
・友好的で親しみやすい: オーストラリア人は一般的に友好的で親しみやすい性格を持っています。新しい人々との交流を楽しむことを好みます。
・自由な雰囲気とリラックス: オーストラリアの文化は自由な雰囲気があり、リラックスしたライフスタイルが特徴的です。
ストレスを感じにくい環境で、自己表現や個人の自由が尊重されます。
・アウトドア志向: オーストラリアの自然環境は豊かで美しいため、アウトドア活動を楽しむ人々が多いです。サーフィン、キャンプ、バーベキューなどのアクティビティが盛んです。
【コミュニケーションのポイント】
・オーストラリア人はフレンドリーでオープンな人が多く、初対面の人でも気軽に会話を始めることが一般的です。相手に対してオープンで友好的な態度を取ることが重要です。
・オーストラリア人は一般的にダイレクトなコミュニケーションを好みます。遠回しに話すよりも率直に意見を述べることが一般的です。
7.フランス
・社会的な結びつきと家族: フランス人は家族や友人との社会的な結びつきを大切にします。家族が重要視され、週末や休日には家族との時間を大切にします。
・時間の価値と余暇の楽しみ: フランス人は余暇を楽しむことを重視し、仕事とプライベートのバランスを取ることが重要視されます。
休暇や週末には余暇を楽しみ、自分の時間を大切にします。
・食文化と料理への愛: フランスの食文化は世界的に有名であり、フランス人は料理とワインに対する愛情が深いです。
食事を楽しむことが重要視され、食材の質や料理の美味しさにこだわります。
【コミュニケーションのポイント】
・フランスでは非言語的な表現が重要で、ジェスチャーや表情がコミュニケーションにおいて意味を持ちます。
・自己主張や堂々とした態度が尊重されることがあります。
いかがでしたでしょうか?
これらの特徴は一般的な傾向を示していますので、個人の経験やバックグラウンドによって異なる場合もあるますが、
一般的な傾向はお分かりいただけるのではないでしょうか?
いずれにしても、どの国からゲストが訪れても、遠路はるばる日本に来ていただいた愛すべきゲストです。
言葉や価値観の壁を乗り越えて、日本の世界を代表するホスピタリティ、おもてなし精神で温かい対応を心掛けましょう!
ザ・ホスピタリティチームでは接客サービス力向上に関する研修、コンサルティングのサービスを提供しておりますので、
お気軽にお問い合わせください。
接客・接遇力向上ホスピタリティ研修
ホスピタリティ経営・コンサルティング・セミナー・講演のことなら
ザ・ホスピタリティーチーム
CATEGORY
NEW ENTRY
RELATED POST関連記事表示
TOPICSトピックス
ホスピタリティコラム
2024.11.24
職場のより良い人間関係の作り方! ~職場内の心理的安全性を高める5つのポイント!~
「人間の悩みは100%人間関係である」と言ったのは心理学者アルフレッド・アドラーです。 この言...
マネジメントコラム
2024.11.17
エンゲージメントサーベイ成功の鍵 ~ 働くみんなが愛する職場をつくる ~
最近、企業の取り組みとして実施する企業が増えている、「エンゲージメントサーベイ」。  ...
マネジメントコラム
2024.11.03
今の仕事で「幸福度」を高める方法!
あなたは、今の仕事にしあわせを実感していますか? 「仕事は苦しくて、辛いことをするからこそ...