2023.10.27
マネジメントコラム
人的資本を最大化する!「ホスピタリティ視点のエンゲージメント調査項目と数値を上げる方法」
最近、従業員エンゲージメントに関して注目が集まっています。
そもそも、従業員満足度と従業員エンゲージメントの違いは何なのでしょうか?
従業員満足度(Employee Satisfaction)の特徴としては、
・従業員が職場での経験や条件に対してどれだけ満足しているか。
・従業員が給与、労働条件、福利厚生などの基本的な要因に満足しているかどうか。
一方、従業員エンゲージメント(Employee Engagement)の特徴は、
・従業員が組織に対してどれだけの情熱やコミットメントを持っているか。
・主動的に仕事に取り組んでいるか。
・従業員が組織の目標や使命に共感し、自分の仕事に対する責任感を感じているか。
このようなことからも分かるように、従業員満足度は条件面や環境面の基本的な条件に満足しているかどうかであり、
エンゲージメントは、単なる満足度を超えて組織に対して積極的に貢献し、直接成果に影響を与える傾向があります。
したがって、これからの人的資本を最大化する経営においては、従業員に対して企業側からの「良い条件」の提示といった、
一方通行ではなく、従業員側からの自社への愛情や共感といった帰属意識から生まれる主体的な行動を引き出すこと、
「企業と従業員が相思相愛になる」ことがエンゲージを高める上で求められます。
それでは、具体的に従業員の会社へのエンゲージメントを調査する上で、どのような調査項目が必要なのでしょうか?
このエンゲージメント調査は、様々な項目が考えられるのですが、
ここでは、ホスピタリティ視点でのエンゲージメント調査項目を10項目提示しますので、
是非、チェックしてみてください。
【ホスピタリティ視点のエンゲージメント調査】
1.社内の人間関係において、お互いの尊重や思いやりがある・・・YES ・ NO
2.自分の意見を発言する場や機会があり、それを否定されずに聞いてもらえている・・・YES ・ NO
3.自分は社内の人間関係にストレスは少なく、顧客や業務に意識が十分に向いている・・・YES ・ NO
4.自分は上司や仲間とのコミュニケーションが円滑に行われている・・・YES ・ NO
5.自分の仕事にやりがいや誇りを持っている・・・YES ・ NO
6.自分は仕事に対して受け身ではなく主体的にチャレンジできている・・・YES ・ NO
7.自分は顧客や仲間の喜びやしあわせに貢献したいという気持ちが強い・・・YES ・NO
8.顧客や仲間に喜んでもらうことが、自分の仕事の喜びに結びついている・・・YES ・ NO
9.自分は会社と共有している目標に対して、主体的に達成を目指している・・・YES ・ NO
10.自分は会社の理念やビジョンに共感しており、その実現に向けて日々意識をしている・・・YES ・ NO
11.自分にできることを上司や周りから言われる前に率先して取り組んでいる・・・YES ・ NO
12.自分は日々の仕事の中で成長を実感でき、会社や顧客に貢献する為の成長意欲がある・・・YES ・ NO
いかがでしたでしょうか?
YESが10個以上・・・非常にエンゲージメントが高い
YESが6個~9個・・・普通のレベルの企業
YESが5個以下・・・エンゲージメントが低い
という傾向があります。
この設問はホスピタリティ視点で考えられていますが、何故、ホスピタリティ視点なのかと言えば、
ホスピタリティがエンゲージメントを高める上で効果的だからです。
ホスピタリティは、お互いの尊重・承認・理解をベースとした思いやりや気遣い、真心を意味します。
また、ホスピタリティは、「相手への貢献が自分自身の喜びになる」という考え方が根幹にあります。
したがって、ホスピタリティを企業の共通価値とすることは、
・従業員同士の関係の質が高まり、職場の心理的安全性、共創環境が高まる。
・自分の仕事が他者への喜びの貢献に繋がっており、仕事のやりがい、誇りに繋がる。
このようなことからホスピタリティの共通価値化は、
・人間関係の良いストレスの少ない職場
・顧客志向の高い自社への共感
・仕事のやりがいや誇り、楽しさ
に繋がり、エンゲージメントを高める効果が期待できます。
したがって、先ほどのエンゲージメント調査の項目では、
設問1~4は、社内の「関係の質」に関すること。
設問5~8は、貢献をベースとした仕事のやりがいや喜びに関すること
設問9~12は、会社への帰属意識を踏まえたコミットコミットメント度
といったホスピタリティ軸の設問となっています。
そして、ホスピタリティは「相互満足」がベースとなっております。
したがって、これからの時代の企業運営において、会社と従業員が相互に満足している、
WINWINの関係性になることが重要であり、企業は経営者と従業員との「共創関係」を高めることが必要です。
このように、ホスピタリティを社内にインストールすることは、企業側が従業員に一方的に実施する施策と違い、
従業員一人ひとりが、自分の会社を経営側と一緒に良くしていき、
自分自身のエンゲージメントを主体的に上げることに繋がります。
そういった意味で、今回のエンゲージメント設問項目は「会社が従業員に対してできているかどうかを問う」設問ではなく、
自分が主体的にエンゲージメントを高める必要性を問う設問となっており、
このようなことが個人ができていない、意識が及んでいないことに対して、
会社として「何が足りないのか?」といった課題を明確にする為の設問項目となっています。
会社と従業員が相思相愛となり、「顧客からも従業員からも愛される会社づくり」が、
これからの時代を勝ち抜く企業に必要となることは間違いないでしょう。
ザ・ホスピタリティチームでは、エンゲージメント向上に関するコンサルティング、研修、
講演のサービスを提供しておりますので、お気軽にお問合せください。
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