2022.03.20
マネジメントコラム
「目配り」「気配り」「心配り」でホスピタリティを高める
ホスピタリティは、お客様へのおもてなしや厚遇を意味します。
そしてホスピタリティは、お客様に満足していただく「顧客満足」を超えて、
お客様に感動していただく「顧客感動」の領域とも言われています。
この顧客感動の「感動」の意味とは、
あなたの接客サービスにより「お客様が喜びやしあわせを感じて心を動かす」ことを意味します。
従って、マニュアル通りの、「やらなければならないこと」をやるだけ、「言われたことをやるだけ」の
やらされ接客サービス、定型型サービスでは、お客様の感動は得られません。
お客様のことを主体的に考えて、目の前のお客様が喜んでもらえることを想像し、
「お客様が喜ぶことをして差し上げたい」「お客様の笑顔を見たい」といった、
やりたい接客、適応型サービスこそ、感動サービスの提供に繋がります。
それでは、その感動サービスを提供する為に私たちは具体的に何をすべきなのでしょうか?
それには、まずはホスピタリティの基本とも言われている、
「目配り」「気配り」「心配り」の3つをおさえることが重要です。
この3つ意識と動作を普段の接客サービスに取り入れることにより、
「満足領域」から「感動領域」へのサービスへと昇華します。
1.目配り
まず、最初に重要なのが、この「目配り」です。
この目配りは、「お客様を観察して、お客様の現状を把握すること」です。
このお客様は、カップルなのか夫婦なのかによっても提供するサービスは変わります。
またお客様の利用目的が、飲食店であれば、誕生日や接待で利用されているのかで、
ご案内する席も提供するサービスも変わります。
この他にも、急いでいるかどうか、仕事帰りかどうか、プレゼントを探しているか等、
お客様を観察することで、様々な情報を得ることができ、
それが、次の「気配り」や「心配り」に繋がります。
そして、目配りは「お客様を観察する」、「お客様のメッセージに気付く」
ということだけではなく、お客様への感謝を示す承認や、お客様への安心感を与えることも、
この「目配り」には含まれています。
具体的には、笑顔の伴ったアイコンタクトも「目配り」です。
よくコンビニやスーパーのレジ対応で、最後にお金の受け渡しが終わった最後に、
店員の「ありがとうございました!」の言葉と共にアイコンタクトが伴っていないケースが実に多く、
目配り不足を感じます。
ホスピタリティの高い接客サービスとして評価の高いスターバックスコーヒーやディズニーも、
このアイコンタクトを全スタッフが意識しているからこそ、お客様の支持を得られています。
このように目配りは、積極的なお客様の心の栄養を満たすことを意識したアイコンタクトも、
目配りとして重要なのです。
2.気配り
「気」とは「意識」を意味しますが、様々な言葉で使われています。
「元気」・・・明るく、笑顔で接客する。
「空気」・・・場の空気を読む、場の空気を温める。
「気持ち」・・・お客様のことを想う、心地良く接する。
このような「気」を「配る」ことが気配りです。
この気配りをする上で重要となるのが「想像力」です。
目配りのフローでお客様の状況を把握した上で、
「お客様がどのようなことをして欲しいのか」を想像し、
お客様に言われる前に、して差し上げることが「気配り」です。
例えば、ホームセンターで探し物をしているお客様を見掛けたら、
見過ごすのではなく「何かお探しでしょうか?」と声を掛ける。
先日も、あるセブンイレブンでコーヒーを買ったところ、
急いでいる私に気付き、店員の方がレジを済ませる前に、
コーヒーマシンにカップをセットしてくれたといったことがありました。
このように、お客様への目配りで得られた情報を、自分で「お客様の喜ぶことを想像して」
積極的にして差し上げることが気配りとしては重要です。
3.心配り
この心配りこそ「ホスピタリティマインド」であり、
「お客様に喜んでもらいたい」
「お客様を笑顔にしたい」
という「心」があって、はじめて「お客様の為にこうして差し上げよう」といった行動が生まれます。
ダイエットでも、まずは「痩せよう」と心に決めないと、食事制限や運動をはじめることはありません。
接客サービスにおいても同じで、まずは「お客様に喜んでもらう」ということを心に決めて行動に移す。
つまり、「心が先」「行動は後」ということなのです。
それでは、心配りとは具体的にどのうような事をすることなのでしょうか?
それは、お客様に心を寄せて、「寄り添う」ことを意味します。
この寄り添うとは具体的に示すと、お客様のことを「自分事化」するということです。
例えば、ウェディングプランナーであれば、
「お客様の結婚式」としてお客様と向き合うのではなく、
「自分の妹の結婚式」として自分の家族の結婚式として自分事として向き合うことができたら、
更に、心のこもった接客サービスになるはずです。
ホスピタリティの高さで名高い、リッツカールトンは「第二の我が家」というコンセプトがあります。
これは、お客様を自分の家族の一員として接客サービスをすること意味しています。
従って、リッツカールトンは来館の際、「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさいませ」
とお客様をお迎えします。
これも、スタッフがお客様のことを自分の家族のように自分事化することで、
高いホスピタリティの提供に繋がっています。
このように、「目配り」「気配り」「心配り」を日頃の接客サービスで意識・体現することで、
満足を超えた感動のサービス、高いホスピタリティの提供に繋がります。
「お客様にアイコンタクトと共に、よく観察して把握する」
「お客様が喜ぶことを想像する」
「お客様のことを自分事化する」
是非、実践してみてください。
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