ＡＩ時代のホスピタリティの意味と役割の変化

時代は、第四次産業革命と言われており、

ＡＩ、ＩＴ、ロボットなどの技術革新が、これからの社会に大きな影響を持つようになります。

これは、少子高齢化に伴い、労働人口が減少していく日本にとっては、

大きな転機となり、この流れは加速していくでしょう。

この傾向は、サービス業にも大きな影響を及ぼすことになり、

低価格帯の飲食店では、注文はタッチパネル、料理提供は配膳ロボット、

精算は自動精算機といった非接触型の業態、店舗も増えています。

先日もモスバーガーが、非接触型の店舗実験で遠隔でロボットを操り、

店舗の人員を減らす運営体制を模索する動きがニュースとなっていました。

何故、このような動きが活発化したのでしょうか？

それは、やはり新型コロナウィルスの影響が大きいことは確かです。

「非接触が良い」というトレンドが、コロナが長引くことで人々の頭に定着し、

企業の省人化、技術革新のスピードを加速させています。

このような劇的に変わる世の中で、ホスピタリティはどのような役割を果たすべきなのでしょうか？

もちろん、その非接触とは逆に、人は人の「温もり」や「愛情」を求める本質はどんな時代になっても変わりません。

従って、顧客サービスにおいて、人による付加価値の提供という意味で、

人による温もりのある接客サービス、「おもてなし」「気遣い」「心配り」といった、

「ホスピタリティ」は重要な役割を果たすでしょう。

それと、もうひとつ、これからの時代のホスピタリティとして重要な役割は、

社内におけるコミュニケーションの潤滑油になるという視点です。

以前に、本コラムにおいて、これからは「知識産業社会」であり、

時代変化が激しく未来予測が困難な社会に移り変わりつつある、

このような時代は「ＶＵＣＡ時代」と言い、

このような社会環境の中では、

先が見えない、答えの予測が不能な中で、

企業は、何かしらの施策を生み出し、

意思決定をして結果を生み出し続けなければならない。

ということをお伝えしました。

まさに、「前例踏襲時代」から「ゼロからイチを生み出す」時代に突入しています。

このような世の中で、企業運営に重要なのは、

如何に、若手も、経営者もみんなで意欲的に仕事に向き合い、知恵を絞り、

まさに「新しい商品やサービスを共創する」時代です。

従って、企業、組織運営に求められるのは、

社内、組織内のメンバー同士の、お互いの尊重や思いやり、気配りといった

相手に対するホスピタリティであり、

社内、組織内にホスピタリティが溢れることで、

良好な人間関係、信頼関係、組織としての心理的安全性の確保に繋がり、

このような良好な環境下で、メンバーは、自由、闊達に意見を出し合い、

「協働により、新しいものを共創する」社風となります。

一方で、社内や組織内にホスピタリティが不足すると、

会社全体ではなく、自分や、自部署の利益しか考えずに、

お互いや、他部署の批判や攻撃ばかりで、

新しい発想や建設的な意見も、言うだけ無駄と感じ、

主体性は無く、ただ受け身で言われたことだけをこなす姿勢で、

新しいことにチャレンジする意欲も生まれません。

これまではホスピタリティはホテル業界や飲食業界を中心とした「サービス業のもの」という風に

考えられていましたが、

逆に、これからの時代の技術革新を推し進めるＩＴ関係の皆さまをはじめとする、

あまり顧客との接客の機会が無い皆さまほど、社内のホスピタリティが必要となります。

弊社への研修、コンサルティングに関する最近の依頼も、

ＩＴをはじめとする、普段、接客などの機会が無い業界からの依頼が多く、

コミュニケーションに苦手意識を持つ社員が多いため、

コミュニケーション力、ホスピタリティ力を上げて欲しいという

要望が増えているのも事実です。

最終的には、新しいものはＡＩが勝手に生み出してはくれません。

人と人とのコミュニケーションの中で「協働」による「共創」によって新しいものは生み出されます。

その上で、ホスピタリティはこれからの時代の「企業運営の潤滑油」となる役割を担います。

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