2024.04.21
マネジメントコラム
顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)を両立するマネジメントサイクル ~ホスピタリティを活用してCSとESを一緒に高める~
時代は顧客満足度を重視する時代から、従業員満足度を重視する時代へ移り変わっていると言われています。
その理由としては、少し前までは顧客満足度を高めて、口コミ等の自社の評価を上げてライバル企業との競争に勝ち抜くことに重きが置かれてきました。
現在もその状況は変わっていないのですが、今はそれ以上に「人員不足」によりオペレーションを回すことで精一杯で、
少ない人員で多忙な現場を回すことに疲弊し、離職が増え更に多忙になるといった悪循環に陥っている現場も多いことから、
従業員満足度を上げて、何とか離職を防ぎ、サービス品質を維持したい、
顧客満足度の前に目の前の従業員満足度を上げる必要性に迫られている企業が多いのが現状です。
しかし、従業員満足度(CS)と従業員満足度(ES)はサービス業における企業運営の両輪で、どちらも欠かす事のできない要素です。
そこで、これから解説させていただく顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)を両立させるマネジメントサイクル、
「CS・ESマネジメントサイクル」を理解して、マネジメントに活かすことで、
顧客満足度が高まることによる口コミ評価、リピート率、売上の向上、
従業員満足度が高まることによる定着率、採用率、エンゲージメントの向上を実現します。
この「CS・ESマネジメントサイクル」を回す上で、まず必要なのが組織内に「ホスピタリティ」を共通価値化して、
各スタッフがホスピタリティをベースとした接客サービスを提供することが重要です。
ホスピタリティは、ヨーロッパから伝わってきた言葉で、その昔、巡礼の旅で疲れた旅人に対して、
現地の人々が無償で飲食や宿泊を提供したことが起源と言われています。
その現地の人々は、お金儲けが目的ではなく、旅人に尽くして喜んでもらうことが、自分の喜びになること、
つまり「他者に貢献することによる自分の喜び」の為に尽くしたということが起源と言われています。
これを私たちの仕事に置き換えると、「顧客に自分の仕事を通じて貢献することで得られる自分の喜び」ということになります。
そもそも仕事の目的というのは、「自社の商品サービスを通じて人々の喜びやしあわせに貢献すること」を意味しており、
飲食業であれば、自社の料理や飲み物、接客サービスを通じて、食事の場を喜びやしあわせに満ち溢れた空間と時間にすること。
旅館業であれば、宿泊者へのもてなしを通じて顧客の疲れた日常を癒し、リフレッシュをして明日から頑張れる活力を養う場を提供すること。
まさに、自社の商品サービスを通じて顧客の「喜び」や「しあわせ」に貢献し、その顧客の「笑顔」や「ありがとう」の言葉が自分の喜びに繋がり、
この「喜び」や「やりがい」こそが従業員満足度(ES)に繋がるのです。
この仕事の目的の実現に向けたスタッフ一人ひとりのホスピタリティの伴った行動は、
仕事の喜びに直結し、ホスピタリティをスタッフ間の共通価値化することは、
本来の仕事の目的に向かってスタッフ自身の喜びの為に、顧客に精神誠意貢献することを意識づけることに繋がります。
これがCS・ESサイクルの起点となります。
こちらの図をご覧ください。
こちらが、顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)を両立させるマネジメントの循環図になります。
ステップ1.ホスピタリティの伴った商品サービスの提供
自社の商品やサービスを、顧客に対してマニュアル通りの通り一遍な接客サービスではなく、
各顧客に応じた心の伴ったもてなし、気遣いを通じて商品サービスを提供します。
ステップ2.顧客満足度(CS)の向上
スタッフからの心のこもった親身な対応を受けた顧客の満足度は向上し、
顧客の笑顔や喜びに繋がり、売上、受注にも繋がります。
ステップ3.スタッフに対する精神的報酬が提供される
顧客満足度の高い接客サービスにより、顧客からの「笑顔」や「喜びの声」、「感謝の言葉」といったフィードバックが、
スタッフの「精神的報酬」となり、自分が誰かの役に立っているといった「自尊心」「自己有用感」、顧客が自分のことを認めてくれている「自己承認」に繋がります。
ステップ4.従業員満足度の向上
顧客からの精神的報酬がスタッフの精神的な充足となり、このことがスタッフ自身の仕事の「喜び」や「やりがい」、「誇り」となり、
従業員満足度(ES)向上に繋がります。
ステップ5.更なる貢献の追求
そして、それが更なる貢献の追求意欲となり、更なる顧客満足度(CS)の向上、従業員満足度(ES)の向上に繋がります。
この「CS・ESマネジメントサイクル」こそが、顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)を両立させるマネジメントであり、
その起点となるのが「何の為にこの仕事をしているのか?」といった仕事の目的を明確化し、スタッフに理解してもらうこと、
そして、スタッフ自身が顧客に喜んでいただく為にホスピタリティの伴った主体的な行動をするすることで、顧客からの精神的報酬というフィードバックをもらい、
それが、自分の仕事の「喜び」や「やりがい」、「誇り」に繋がり、従業員の満足度やロイヤリティ、エンゲージメントに繋がる好循環を導きます。
このサイクルを実現する為に重要なのは、まずは「顧客主義」の原点に還り、顧客に笑顔になっていただくこと、
喜んでいただく為のホスピタリティの提供を促す事、
これが顧客満足度を生み、従業員満足度に繋がっていくということになります。
従業員満足度というと、待遇や福利厚生の改善ばかりを考えがちですが、サービス業で働く人たちは、
「顧客に喜んでもらいたい、笑顔にしたい」ということを大切な価値観としているスタッフが多く、
そこにアプローチするリーダーシップがこれからの時代に求められています。
ザ・ホスピタリティチーム(株)では、ホスピタリティをベースとしたリーダーシップやマネジメントに関するコンサルティング、
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