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TOPトピックスWBC栗山監督のリーダーシップとは?~ 栗山監督から学ぶビジネスで成果を生むリーダーシップ5つのポイント~

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2023.03.24

マネジメントコラム

WBC栗山監督のリーダーシップとは?~ 栗山監督から学ぶビジネスで成果を生むリーダーシップ5つのポイント~

WBC(WORLD BASEBALL CLASSIC)で、見事14年ぶりに世界一を奪還し侍ジャパン。

大谷翔平選手やダルビッシュ選手がチームを牽引したことも大きかったのですが、

その中でも、栗山英樹監督のリーダーシップが世界一を導いた大きな要因であったと考えられます。

 

今回の大会で、改めて「野球の持つ力」の凄さを感じたと共に、

栗山監督がどのようなリーダーシップを発揮していたのか、

それが、何故、世界一に繋がったのかということを、

5つのポイントで解説させていただきます。

 

1.目標設定

まず、ひとつ目が明確な目標設定です。

WBCが開幕する前から、栗山監督は「世界一の奪還」という目標を明言していました。

過去2回、優勝経験があるとはいえ、これだけの世界の強豪相手に「優勝」するということを明言するということは、

かなりの勇気と覚悟が必要です。

この目標設定からブレることなく貫き通したことに、選手たちも奮起したのではないでしょうか?

その点、我々ビジネス界においての目標設定はどうでしょう?

会社から与えられた売上目標などの数値目標を、ただ義務感で目指すだけ。

そこに「ロマン」や「ワクワク」を感じるかと言えば、感じませんよね。

私はホスピタリティコンサルタントとして、組織の目標達成のサポートをする際に大切にしていることは、

この「目標設定」です。

しかも、売上といった定量的目標ではなく、この組織をどのようにしていきたいか、

どのような価値を顧客に提供したいかといった「定性的目標」の設定です。

この時に、目標を目指すメンバーが「ロマン」を感じるか、「ワクワク」するかをひとつの基準としています。

これからビジネスにおいては、限られた人数、限られた時間で生産性の高い仕事が求められます。

その上で、メンバーの内発的なエネルギーを引き出す明確な目標設定は重要であり、

少なくとも、今回の侍ジャパンのメンバーの中で、

「別に優勝しなくても良いと思っている」メンバーはひとりも居なかったと思います。

メンバー全員で、世界一奪還という揺るぎない目標があったからこそ優勝ができたのだと確信します。

 

2.選手とのコミュニケーション

今回、栗山監督のマネジメントで特徴だったのが、選手とのコミュニケーションを重視している点です。

通常、全日本の監督ともなれば、選手とのコミュニケーションはコーチ陣に任せることが一般的ですが、

栗山監督は自ら選手とのコミュニケーションを積極的に取り、

いつも選手を気に掛けてコミュニケーションを通じて、監督自ら選手の情報を収集して、

適材適所を探り、役割や期待を伝えたり、関係の質を高める努力をしていました。

これが、選手達のチーム内における心理的安全性を高め、プレイに集中できる環境ができた一因であるとも考えられます。

そして、議論ではなく、対話を大切にしています。

議論は、相手に自分の意見を主張すること、対話は相手の意見に耳を傾けることを大切にしています。

今回の栗山監督はダルビッシュ投手に、

「もしも、決勝戦で投げられるようであれば教えて欲しい」と、「投げてくれ」ではなく、

選手の意志を尊重して、選手を信じて選手の主体性に任せています

これを、私たちの仕事に置き換えて考えると、リーダーとしてどれだけメンバーと「コミュニケーション」を取ることを

大切にしているか、メンバーとの議論ではなく対話を通じて関係の質を上げる努力をしているかということです。

マサチューセッツ工科大学、ダニエル・キム教授の提唱する「組織の成功循環モデル」は、

組織内のメンバーとの「関係の質」を高めることが、

メンバーの前向きな思考に繋がって「思考の質」が上がり、

それが、メンバーの主体的、自発的な「行動の質」に繋がり、

最終的に「結果の質」に繋がると説いています。

まさに、今回の栗山監督は「チーム内の関係の質を高める」ことで、

選手の思考の質、行動の質の向上に繋がり、世界一といった結果の質に繋がったと考えられます。

 

3.選手を活かす

この選手を活かすという点が栗山監督のリーダーシップの真骨頂だと私は考えます。

これは今回のWBCだけではなく、日本ハムの監督時代から「選手を活かす」ことへのこだわりは、

多く見られました。

その代表的な事例は大谷翔平の二刀流ですが、今のプロ野球界では分業制が当たり前と言われている中、

数々の批判を押しのけ、大谷選手のポテンシャルを最大限に活かした二刀流を成就させました。

今回のWBCでも、その起用法はブレずに大谷選手を投手として、野手として最大限、活かし切ったと言っても

過言ではありません。

それは大谷選手だけではなく、2番打者の日本ハムの近藤選手に関しても最強の2番打者に育て上げたのは栗山監督です。

またWBCとは少し離れますが、昨年日本ハムを引退した杉谷拳士選手も、プロ野球選手でありながら、

バラエティなどの出演も許可し、杉谷選手の得意分野を承認し、

やりたいようにさせていたことも有名な話しです。

このように「選手がやりたいこと」を実現させてあげるリーダーシップ、

別の言い方をすれば、「選手の輝きで生産性を最大化するリーダーシップ」とも言えます。

これは、私の提唱しているホスピタリティ・リーダーシップと通じるところでもあり、

上司からの「指示、命令」によって働くパフォーマンスと、

自分の意志で「やりたいことをやる」パフォーマンスとどちらが生産性の高い仕事をするかと言えば、

後者のほうであることは間違いありません。

当然、ビジネスにおいては「やりたいことだけやっていっていれば良い」という訳にはいきませんが、

リーダーとして「部下が何をやりたいのか?」、

それを「やらせてあげる為の教育や指導をリーダーはしているのか?」

という点では、栗山監督から学ぶことは多いのではないでしょうか?

 

4.選手を信じる

今回、村上選手の起用法に関してはWBC開催中も、

「変えたほうが良い」「打てないのだから、送りバントをさせるべきだ」

といった声が多い中、栗山監督は一貫して村上選手を変えませんでした、

結果としてメキシコ戦のサヨナラ打やアメリカ戦のホームランに繋がったのですが、

これからの場面で村上選手が凡打をして敗退していたら、

栗山監督は世の中から大非難を受けるのは間違いありません。

普通であれば、他にも調子の良い選手は沢山いるのだから変えるでしょう。

しかし、栗山監督は変えなかった。

この件に関してインタビューでの栗山監督は、

「村上選手を日本を代表する打者であることを世界に示したかった」

というコメントを残しています。

村上選手だけではなく投手陣の起用に関しても、

決勝戦でも7人もの投手を起用しましたが、調子の良さそうなピッチャーを続投するのではなく、

ひとり一人のピッチャーを信じて、1イニングずつで投入し、選手たちもその期待に見事に応えました。

ビジネス界に置き換えて考えてみると、どうしても部下の一挙手一投足が気になり、

「信頼」よりも「心配」のほうが先に立って、細かいところまで指示・命令する「マイクロマネジメント」になりがちです。

しかし、「信頼されて任される」のと「細かいところを指摘ばかりされる」のとでは、

メンバーのやる気も大きく変わります。

リーダーは「うまくいけば部下(選手)のおかげ、失敗すれば上司(監督)の責任」という意識をどれだけ持てるか、

それを部下に明言できるかどうか、それが、メンバーの力を引き出す上で重要であることを栗山監督は示してくれました。

 

5.利他主義

そして、最後が利他主義です。

栗山監督は、

「優勝できた全ては選手と関係者のおかげであって、自分は何もしていない」

というコメントを残しています。

そして、周りの選手や日本の野球ファンに対して、「誰かの為に頑張ることの大切さ」を

身をもって示してくれました。

献身的でありながら、自分を高めて周りを助けられるようなパフォーマンスもしっかりできる、

その喜びや価値を示してくれました。

ビジネス界で考えると、自分のことだけで精一杯、自分のことしか考えないではなく、

目標達成の為にどれだけ周りに献身的に振る舞っているか、

周りに貢献する為に、自分を高める、成長する努力がどれだけできているのか?

ということを考えさせられます。

そして、監督や選手からの言葉で印象的だったのが、

「今回のWBCを見た子供達が野球をはじめてくれたり、このWBCを目指してくれることを願っています」

という将来の野球界への希望でした。

最近、サッカーに推されて野球人気の減退が言われる中、

これからの野球界に対する想いの言葉がとても多く聞かれました。

これは私たちのビジネスに置き換えると、

競合他社との競争や、他を蹴落としてでも我が社だけは生き残りたいといった「利己主義」ではなく、

業界全体を盛り上げるという視点で、切磋琢磨しながら、お互いをリスペクトしながら、

顧客により良い商品やサービスを提供することの重要性を侍ジャパンから学んだ気がします。

 

それにしても、昨年末のサッカーワールドカップの森保監督、そして、WBCの栗山監督、両者の共通点は、

強い意志は持ちながらもトップダウン的なリーダーシップではなく、

選手とのコミュニケーション、関係性を大切にし、

選手の個性を活かしながら主体性を引き出し、

チームの和を大切にして成果を導くリーダーシップ。

 

まさにメンバーの輝きと成長で生産性を最大化するリーダーシップ、

ホスピタリティ・リーダーシップであり、これからの時代に求められる、

メンバーにもお客様にも愛されながら成果を上げるリーダーシップです。

 

ザ・ホスピタリティチーム(株)では、リーダー育成に関する、

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