2021.06.18
マネジメントコラム
部下のモチベーションを高める為に必ず知っておきたい「二要因理論」
■モチベーションの種類とは
部下の力を引き出す上で、部下のモチベーションを高めることは重要な要素である一方で、
リーダーにとっては「悩みの種」であることも事実です。
しかし、部下のモチベーションを高めることは組織運営において、
生産性や顧客満足度等に大きな影響を及ぼします。
アメリカの心理学者であるフレデリック・ハーズバーグ氏は二要因理論で、
従業員の満足度やモチベーションは「衛生要因」と「動機づけ要因」があると定義しています。
衛生要因は、
➀会社の施策や方向性。
➁職場での人間関係。
➂労働条件。
➃給料。
➄福利厚生の充実。
➅雇用の安定。
といった、「あっても感動にならない」が、「無いと不満に繋がる」要因を指し、
動機づけ要因は、
➀達成感。
➁承認感。
➂意味・意義感。
➃責任感。
➄成長感。
➅一体感。
⑦幸福感。
といった無くても不満にならないが、あると感動に繋がる要因を指します。
私はよく研修で、「過去に自分が上司からの働き掛けによってモチベーションが
上がった出来事はどんな事がありましたか?」という質問すると、
「上司に、お前に任せると言われた時。」
「君のおかげで、成果が出すことができたと言われた時。」
といった責任感や承認感が満たされた時、即ち「衛生要因」ではなく、
「動機づけ要因」がスタッフのモチベーションの源泉になっていることが分かります。
■スタッフのモチベ―ションを上げる為に効果的なマネジメントとは?
私も、前職の婚礼支配人時代に、なかなか組織の営業成績が伸びずに悩んでいました。
そこで、営業成績向上策として、みんなのモチベーションを上げる為に
思いついたのがインセンティブです。
婚礼1組受注したら、受注したスタッフに報奨金を出すという仕組みを
会社と掛け合って採りつけました。
これでスタッフのモチベーションが上がり、数字も上がると期待し、
部下に提案したのですがイマイチ盛り上がりません。
案の定、インセンティブによる成果は上がらず、営業成績は停滞したままです。
そんな中、あるスタッフから別案として、
「今期のチーム目標を達成したらみんなで温泉に泊まりに行きましょうよ!」と提案を受けました。
しかし、会社からは温泉旅行代は出ません。
するとスタッフ同士で毎月積み立てを始め、目標達成に向けて
1組の受注に一喜一憂しながらメンバー全員で取り組みました。
すると見事、目標を達成し、達成時には事務所で大盛り上がりとなりました。
この経験から、私は、部下のモチベーションを上げるには、
インセンティブのような「衛生的要因」では無く、
みんなで目標を達成してメンバー全員で喜びを分かち合う、
「一体感」や「達成感」といった「動機づけ要因」が効果的で
あることが身に染みて分かりました。
また、心理学ではモチベーションには「外発的動機付け」と「内発的動機付け」
があると定義しています。
「外発的動機付け」は、行動の動機が評価や賞罰、強制などの他者の刺激により
動機づけられるという考え方であり、
「内発的な動機付け」は、行動の動機が内面に湧き起こった興味や関心、
意欲によるものにより動機付けられると考えられています。
一般的には、外発的動機付けは一時的な効果は見込まれますが、
長期的な効果が出にくいという傾向があり、スタッフの心の中から湧き上がる
「内発的動機付け」を、如何に引き出せるかが重要です。
その上で、「お客様に喜んでいただきたい」「誰かの役に立ちたい」といった、
スタッフの内面にあるホスピタリティマインドは「内発的動機付け」を引き出す上
で有効であり、ホスピタリティをベースとした組織風土をつくることで組織全体の
モチベーションの向上に繋がります。
このように接客・サービス業で働くスタッフのモチベーションを向上させるには、
「衛生要因」よりも「動機づけ要因」、「外発的動機付け」よりも「内発的動機付け」
が有効であり、リーダーが、この事を理解し、これに則したマネジメントをすることが、
メンバーのモチベーションの向上に繋がります。
(著書:接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なことの本文を再編集しています)
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