2023.09.23
マネジメントコラム
職場のムードを良くする方法 ~難しい顔で戦略を考えるよりも、笑顔で職場のムードを良くしたほうが業績は上がる!~
「お客様が買い求める商品とは何でしょうか?」
飲食店であれば美味しい料理、豊富な種類の飲み物、洋品店であれば、自分が気に入る洋服かもしれません。
それに加えて、私が大切だと思うのは店舗の雰囲気や居心地といった目に見えないものです。
私たちに置き換えて考えてみると、
利用した店で「特に不満は無いけれどなんか居心地が悪い。」といったことを感じたことはありませんか?
80歳代のうちの両親ですら、
「なんかあそこの店は感じが良くなかったから、もう利用しない」と言うくらい、
お客様は、店舗の雰囲気や居心地、ムードも敏感に察知し、
「商品に不満は無くても雰囲気や居心地が悪ければ、二度と利用されない」と思わなければいけません。
そんな店舗運営において大切な「雰囲気」、「居心地」、「ムード」をつくっているのは、
紛れもなくそこで働いている「人」です。
スタッフが明るく笑顔で気持ちの良いサービスを提供していれば、
自ずと雰囲気や居心地は良く感じるし、逆に笑顔も無く、黙々とこなすように仕事をしている店舗は、
居心地が悪く二度と利用されないでしょう。
それでは、どのようにすれば、良い雰囲気、ムードの店舗をつくれるのでしょうか?
それには、まず、リーダーが率先して職場のムードを高める意識を持つことが重要です。
多くの職場は、事務所やバックスペースと接客スペースが繋がっています。
従って、いくらバックスペースといえども、リーダーがいつもしかめっ面でいたら、
スタッフはお客様の前で笑顔にはなれません。
私は出張でホテルに宿泊することが多く、定宿にしているビジネスホテルの朝食会場に年配の女性リーダーがいます。
その日もいつものように朝食を食べていると、明らかにいつもと違う雰囲気を感じました。
よく見ると、女性リーダーの機嫌が悪い様子で、スタッフ達からいつもの笑顔は消え、
違う店に来たくらい居心地が悪かったのを覚えています。
このように、リーダーの機嫌、不機嫌で、サービスの品質を大きく変えてしまう影響力があることを認識し、
リーダーは率先していつも明るく、元気に、そして何よりもご機嫌でいることを意識してください。
そして、もうひとつは職場のムードを高める仕掛け作りです。
私が前職のホテルの婚礼支配人時代に、業績が低迷し職場のムードが暗く、士気が上がらない時期がありました。
私は、何とかそのムードを打開しようと、いつも、ブライダルフェアの朝礼では、
新規で来られるお客様の来館組数や必要事項の共有をしていたのですが、
スタイルを変えて、みんなでちょっとしたゲームをしたり、みんなで大きな声を出したり、
大声で笑ったりする朝礼に変えてフェアに臨んだところ、
今までの2倍となる受注数をいただくことができました。
こんな些細な仕掛けでも、スタッフからお客様に伝わる温度は上がり成果に結びつく要因と成り得ます。
そして、リーダー自身が「盛り上げキャラではない」という方は、
自分なりにチームの温度を下げないように努力をしつつ、
メンバーの中から盛り上げ役を任命し、それをサポートすればよいのです。
繁盛店には、スタッフの笑顔と活気があります。
戦略を難しい顔をして考えているよりも、
メンバーを笑顔で元気づけて職場のムードを良くするほうが従業員満足度(ES)・顧客満足度(CS)の観点でも、
業績向上の観点でも効果的なのは間違いありません。
このような職場内のホスピタリティこそ、「インナー・ホスピタリティ」です。
このインナーホスピタリティとは、社内、職場内のホスピタリティを意味します。
そこで働くメンバーの相互尊重や相互承認、相互容認や相互理解といったことをベースとした、
「思いやり」や「気遣い」、「優しさ」がメンバー同士の心の栄養を満たし、
それが職場の心理的安全性の醸成に繋がり、職場や店舗のより良い共創環境をつくります。
社内のインナー・ホスピタリティが高まると、メンバー間や部署間の人間関係によるストレスが軽減され、
社内の消耗戦といった「内向き」ではなく、お客様の喜びや笑顔といった「外向き」な組織となり、
「この店、スタッフの方が皆さん明るく、元気で心地いい!」
「スタッフの皆さんが楽しそうに働いているから、客の私たちまで楽しくなる!」
「どんなことを言っても、嫌な顔せずに笑顔で対応してくれる!」
このように「社内から溢れたホスピタリティ」がお客様に伝播し、
顧客満足度(CS)の向上やリピート率向上、顧客ロイヤリティの向上に繋がります。
そして、インナーホスピタリティが高まることは、顧客サービスへの効果だけでなく、
「人間関係が良く楽しく働ける職場」
「みんながお客様の笑顔の為に仕事をしている」
「仕事にやりがいを感じる」
「この職場はメンバーも、お客様も笑顔に溢れている」
ということから、離職率の抑制やエンゲージメント、帰属意識の向上といった、
人手不足解消にも効果を発揮します。
そういう意味では、真のホスピタリティの提供の出発点は、インナー・ホスピタリティなのです。
ザ・ホスピタリティチーム㈱では、ホスピタリティ溢れた組織づくりのコンサルティング、
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