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2024.05.15

マネジメントコラム

効果的な会議のやり方 ~ 目的別会議の運用のポイント ~

私がホスピタリティコンサルタントとして、様々な企業に訪問する中で、

課題として挙がるのが「会議」についてです。

メンバーに意見を聞いてみると、

○社長の演説会で意味を感じない。

○そもそも何の為にやっているのか分からない。

○営業数字を報告するだけならメールで共有すれば良い。

など、会議に対して否定的な意見が多いことも事実です。

 

しかし会議が全く必要無いかと言えば、そうとは言えません。

実際、私が伺うクライアントで多くの課題は、

○勝手に上が決めたものが何の説明もなく降りてくる。

○情報共有がない。

○自分達の意見を言える場がない。

など、本来会議で話し合われるようなことが、会議体が無い為に、

組織に不具合を生じているという事実もあるのです。

 

このような事から分かるのは、会議の必要性が無いのではなく、

「必要性が感じられる会議」「実のある会議」が実施されていないことが問題であり、

会議の運用の仕方次第で組織全体に効果を生む会議を実施できていないことが問題であることを理解することが必要です。

 

実際、私がコンサルタントとして支援をする際に、まずはじめにやることは「会議体」の構築です。

この定例会議というフレームを活用して問題解決をしたり、物事を決めたりしながらゴールを目指すのです。

 

それでは、どのようにすれば効果的な会議を実施することができるのでしょうか?

 

それには、まず、会議の目的を明確にすることが重要です。

会議は、大きく4つの目的を持った会議が存在します。

 

1.情報共有型会議

 この情報共有型会議は、メンバーの持つ情報を共有することを目的とした会議です。

 この会議体が、いわゆる報告会的な会議となりがちで、つまらない、意味の無い会議と考えられがちですが、

 情報を共有することを明確な目的とすることでメンバーの納得感も得られます。

 具体的には、この1ヶ月の部署の動きを共有したり、各部署から他部署に共有したいことを報告したり、

 営業部門の営業数字の報告もこれにあたります。

 このような会議でも、報告者と聴衆といった一方通行にせずに、報告後に「質問」「提案」「リクエスト」をメンバーに問うなど、

 メンバー全員が参加できる配慮も必要です。

 

2.意思決定型会議

 意思決定型会議は、何か議案があり、物事をこの会議の場で決定する際に開催される会議です。

 ありがちなのは、批評やできない理由の主張ばかりで、何も決まらない、何も進まないという会議です。

 会議を開催する前に「何を決める会議なのか」を明確に告知し、会議の冒頭に本会議のゴールを明確に示すことが重要です。

 そして、最終的に議論が紛糾する場合を想定して、最終意思決定者を決めておき、参加メンバーの意見を聞いた上で、

 意思決定者が決定をするというルールを決めておくことで、保留を避け、物事を前に進めることうを可能にします。

 

3.思考発散型会議

 この思考発散型会議は、何か新しいサービスを開発したり、新しいイベントを企画する際等の際に、

 メンバーのアイデアを収集し、そのアイデアを取り組みに活かすという会議です。

 例えば新しいイベントを考える際に、企画担当だけが頭を悩ますのではなく、

 様々な部署のメンバーに会議出席を依頼し、ブレスト形式で、ポストイットにアイデアを記入してもらい、

 それをグルーピングしながらヒントを得るようなケースで効果的です。

 これからはゼロからイチを生み出すことが求められている時代であり、参加メンバーの「集合知」を活かすという観点でも、

 効果的な会議体です。

 

4.問題解決型会議

 この問題解決型会議は、業務で起きた問題に関して、参加メンバーで解決に導く会議体です。

 例えば、「顧客アンケートから抽出された課題をメンバーで話し合い、オペレーションなどを改善していく」、

 「離職者が多いという課題を解決する為に何をすべきかを話し合う」等が挙げられます。

 この問題解決型会議は問題の大小によって、その場で解決策や実行手順まで決められる場合と、

 その場では解決できないケースがあり、解決できないケースでも、その後の役割やアクションを明確にしておくことが重要です。

 また、単なる意見交換の場になってしまう懸念もあるので、「テーマ」「何が起こったか」「具体的な解決策のアイデア出し」

 「誰がいつまでに何をするか」といった問題解決の手順を明確にして会議を進行することが重要です。

 

いかがでしたでしょうか?

 

また、これらの会議を効果的にするために、前提条件として必要なことは「心理的安全性の高い場づくり」です。

○意見を言えない雰囲気。

○変なことを発言するとバカにされる。

○他メンバーに意見すると、自分の報告の時に突っ込まれるから黙っていよう。

このような「場」では、いくら目的を明確にしたところで、効果的な会議の運用は不可能です。

それには、普段からお互いの尊重、承認をベースにした思いやりや気遣いといったホスピタリティを共通価値として、

お互いが気兼ねなく意見やアイデアを発言できる職場環境づくりが、効果的な会議運営を実現します。

 

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