2022.07.01
マネジメントコラム
部下のやる気を高める「one on one」ミーティングのやり方と効果的なフィードバックの方法とは?(後編) ~ 効果的な面談時のフィードバック方法 ~
前編では、部下のやる気を高まる「one on one」ミーティング、面談の手順について解説をさせていただきました。
後編では、面談時の上司から部下へのフィードバックにおける注意点について解説をしていきます。
まず、前編でもお伝えしたように、このような上司と部下の1対1の面談は、
只でさえ、うまくいけば、部下のやる気に繋がり、生産性向上のきっかけとなる可能性を十分秘めていますが、
うまくいかなければ、部下の士気は下がり、お互いにとって苦痛の時間でしかありません。
サービス業は人員不足で、現場が多忙を極める中、
この面談を効果的に活用するのはリーダーにとっては必要不可欠です。
それでは、面談の際にどのような点に注意したら良いのでしょうか?
そのポイントをこれから6つ挙げさせていただきます。
1.フィードバック冒頭は部下への感謝を伝える
普段の業務の中で「感謝を伝える」という機会は少ないと思います。
また、面談の機会というのは身構える部下も多いことから、
まずは、面談の冒頭に、日頃の感謝、この面談の時間に協力してくれている感謝の言葉を
伝えることから面談をはじめましょう。
「ありがとう」は部下に対する上司からの承認に値し、上司が自分の存在を承認してくれているという、
心理的安全性にも繋がります。
また、これにより「面談」の場をポジティブな場にする空気づくりにも効果を発揮します。
2. 傾聴をベースにする
面談というと、上司が部下へのアドバイスをしなければならない、何か部下の仕事のヒントとなる気の利いた言葉を
伝えなければならないと考えてしまいがちですが、「教えられたこと」よりも、「気づき」のほうが、
意識・行動変容に繋がり、そして実践度も高まります。
従って、上司から伝えることよりも、「傾聴する」ことを心掛けましょう。
私のおすすめは、面談の時間の7割がリーダーの傾聴です。
3.「私が思うに・・・」は、相手が受け入れやすくなる
よくテレビのワイドショーなどで司会者がコメンテーターに見解を聞く為に話しを振った際に、
コメンテーターは、「私が思うに・・・」を自分の意見を発言する冒頭に言っているケースを
目にしたことはなでしょうか?
これは、実は「私が思うに・・・」という枕言葉を付け加えるだけで、
相手は自分の意見を「あなたはそう思うのですね」と受け入れやすくなるという効果があるからです。。
従って、上司が部下に何かフィードバックをする際には、
「私が思うに・・・」を冒頭に付け加えていただくことで、上司であるあなたの意見を、
部下が受け入れやすくなるという効果があります。
4.メンバーの中にある答えを導く「どうしたら良いと思う?」という質問
一方的に上司が部下に対して、評価や「こうすべき」といったあるべき論を伝えるのではなく、
大切なのは、メンバーの内省を促し、意識・行動変容を導くことです。
その為には、部下に考えさせる、部下の中にある答えを導く質問、
「あなたは、どうしたら良いと思いますか?」は魔法の質問です。
この「どうしたら良いか?」という質問は、問題や課題を「解決策」に思考を向ける質問です。
面談の中でも、上司がフィードバックする前に、部下に「どうしたら良いと思いますか?」という問いを
して、その部下の回答に対してフィードバックすることを心掛けましょう。
5. アクティブリスニング(積極的傾聴)を心が掛ける
部下との面談は、慣れないと少し照れくさい部分もあるかもしれませんが、
部下のやる気を高める貴重な機会です。
部下の発言に対して、部下の目も見ずに、メモばかり取っている上司も見受けられますが、
部下の意見をしっかりと受け止める姿勢が大切です。
また、表情も「しかめっ面」で部下の発言しにくいオーラが出ている上司も少なくありません。
上司は、「アイコンタクト」、「相づち」、「うなずき」、「笑顔」を駆使して、
部下が「もっと上司に話したくなる」環境作りを心掛けましょう。
6. メンバーの成長とやる気を促す
面談はダメ出しをすることが目的ではありません。
一番の目的は、この面談を通して部下の「成長」を促すこと、
そして、「明日から頑張ろう!」といった内発的な動機を引き出すことです。
「あれがダメ」「これがダメ」ではなく、
「こうしたらもっと良くなる!」
「ああしたらもっとお客様に喜んでいただける!」という視点で、
上司のフィードバックを前向きに受け入れて、やる気を促すフィードバックを意識することが大切です。
面談の際のフィードバックには、このような点に留意することが重要です。
最後に、このようなことは、「面談」の時ばかりではなく、
普段のマネジメントの時も同様です。
普段、部下の話しを聞く耳が無いのに面談の時だけ聞こうとするのは無理があります。
普段のマネジメントでも、このような「思考」と「行動」習慣を心掛けましょう。
ザ・ホスピタリティチーム(株)では、このようなサービス業のリーダー向けの研修や、
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