2022.11.27
マネジメントコラム
定年後のセカンドキャリアとしてサービス業で働く意味とメリットとは?
50歳を過ぎると「定年」を意識し始め、定年後、どうすれば良いかを考える方も多いのではないでしょうか?
私も53歳ですが、周りの友人と飲み会などで、定年後の話しになることも多くなりました。
エン・ジャパンが、35歳以上のミドル2445人を対象に「セカンドキャリア」に関する意識調査をしたところ、
「セカンドキャリアについて考えることはありますか?」に対して、92%の方が「ある」と回答。
その理由を聞くと、
「生涯現役で働き続けたいから」・・・52%
「老後の資金に不安があるから」・・・47%
が多く、
現在の自分の働く会社で定年後の再雇用制度を活用して働き続けたいか?の質問に関しては、
○「思わない」・・・62%
○「思う」・・・32%
特に50歳代に関しては、70%が「思わない」と回答をしています。
このような調査結果を踏まえると、
セカンドキャリアは、誰しもが考えていることであり、
働くことで、社会との繋がりを持ち続けたい、
経済的な不安を少しでも無くしたいという想いが、
あることが分かります。
しかも、今の会社で働き続けるのではなく、折角の人生、心機一転を図りたいという意思
もこのデータから読み取ることができます。
それでは、自身の定年後のセカンドキャリアは、どの道に進むべきなのでしょうか?
この意識調査では、「セカンドキャリアにおいて重視することは?」という質問もあり、
それに対して50歳代の回答は、
「これまでの経験やキャリアが生かすことができる」・・・70%
「生きがい・やりがいを感じられる」・・・65%
「収入」・・・61%
となっています。
つまり、収入よりも、自分の経験を生かせる、やりがいを重視していることが分かります。
その上で、私がホスピタリティコンサルタントとしてお勧めするのが、
セカンドキャリアは「サービス業」で働くことです。
その6つの理由とメリットを解説させていただきます。
1. 「人生経験」という最大の強みを生かせる
サービス業は、基本的にお客様と対面で接客サービスを提供します。
そこには、接客サービスを提供するスタッフと、接客サービスを提供されるお客様との、
良好な関係性が重要となります。
そのスタッフとお客様との関係の質を高める上で、
これまで人生経験として培ってきた人間関係の構築の仕方や、人との向き合い方が生かされるのです。
そして、それまでの人生は表情にも表れます。
新人や若手には醸し出すことができない、人生のベテランとしての安心感や信頼感は、
幾ら、若手がスキルを磨いても追いつくことはできません。
「人生経験」という強みが生かせる仕事、それこそがサービス業なのです。
2.雇用形態がフレキシブル
定年後の働き方も、現役としてガツガツ働く「正社員」を望む人、
そこまで働かなくてもいいから「パート・アルバイト」でほどよく働きたい人など、
人により様々です。
その点でも、サービス業は働き方の選択肢が多いのも特徴です。
飲食や宿泊、小売店などは基本シフト制のところが多い為、
平日の昼間4時間、土日のみなど、自分のペースや希望に合わせて働き方を選べるケースが多く、
宿泊業では、基本24時間スタッフの常駐が必要なので、夜から朝までフロントでお客様の対応をする、
ナイトマネージャーという職種は、そこまで忙しくなく時給も高いので隠れた人気職種でもあります。
また、保険業のように時間の制約が全く無いという業種もあります。
そしてサービス業は現在、コロナ禍で人員を絞っていたところから、急にお客様が戻ってきて、
現場の人員が不足しているので、そういった働き方の要望にも応えてもらいやすい環境下にあります。
3.「個」が認められ、多くの人に出会える
サービス業のメリットとしては、何と言っても「多くの人との出会いがある」という点です。
特に内勤をされていた方にとっては、いつも社内のコミュニティに限定されており、
新しい人との出会いが少ない方も多いのではないでしょうか?
しかし、サービス業の多くは、日々、新たな出会いがあり、お客様との「ご縁」を感じられる仕事です。
そしてサービス業は、お客様から
「あなたが担当してもらって良かった」
「あなたに逢いに来た」
とお客様から言っていただける、目の前のお客様からあなた個人が認められる、
お客様から必要とされる仕事なのです。
4.サービス業は「人」にしかできない仕事
これからの社会では、テクノロジーの進化は加速していき、
一般的な、マニュアル通りの「定型型」の仕事は、AIやIT、ロボットが担っていくことになります。
実際、どこの街にもあった旅行カウンターもじゃらんや楽天トラベルに仕事を奪われて、
今では殆ど姿を消していますし、スーパーなどのレジ対応もセルフレジ化が進んでおり、
省人化が図られています。
その中で、人にしかできない価値の提供というのは、
お客様に対しての「おもてなし」や「気遣い」、「優しさ」、「思いやり」であり、
これこそが「ホスピタリティ」の領域です。
当然サービス業においても、異業種と同じくAI化、ロボット化は進みますが、
人による付加価値、つまりホスピタリティの提供は、
「物質的な充足」よりも「精神的な充足」がより求められる時代に、
無くてはならないものであり、人にしかできない付加価値の高い重要な仕事なのです。
そして、この視点においても人生経験豊富なミドル、シニアの知見が生きる仕事なのです。
5.お客様への貢献をやりがいにできる
エン・ジャパンの意識調査におけるセカンドキャリアに求める重視ポイントの上位は、
「自分の経験が生かせる」「やりがいを感じられる」でした。
これこそがサービス業が成せる職種です。
まず、自分の経験が生かせるという視点においては、前述の「人生経験」こそ、
ミドル・シニアにおける「経験を生かせる」ことに値します。
そして「やりがい」に関しては、サービス業は自身の接客サービスを通じて、
目の前のお客様に直接貢献することで「やりがい」を感じることができます。
これまで製造業などのエンジニアの方や、BtoBで仕事をされてきた方は、
直接お客様に貢献している実感が持ちにくく、間接的に貢献しているイメージですが、
サービス業は、目の前のお客様に自分がそのお客様が喜んでいただくことを想像して考え、
直接、自分なりの貢献をお客様に表現することができるのです。
サービス業の仕事における喜びは、
「自分の貢献によりお客様に喜んでもらうことで、お客様の笑顔や感謝が自分の喜び」となり、
自分の承認欲求を満たすことを意味します。
従ってサービス業は、目の前のお客様の喜びや笑顔が直接自分にフィードバックされる仕事なのです。
そして、そのお客様の笑顔や「ありがとう」の言葉こそが自分の精神的な報酬となり、
自分の心を満たし「やりがい」に繋がります。
6.仕事による「しあわせ」を実感できる
今回のコロナ禍で、「非接触」が良いという意識が私たちの中で強まったことも事実です。
それによって、煩わしい人間関係も多少減ったこともあったかもしれません。
しかし私は、
「人間は人間によってのみ、大きな喜びやしあわせを得られる」と考えます。
これから、この「非接触」「省人化」が是というトレンドは、
少子高齢化で労働人口が減少する日本において、避けては通れない道かもしれません。
しかし一方では、「人間としての喜びやしあわせを削ることになる」ということにも成りかねません。
私たちは、何の為に生きているのでしょうか?
それは、誰もが「しあわせになる為」に生きているのではないでしょうか?
その上で、このサービス業こそ「人間による喜びやしあわせ」に、自分の接客サ-ビスを通して、
最も貢献できる仕事だと私は確信しております。
私のよく行くコンビニで働くシニアの女性は、いつ行っても私を笑顔で迎えてくれます。
通勤前の朝に立ち寄ると「いってらっしゃい!」
仕事帰りに立ち寄ると「おやすみなさい!」と笑顔で私に声を掛けてくれます。
そして、夕食のカップうどんを購入した際には、
「今日は寒いから、ちょっと熱めに温めておきますね」といった、
その時の状況に応じた接客サービスを私に提供してくれます。
私はどれだけ、その方の言葉や行動で自分の心が満たされたか分かりません。
サービス業は、このように日々、多くの人の喜びとしあわせに貢献できる仕事です。
大企業で大きな組織の中で働き抜いた方も、エンジニアで機械やPCと向き合い抜いた方も、
これからは、「目の前のお客様を笑顔にする」というやりがい、生きがいの為に働いてみませんか?
それは、これまでの仕事と違った「喜び」や「しあわせ」をきっと実感できるはずです。
皆さまの次の人生のステージが輝きのあるものになることをお祈りしています。
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