2020.09.04
ホスピタリティコラム
千利休に学ぶ「おもてなし」の原点」
おもてなしの起源は諸説ありますが、
一番有力なのは、 西暦604年に聖徳太子(厩戸皇子)が制定されたと言われる、17条憲法に由来されると言われています。
その17条憲法の第1条に、「和を以て尊しと成す」という条文があります。
この条文の中の「~を以て~を成す」が、「以て成す」になり、「もてなす」になったと言われています。
従って、もてなすとは、「自分が何かを相手にすることで、何かを成す」ということを意味しています。
例えば、親戚が我が家を訪ねてきた際に、「ご馳走をふるまうことで、親戚の人に喜んでもらうことを成す」 ということになるのです。
ちなみに、日本の「もてなし」に大きな影響を与えたのが、茶人、千利休です。
その千利休が、こんな言葉を残しています。
「水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、仏にそなえ、人にもほどこし、吾も飲む」
これは、当時、茶の湯では作法やルールが多くあり、それを守ることばかり意識して、
本来の客人に対する思いやりや気遣いに欠けているという点を読んだ句と言われています。
水を運び、薪をとり、湯をわかす。
まずは、あたり前のことをきちんとやるということが大切である。
そして、仏様に供える。 茶の湯は仏道修行の茶という意味合いもあると同時に、先祖への感謝も忘れない。
そして、「人にほどこす」 「施す(ほどこす)」は、「人のためにして差し上げる」ことを意味します。
相手に喜んでいただけるように、心を込めてもてなす。
そして、最後に吾(われ)も飲む。 相手が良ければそれで良いということではなく、
「共飲」による、同じ時間、同じ体験を一緒に体感する。
「自分も、一緒に喜びを味わう」 という意味が、この言葉には込められています。
「茶の湯」が日本のもてなし文化に与えたものは大きく、
「一期一会」「一座建立」といった、もてなしに欠かせない考え方も「茶の湯」が発祥だったりします。
この、日本特有のほスピタリティである「もてなし文化」。
現代は薄れてきていると言われていますが、オリンピック招致にも使われた「日本の強み」。
絶やしてはいけませんね。
参照図書:日本人のこころの言葉 千利休(熊倉功夫著)
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