2020.11.29
マネジメントコラム
『人事評価制度』の本来の意味・意義とは?
企業運営において、従業員を正しく評価することは、
会社側にとっても、働く従業員側にとっても重要な施策のひとつです。
一般的には、それぞれの階層や職種に応じた、
具体的な役割や業務、成果の基準を会社側が設定して、
期初に目標を決め、半年に1回を目安に評価者がA~Dランクのような区分を
決めて評価して、それが給料や賞与に反映されるといったやり方が一般的です。
これによって従業員は『給料や賞与』といった金銭的な報酬の良し悪しが決まるので、
当然良い評価を得られる為に、この評価基準を満たすよう仕事に励むわけですが、
この評価制度によって、従業員のやる気を引き出せているかという観点では疑問が残ります。
私も前職のホテルマン時代には、支配人といいう立場で15名ほどの部下の人事評価をしていました。
それも、半年に1回、総務から『評価の時期になりましたので〇月〇日までに評価をしてください』
といった通知が配信されて、義務的な感じで評価をしていました。
一方、評価される部下たちも大きな関心もなく、ただ評価者に任せるがままに評価されている印象でした。
評価制度、これで、本当に良いのでしょうか?
そもそも、私の考える人事評価とは、
『承認と成長促進』の場であると考えます。
そのスタッフの半年間の仕事を労い、そして頑張ったことは認めて、承認し、
もう少し頑張って欲しかった点においては、
『成長を促す』という視点でフィードバックをする。
つまり、評価制度は『金銭的な報酬額』を決めるという目的意識が強く、
『承認や成長促進』といった、『精神的報酬』に対する目的意識が低すぎるのです。
しかも、評価者は結果を上から評価するという感覚が強く、
そのスタッフが、現状よりも会社や顧客に貢献できるように、
『上司としてどのような支援やサポートをして欲しいか?』と部下に問うこと、
『そのスタッフの成長に向けて、どのようなサポートをしたか?』を振り返ること
が抜けています。
本来であれば、期初に各スタッフが目標を立てる時点で、
スタッフの成長の為に、上司としてどのような支援やサポートが必要かを
各スタッフに聞くべきですし、それに伴った日頃のマネジメントがあって、
はじめて、各スタッフのやる気を引き出せるような人事評価となります。
やることを目的化した、結果だけフィードバックをするような人事評価ではなく、
『部下への承認と成長促進』の場として、未来に向けた評価制度設計や運用が
これからの時代では必要です。
そして、何よりそこで働く人たちが、評価の為にに萎縮するのではなく、
キラキラ輝いて働ける為の人事制度であるべきと私は考えます。
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