
「離職率を下げる為に従業員満足度を上げなければと思うのですが、どうしたら良いですか?」
ある経営者からのご相談です。
サービス業を中心とする人手不足に歯止めがかかりません。
折角、コロナが明けてお客様が戻ってきたのに、
あるホテルでは「客室は空いているのに、泊まりたいお客様もいるのに、
清掃スタッフがいない為、客室を売り切れない」。
ある飲食店では「スタッフがいない為、店を開けられない」。
といった声を本当によく耳にします。
その対策として、スタッフ募集は常にかけているが求職者は現れず、
結局、現場の負担が増し、スタッフが疲弊して、新たな退職者を生むといった
負の循環の組織も多く見かけます。
そんな状況も踏まえて、従業員満足度(ES)を高めて何とか離職者を減らしたいというのも、
無理はありません。
一方で、私がホスピタリティコンサルタントとして、様々な企業を訪問する中で、
コロナ明けでお客様が戻ってきて多忙を極めているにも関わらず、スタッフは疲弊するどころか、
イキイキと輝いて仕事をしている職場もあることも事実です。
この違いは何なのでしょうか?
ある調査によると「顧客満足度(CS)が高い職場は、従業員満足度(ES)も高い」
という結果が出ています。
この理由には、まさに「ホスピタリティ」が関係しています。
ホスピタリティは、一般的には「おもてなし」や「気遣い」と解釈されていますが、
本来の意味は「顧客におもてなしを通じて、顧客の喜びやしあわせに貢献すること」
を意味します。
この顧客に対しての私たちの貢献が、顧客からの、
「ありがとう、また来るね」といった感謝の言葉であったり、
「あなたに会いに来た」といった、自分の承認欲求を満たす言葉であったり、
「顧客の嬉しそうな笑顔」といった反応を得ることになります。
この顧客からの私たちへの反応、フィードバックこそが、
私たちの仕事のやりがい、この仕事の喜びを高める、
「精神的報酬」となり、この仕事をしている満足度に繋がるのです。
このような事からも分かるように、顧客満足度(CS)の高い職場は、
それだけ多くの顧客からの「感謝の言葉」や「笑顔」等のフィードバックをもらえるので、
スタッフ達は、精神的報酬の総和が顧客満足度(CS)が低い職場よりも多く、
仕事にやりがいや誇りを持ち、スタッフの心は満たされるので、従業員満足度が高くなるという傾向があります。
それでは人員不足で疲弊している職場が、顧客満足度(CS)を高めることで、
従業員満足度(ES)の向上に繋げる為には、何が必要なのでしょうか?
これまでの従業員満足度を上げる施策は、待遇見直し、福利厚生の充実、残業時間の抑制といったものでした。
もちろん、これはこれで重要ですが、どこまで待遇を上げれば従業員は満足するかということは未知ですし、
一度上げれば、すぐにそれに慣れてしまい、また更なるアップを期待することになり兼ねません。
従って重要なのは、「顧客への喜びやしあわせへの貢献が自分の喜びになる」という
ホスピタリティを私たちの共通価値として組織にインストールすることで、
私たち一人ひとりが「仕事の意味」「目的」を理解し、
「顧客に貢献することが、自分の喜びに繋がること」
そして「私たちが、この仕事を通じて喜びやしあわせを実感したければ、
今よりも、もっと顧客を笑顔にすること、感謝されることをすれば良い」ということを理解することが必要です。
このように従業員満足度(ES)を上げることは、会社からの施策だけでなく、
私たち一人ひとりが、顧客にホスピタリティを提供し、顧客満足度(ES)を高めることで、
私たちの従業員満足度(ES)に繋がるということなのです。
終身雇用、年功序列といった社会構造が崩れた今、
私たちの意識も、これからは「会社が何か与えてくれるのを望む」のではなく、
自律したひとりの人間として、人間力を高めて、自分で自分の価値を高める思考と行動が求められます。
それには、この「ホスピタリティ」の考え方を思考と行動の軸とすることは、
サービス業で働く上で、顧客サービスにおいても、自律した人間としての価値を高める上でも効果的です。
会社に求めるだけではなく、「自分の満足度は、自分で高める」意識も必要ですね。
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