2022.06.25
マネジメントコラム
部下のやる気を高める「one on one」ミーティングのやり方と効果的なフィードバックの方法とは?(前編) ~ 効果的な面談の手順 ~
上司が部下と面談をする機会というのは、
半年に1回、人事評価の時期が来ると実施はしているが、
その他は実施をしていないという組織を多く目にします。
特にサービス業の現場においては、人員不足で目の前の業務に追われて、
面談どころではないという店長やリーダーも多いのではないでしょうか?
しかし、現代においては仕事時間以外の飲みニケーションといったコミュニケーションの機会も少なく、
業務時間内でのコミュニケーションや意思疎通が求められる中、
部下と1対1の面談の機会というのは必要不可欠です。
実際、YAHOOが、毎週1回30分必ず直属の上司と部下で「one on oneミーティング」を実施することを仕組み化して、
大きく生産性を伸ばしたという成果を残しています。
特にサービス業においては、人による「労働生産性」の割合が高く、
メンバーの「気持ち」や「やる気」によって、生産性に大きな影響を及ぼします。
従って、定期的なone on oneミーティングの場を、メンバーのやる気を高める機会と捉えて、
効果的に活用することで、組織の生産性に大きく貢献することができます。
それでは、具体的にどのようにすれば、効果的な「one on oneミーティング」になるのでしょうか?
私がよく目にする上司と部下との面談は、場当たり的な面談で、上司の説教を部下が聞くといった、
部下のやる気を高めるどころか、部下のやる気を下げる面談が多発している印象です。
まず、ポイントとしては、ある程度面談の流れのフレームをつくり、
それに従って、面談を進めるということが効果的です。
そして、面談の「場作り」も重要なので、1対1できちんと向き合える場所を設定しましょう。
【one on oneミーティングの流れ】
1.労いの言葉、常日頃の感謝を伝える
まず、最初にすべき大切なことは、部下への日頃の労いの言葉、感謝の言葉を伝えること、
つまり、部下への承認を示すということです。
「○○さん、いつも一生懸命仕事に取り組んでくれてありがとう」
「○○さんの頑張っている姿、いつも感心して見ているよ」
といった声掛けを冒頭にすることで、これからの面談でお互いが話しやすく、
内容を受け入れ易くすることができます。
2.最近、仕事で「うまくいっていること」を聞く
「○○さんが思う、最近仕事でうまくいっていることって何ですか?」
面談と言えば、問題や課題を中心に話すイメージがありますが、
まず、最初に「うまくいっていること」「良かったこと」を聞くことで、
この「場」を前向きな場にすることが可能となります。
その際に上司は、部下の頑張りに対して、
「それは素晴らしいね」といった称賛することも忘れてはいけません。
3.最近、仕事で「うまくいっていないこと」を聞く
「○○さんが思う、最近仕事でうまくいっていないことは何ですか?」
次に今度は、「うまくいっていないこと」「解決したい課題」を部下に聞きます。
「最近、受注ができていない」
「時間管理ができていない」など・・・。
まず、「うまくいっていること」を最初に聞いて、ポジティブな感情のまま、
この「うまくいっていないこと」を聞くようにしましょう。
4.「うまくいっていない理由」を聞く
「○○さんが思う、最近受注できていない理由は何だと思いますか?」
「○○さんは、時間が管理できない原因て何だと思いますか?」
といった具合に、部下が「何故、うまくいっていないのか?」という原因を、
部下に考えてもらい、答えてもらいます。
この時点で、上司が解決策を一方的演説をはじめてしまうケースもあるのですが、
それはNGです。
5.「解決策」を部下に問う
「どのようにすれば、受注が獲得できるようになると思いますか?」
「どのようにすれば、時間管理ができるようになると思いますか?」
ここで、解決策を部下に考えてもらい、部下の中にある答えを導き出します。
この魔法の問いが、「どのようにすれば・・・」「○○さんは、どうすれば良いと思う?」
という質問です。
この「どのようにすれば・・・」という質問は、部下の問題や課題といった思考を、
「解決方法に向ける」質問です。
部下は、「もっと、接客したお客様にフォローを積極的にするべきだと思います」
「朝、自分の予定を書き出してから仕事に取りかかることで時間管理がうまくできると思います」
といった、自分なりの解決策を考えて答えるようになります。
このように、上司から「それは、ああすべき、こうすべき」と指示されるよりも、
「自分で考えて出した答えのほうが、実践度は格段に上がります」。
6.上司から「フィードバック」をする
ここで、部下からの回答を基にして、上司からのフィードバックを行ないます。
「私が思うに、フォローも大事だけど、もっと提案力を磨くべきだと思うよ」
「私が思うに、予定を書き出した時に、そこに目標時間も書いておくと良いと思うよ」
といったフィードバックを行ないます。
ここで、上司が気をつけるべきは、あくまでもフィードバックであり、説教ではないと
いうことです。
このようなone on oneミーティングの流れのフレームがあると、
上司、部下にとって、有意義なミーティングの場になります。
次回のコラムでは、この続きとして上司から部下への効果的なフィードバックのポイントを解説いたします。
ザ・ホスピタリティチーム(株)では、このようなサービス業の現場で抱える問題や課題を解決する、
コンサルティングや研修のサービスを提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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