サービス業におけるDXの活用方法 ~ DXとホスピタリティの関係性とは? ~

2023.08.04

サービス業におけるDXの活用方法 ~ DXとホスピタリティの関係性とは? ~

マネジメントコラム

「これからの接客業、サービス業はどのような方向に向かうのですしょうか?」

よく接客サービス業で働く方から私が最近受ける質問です。

 

これらの質問に対して私がお伝えするのは、まずサービス業は二極化に向かうということです。

まず、ひとつ目がAI・IT・ロボットなどのテクノロジーの活用による省人化、効率化です。

慢性的な人手不足に陥っているサービス業。

これから労働人口の減少により、その傾向は更に強くなることが予想されます。

従って、如何に「人」を介さずに商品・サービスを提供できるかというのが、

接客サービス業の大きなテーマとなります。

 

その上で、AI・IT・ロボット等のテクノロジーの活用は欠かせません。

最近ですと、飲食店であればタッチパネルでの注文や配膳ロボットが料理を運んだり、

スーパーマーケットもセルフレジ化が進んでいます。

銀行もATMやインターネットでできる機能を増やし窓口は縮小傾向にあります。

このようなマニュアル通りの定型型サービスは、「人」ではなく、AI・IT・ロボット

置き換わっていくことが考えられます。

 

一方で、二極化のもう一方にあるのが「人による付加価値の提供」です。

人にしかできない、もてなしや思いやり、気遣い、お客様を洞察して先回りのサービスを提供する、

つまり、ホスピタリティの提供は人にしかできません。

そして、先ほどのマニュアル通りの「定型型サービス」はテクノロジーで担えますが、

個々のお客様の期待に合わせて心を込めて提供する「適応型サービス」は、

人にしかできないサービスであり、「精神的満足」が求められる成熟化社会に求められる接客サービスです。

 

しかし、二極化で「テクノロジー」の活用か、「人」の付加価値の提供かの二択になるかと言えば、

実はそうではありません。

 

特に、後者の「人によるホスピタリティの提供」におけるテクノロジーの活用は、

これからの時代に重要な役割となると考えられます。

 

その中心となるのが、DXの活用です。

 

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、2004年にエリック・ストルターマン教授が提唱した、

Digital(デジタル)とTransformation(変化・変容)を組み合わせた言葉です。

 

このDXは、単なる省人化や効率化の為の活用ではなく、

企業が目的・目標を達成するために、その商品サービスを提供する仕組みを変革することを意味しており、

これまでよりも高い価値を提供することを通じて、企業全体の価値を向上させることを目的としています。

従って、これからの時代に求められるのはデジタルを活用しながら、如何に付加価値の高いサービスを提供できるか

が問われる時代になってきているということです。

 

具体的には、これまでのサービス業における顧客情報の収集の仕方は、顧客からのヒアリングベースで得た情報を、

顧客台帳への記入やシステムにスタッフが入力するというやり方が一般的でした。

そして、次回の利用時にその情報を引き出し、利用履歴に合わせて、

その顧客の趣向に合わせたサービスを提供するといった感じです。

しかも、それもスタッフの記憶に頼る部分が多く、提供するサービス品質もスタッフによりバラバラでした。

 

しかしこれからは、DXを活用して顧客の情報をあらゆる接点から収集し、その情報をどのスタッフでも簡単に引き出せて、

自身の接客サービスに活かしながら付加価値の提供に繋げていく時代に変わります。

 

例えば、分かりやすく旅館のサービスに例えると、

これまでは、顧客情報は顧客台帳か顧客システムを見なければ分からない状況でした。

従って、見れるスタッフも居れば、見れないスタッフも居るという状況で、

特に顧客のお世話を全般にする客室係や清掃スタッフ、厨房スタッフには最低限の情報が、

「人づて」に伝えられるような状況でした。

しかし、これからは顧客情報は事務所から離れている現場でも、誰もが簡単にスマホやタブレットで入手でき、

その情報を元に、それぞれの顧客に合わせた付加価値の高いサービスを提供しやすい環境になります。

 

例えば、予約したお客様が車で来館される際に車種と車のナンバーをスマホに照合すれば、すぐに顧客が判明でき、

玄関に車をつけた際に、「船坂様お待ちしておりました!」と名前を呼んでお迎えすることができたり、

チェックインの際に、宿泊の目的が「子供の誕生日の宿泊」と分かれば、これまでは各部署に電話で伝えなければ

共有できなかったことが、瞬時に全館のスタッフに共有されるので、

客室係は、すぐにお子様が喜びそうなジュースをメッセージカードと共に客室にセットしたり、

夕食会場では、スタッフからのお祝いの声がけや誕生日仕様の特別なデザートをプレゼントすることも可能です。

また、前回の利用時に飲まれた地酒の情報があれば、

「前回召し上がっていただいた日本酒の同じ蔵元で、季節限定の特別な純米酒があるですがいかがですか?」

とった提案もでき、単価アップにも繋げることもできます。

 

このようにDXを活用して顧客情報を、現場のどのスタッフでも気軽に入力でき、

気軽に引き出せて接客サービスに活かすことは、これからの時代における付加価値の提供、

ホスピタリティの提供には欠かせない大きな役割を担います。

 

このような時代が進化する中で必要なのは、スタッフが「その情報を接客サービスに活かす創造力」です。

情報があるだけ、引き出すだけでは「付加価値」の提供にはなりません。

その情報を、如何にお客様の笑顔や喜びに変換できるかが重要であり、

それは現場のスタッフの創造力と実行力にかかっています。

 

その上で、これまでのマニュアル遵守型の定型型サービスから、

目の前のお客様を心から想い、そのお客様の笑顔や喜びの為に自分に何ができるかを考え、

主体的に実践できる、付加価値型、適応型サービスを提供できるようになる人財育成が求められ、

今までのマニュアルを覚える教育から、ホスピタリティマインドやサービスの創造力を高める教育や、

人財育成が重要な時代となるのです。

 

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