■あなたは、どんな職場をつくりたいですか?
「リーダーの指示に従い、私語も少なく、業務を淡々とこなす職場」
それとも、
「仕事に誇りとやりがいを持ち、仲間との関わりを楽しみながら、メンバーが自ら動き出す職場」
まず、その姿を思い描いてみてください。
多くのリーダーは「もっと部下が主体的に動いてほしい」と願います。
しかし、「動かそう」とするほど、部下は距離を置いてしまうものです。
人が本来の力を発揮するのは、「自分が動きたい」と思ったときです。
では、どうすれば「動きたくなる」職場が生まれるのでしょうか
■鍵は、“ホスピタリティ” を組織運営に活かすこと
ホスピタリティという言葉は、「お客様へのおもてなし」と考えられがちですが、
本来は 人と人との関係を豊かにする心の働き を意味します。
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相手に関心を向ける
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相手の立場に立って考える
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相手を大切に扱う
こうした「心の向け方」こそが、職場の雰囲気やチームワーク、そして成果に大きく影響します。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のダニエル・キム教授が提唱した
成功循環モデルでも、こう示されています。
成果を変えたければ、まず“関係の質”を変えることから始めるべきである。
関係が良いと、思考は前向きになり、行動が変わり、結果も変わります。
つまり、成果は、人と人とのつながりの質から生まれる のです
■部下は“動かす”のではなく、“動きたくなる環境”で育つ
ここが最も大切な視点です。
部下の行動を変えようとするのではなく、部下が自然と動きたくなる環境を整えること。
その道筋として、私たちは現場実践から導いた
「部下が自ら動きたくなる組織をつくる 5つのステップ」を用います。
■部下が自ら動きたくなる組織をつくる 5つのステップ
STEP1 ホスピタリティで関係の質を高める
組織の成果は、個々のスキルや制度の前に、まず「人と人とのつながり」から生まれます。
相手に心を向け、思いやりや感謝を日常的に交わすことで、職場に“安心の土台”が育ちます。
この土台があるからこそ、チームは協力し合い、前向きな挑戦が可能になるのです。
STEP2 リーダー自身の思考と行動を見直す
組織の風土を変えるには、まずリーダー自身のスタンスを「管理」から「支援」へと切り替えることが重要です。
リーダーがどのような姿勢でメンバーに関わるかは、そのまま職場の空気に反映されます。
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リーダーが変われば、言葉が変わる
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言葉が変われば、関係が変わる
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関係が変われば、行動が変わる
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行動が変われば、結果が変わる
つまり、チームの変化は、リーダーの変化から始まるのです。
STEP3 心理的安全性で職場の空気を整える
人は「安心できる環境」でなければ、本来の力を発揮できません。
「話しても大丈夫」「失敗しても大丈夫」と感じられる職場には、積極的な意見、学び、挑戦が生まれます。
心理的安全性は、制度よりも、日常の表情・声のトーン・受け止め方といった“空気づくり”によって育まれます。
STEP4 メンバーの成長と成果をつなげる
メンバーが、「自分の成長が誰かの役に立っている」と実感できるとき、人は自ら動き出します。
ただ評価するのではなく、行動の意味・影響・価値を伝えることで、
“やらされている仕事”は、“貢献できている仕事”へと変わります。
STEP5 目的と行動を一致させる仕組みをつくる
成果(P)と関係性(M)の両方を高めることが、組織の継続的な成長には欠かせません。
これは、リーダーシップ研究の三隅二不二氏が提唱した PM理論 にも示されています。
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P(Performance):成果や目標に向かう力
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M(Maintenance):信頼・協力を育む環境づくりの力
どちらか一方に偏ると、成果が続かないか、働く喜びが失われてしまいます。
P と M を両立するためには、理念・役割・行動が日常の中で噛み合っていることが重要です。
■職場は、人が育ち、輝く場所
人は、笑顔と信頼のある場所でこそ力を発揮します。
そして、その環境づくりを担うのが、リーダーです。
「成果を上げるために人を動かす」のではなく、
「人が輝くから成果がついてくる」組織へ。
これは理想論ではありません。
私がこれまで1,000社以上の現場で積み重ねてきた、実践知です。
今回紹介した考え方と、現場で実践できるプロセスを体系的にまとめた新刊
『部下が自ら動きたくなるリーダーシップ』 が、発刊となりました。
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関係の質を高めるホスピタリティの実践方法
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支援型リーダーへの思考転換
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心理的安全性のつくり方
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成長を成果につなげる承認と対話
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PM理論による「幸福 × 業績」を両立させる仕組みづくり
現場で「すぐに使える」内容にこだわっています。
是非、ご一読ください。
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