部下が主体性が無い原因は目標設定にある!

2021.08.29

部下が主体性が無い原因は目標設定にある!

マネジメントコラム

■「目標設定のあり方」が、部下の成長を大きく左右する

「今の自分よりも、もっと成長したい人は手を挙げてください!」

私が研修の中でよくする質問です。

そうすると、老若男女を問わずほぼ100%の人の手が挙がります。
それだけ、人は「成長したい」という欲求を持っています。
にもかかわらず、リーダーが思っているように部下が成長しないのはなぜでしょうか?

部下の成長を促す上で「目標設定」は重要な要素となりますが、部下の成長を妨げるの
は、その「目標設定のあり方」にあります。

 企業における目標設定は売上等の目標を設定して、それを管理するのが一般的です。

しかし、そのような目標設定は「部下が目指したい目標であるか?」という観点では、

そうではない場合が多いもの。

会社から「目標設定をしなさい」と言われたから設定しているだけで、

「やりたい」ではなく「負担」に感じる目標設定になっているのが現状です。

 自らが「やるぞ!」という意気込みを持って設定した目標と、

「負担だけど仕方なくやる」という目標とでは、達成の可能性が大きく変わります。
 

そこで、私は、会社の評価制度の目標設定とは別に、「なりたい自分」という目標設定
を推奨しています。

 これにより、部下自身が「将来どういう人間になりたいか」ということを主体的に考え
る機会ができ、「やらされ感」ではなく「やりたい感」が芽生えます。
 

また、リーダーも部下の将来のなりたい姿を知ることで、その部下の仕事の目的を理解
でき、部下のなりたい将来と今の業務を結び付けてマネジメントすることで、部下の主体
性を引き出すこともできるのです。

■「なりたい自分」の設定方法

「なりたい自分」を設定する際のポイントは、数字などの定量的な目標ではなく、

「お客様や仲間への貢献」といったホスピタリティ軸の定性的な目標を設定することです。

 なぜかと言えば、接客・サービス業で働く人は、基本的に自分自身のためよりも、

「お客様のため」「仲間のため」「世の中のため」といった「誰かのため」にこそ

やる気が湧き、頑張れるからにほかなりません。
 

このような本来の仕事の目的に沿った定性的な目標設定があってこそ、初めてその喜び
や貢献の量を示す売上や利益等の実利が伴う数値的な目標に結び付くこととなり、またこ
のことが単なる「負担でしかない目標」から「やりたい目標」への変換に繫がります。

 具体的な設定方法としては、

◦STEPⅠ なりたい自分の設定:この仕事を通じて、将来なりたい自分を設定。

◦STEPⅡ なりたい自分の価値:なりたい自分になれたときに、今の自分と何が変わ
るのか、どういうメリットがあるのかを記入。

◦STEPⅢ 周りへの変化:なりたい自分になれたときに、周り(職場)への影響、ど
んな変化がもたらされるかを記入。

◦STEPⅣ 社会への変化:なりたい自分になれたとき、社会や世の中にどのような変
化が生まれるかを記入。

 

 実際に研修などで「なりたい自分」を設定してもらうと、
 あるバスガイドは、
「また一緒に旅をしたいと思ってもらえるバスガイドになる」

 あるリラクゼーションサロンのセラピストは、
「お客様の明日の元気の源となるセラピストになる」

といった「心からやりたい目標」が引き出されました。

 これらの目標が有るか無いかで、勤務時間を

「ただなんとなく過ごす」か、

「お客様の元気の源になるために過ごす」

かの違いが生まれ、成長においても仕事の質においても「差」がつくのは明らかです。
 

このように、会社から与えられた目標ではなく、自らの「なりたい自分」を設定し、目
指すことで、スタッフの内発的な真の力が引き出されます。

 この目標をもとに、具体的なアクションの策定と、定期的なフィードバックや面談を
繰り返すことで、リーダーのマネジメントが、単なる会社の業績向上のためではなく、
「なりたい自分をサポートするためにやってくれている」と部下は捉えられるようになり
ます。

そしてそれが部下のモチベーションや組織へのロイヤリティに繫がり、結果的には
業績向上にも大きく貢献するのです。

 

※本コラムは、著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」(PHP研究所)

の本編の一部を再編集して掲載しております。

https://thehospitalityteam.jp/wp/book-release/

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