支援型リーダーの時代へ ― 自責思考という最強のリーダーシップ ―

2025.07.31

支援型リーダーの時代へ ― 自責思考という最強のリーダーシップ ―

マネジメントコラム

 

 ■ 2人のリーダー、その思考が導く未来

あなたがリーダーとして部下に業務を依頼したとします。

ところが、期限までにその仕事は仕上がっていません。

そのとき、あなたはどう感じますか?

 

A:「なんで私が頼んだ仕事を期限までにやらないんだ!」

B:「自分の伝え方が悪かったのかも?サポートが足りなかったかな?」

 

Aは他責思考型リーダー、Bは自責思考型リーダーの思考です。

どちらのタイプのリーダーが、成果を上げられるか。

──それは間違いなく「B=自責思考型リーダー」です。

 

なぜなら、自責型のリーダーは「自分の指示の仕方や関わり方に改善の余地はなかったか?」と省みて、次からのアプローチを変えられるからです。

こうした小さな変化の積み重ねが、結果的にチームの成果に直結するのです。

 

一方、部下の立場から見ればどうでしょう。

 

常に「お前のせいだ」と責められるよりも、「どうすればうまくいくかを一緒に考えよう」と寄り添ってもらえるほうが、やらされ感が減り、自ら動こうという気持ち(=主体性)が生まれます。

 

■ 自責型リーダーの姿

2023年のWBCで世界一を成し遂げた栗山英樹監督も、まさに“支援型リーダーシップ”の体現者でした。

彼は選手に結果をただ求めるのではなく、

常に「俺に何かできることはある?」と自責思考で問いかけていたといいます。

 

「お前がもっと頑張れ」と言うのではなく、

「自分がもっとサポートできることはないか?」と考える。

その姿勢こそが、選手たちの信頼を集め、チームのコミットメントを最大化し、奇跡とも呼ばれる優勝につながったのです。

 

■ 他責と自責の違い──矢印は、相手か?自分か?

それでは、あらためて「他責思考」と「自責思考」の違いを見てみましょう。

 

他責思考:

・問題が起きたとき、原因を「自分以外の何か(部下・環境・制度)」に求める。

・コントロール不可能な他者を変えようとする。

・部下にイライラしやすく、指摘や否定が多くなる。

・自分を変えようとしないため、成長が止まる。

・人間関係がギスギスしやすい。

 

自責思考:

・問題が起きたとき、まず「自分の関わり方・伝え方」に目を向ける。

・コントロール可能な自分を変えようとする。

・部下を支援する姿勢を持ち、信頼関係が生まれる。

・自分の改善点を探す習慣があるので、成長しやすい。

・人間関係が円滑になり、心理的安全性が高まる。

 

実際に、私がこれまで見てきた多くの組織の中でも、「関係の良いチーム」は、例外なく“自責思考型リーダー”によって導かれていました。

 

■ あなたはどちらのタイプ?「自責思考」チェック

それでは、リーダーとしてどのような思考習慣が自責思考を高めることにつながるのでしょうか?

 

それには、「矢印を相手ではなく、自分に向けること」が大切です。

 

どうしてもリーダーは会社から与えられた目標を達成しなければならない責任感から、「あいつはさぼっている」

「なんでもっと営業しないんだ」

と矢印を部下に向けがちです。

しかし、矢印を自分に向けた時に、

「自分はどうなんだ?」

「ただ部下求めているだけで、何を部下にしてあげられていない」

と気づけるのです。

 

それでは、あなたはどちらの思考傾向が強いでしょうか?

以下の10問に対して、当てはまるものにチェックをしてみてください。

 

□困っている部下がいたら、自分から声をかけるようにしている。

□自分の発言や態度が、チームに与える影響を意識している。

□部下の失敗を、自分の指導や関わりの反省点と捉えることがある。

□職場の空気が悪いとき、自分が変えられることを考える。

□忙しくても、相手の立場に立って配慮するよう努めている。

□指示だけでなく、相手が動きやすいように整えている。

□問題が起きたとき、まず自分の改善点を探してみる。

□報連相がうまくいかないとき、自分の伝え方にも原因があると考える。

□「誰かがやるだろう」ではなく、「自分がやるかも」とまず考える。

□チームの成果のために、自分の役割を前向きに果たそうとしている。

 

チェックが7個以上なら、あなたは自責思考型リーダーの素質十分です。

 

■ 経営者としての苦い経験──自責で変えられた未来

そういう私自身、かつて経営が厳しい時期がありました。

 

「なぜ、社員はもっと主体的に動かないんだ」

「なぜ、こんなにやってるのに伝わらないんだ」

 

──そんなふうに、周囲にばかり矢印を向けていたのです。

すると、社員との関係性が悪化し、信頼を失いかけ、結果として業績もさらに落ち込んでいきました。

 

しかし、あるときふと気づいたのです。

「自分は、部下に何をしてあげられているだろうか?」

 

そこから、私は部下に「求める」ではなく、「支援する」マネジメントに切り替えました。

部下の変化を期待する前に、まず自分が変わったのです。

 

すると、チームに少しずつ笑顔が戻り、次第に自発的な動きが生まれ、結果もついてくるようになりました。

 

「自責思考」とは、自分を責めるという意味ではありません。

「自分にできることはあるか?」と、前向きに問い直す姿勢なのです。

 

この姿勢があれば、あなたのリーダーシップは、

きっと誰かの“勇気”や“やる気”を引き出すことが必ずできるはずです。

 

ザ・ホスピタリティチームでは、リーダーシップ、組織力向上、心理的安全性向上、

ホスピタリティに関する研修・コンサルティングのサービスを提供しておりますので、

お気軽にお申し付けください。

 

セミナー情報!

https://thehospitalityteam.jp/wp/seminar/

 

https://thehospitalityteam.jp/wp/training/

https://thehospitalityteam.jp/wp/consulting/

関連記事

トップページ - コラム - 支援型リーダーの時代へ ― 自責思考という最強のリーダーシップ ―