期待を超える接客サービスは4つのサイクルで生まれる  ―― テクノロジー時代の接客戦略:OODAで付加価値をデザインする ――

2025.11.27

期待を超える接客サービスは4つのサイクルで生まれる  ―― テクノロジー時代の接客戦略:OODAで付加価値をデザインする ――

ホスピタリティコラム

AIやロボットなどのテクノロジーが進化し、マニュアル通りの応対であれば機械が担う時代になりました。

注文を受ける、決済をする、商品を案内する――こうした定型業務は、すでに多くの場面で自動化が進んでいます。

その中で、人が接客の現場に立つ意味はどこにあるのか。

                                                                                                     

それは、お客様の期待を超える“付加価値”を生み出す力にこそ、人が存在する価値があるからです。

そして、その付加価値の源泉となるのが ホスピタリティ

                                                                                                            

相手の気持ちを汲み、状況に応じて最適な対応を選び、お客様の心を動かす、

これはテクノロジーだけでは代替できない領域です。

                                                                                                        

しかしホスピタリティは「気持ち」だけで成り立つものではありません。

場面を見て、判断し、行動に変える“技術”として体系化することが重要です。

そのためのフレームワークとして今回紹介したいのが、

アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱した意思決定モデル OODA(ウーダ)ループです。

                                                                                                            

                                                                                                        

■ OODAとは何か?

OODAは、

Observe(観察) → Orient(状況判断) → Decide(意思決定) → Act(行動)

の4つを高速で繰り返し、状況に応じた最適な行動を導くためのフレームワークです。

もともとは戦闘機パイロットが1秒単位で戦況を判断するために生まれた理論ですが、

近年ではビジネス、マーケティング、マネジメントなど、幅広い分野で活用されています。

接客の現場でもこのサイクルを回すことで、

お客様の変化に気づき、瞬時に対応し、満足を超えた“感動体験”を生み出す力が高まります。

                                                                                                         

以下では、接客に置き換えて具体的に解説していきます。

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接客で最初に求められるのは「気づきの力」です。
OODAの最初のステップ、Observe(観察)では、

相手の表情・しぐさ・視線・歩き方・声のトーンなどからニーズの変化を読み取ることがポイントになります。

                                                                                              

● 観察の具体例

  • レストランでメニューを見ながら迷っているお客様
     → 食べたいものが決まっていない、提案を求めている可能性

  • ホテルのロビーで時計を何度も確認している
     → 時間を気にしている=急いでいる、早くチェックインしたい

  • 店舗で商品を手に取っては戻している
     → 価格・性能・用途で悩んでいる、背中を押す一言が必要

観察とは「ただ見る」のではなく、

お客様の心の動きを見つけに行く姿勢が大切です。

                                                                                                           

                                                                                                         

2. Orient(状況判断)― このお客様はいま“何を求めているか”を掴む

観察によって集めた情報をもとに、

「この方はいま、どうしてほしいのか?」

「どんなサポートが最適か?」

を判断するステップです。

                                                                                                                

● 状況判断の具体例

  • 迷っている → 選択肢を整理して提案する

  • 急いでいる → 必要最小限の案内で済ませる

  • 家族連れ → 子どもが飽きないよう、スピーディな案内を

  • 高齢の方 → ゆったりとしたペースで説明する

同じお客様でも、来店時と退店時では求めていることが変わります。
この状況判断こそ、ホスピタリティの質を決める中核になります。

                                                                                                          

                                                                                                           

3. Decide(意思決定)― 今この瞬間、何をするべきかを決める

次に必要なのは「どう動くか」を決めること。
そして、接客中の意思決定は スピードが命です。

                                                                                                                             

● 意思決定の例

  • 声をかけるか、様子を見るか

  • 席の提案をするか、希望を聞くか

  • 商品の説明をするか、質問を待つか

  • 追加の一言を添えるか、あえて控えるか

ここで大切なのは、
100%完璧な判断を目指すのではなく、“最適な行動を選んで前に進むこと”

ホスピタリティは「行動して初めて価値になる」ため、
意思決定の速さが、そのまま満足度に繋がります。

                                                                                                        

                                                                                                           

4. Act(行動)― 心に届く“プラスアルファ”を添える

最後は行動。
このActの質こそ、付加価値の差を生む部分です。

                                                                                                               

● 行動の具体例

  • 迷っていたお客様に「人気の商品を2つご紹介しますね」と提案する

  • 子ども連れに「お子さま用の椅子ご用意しましょうか?」と先回りする

  • ホテルのチェックインで「お疲れかと思いますので、お荷物はこちらで預かりますね」

  • 観光客には「この近くで評判の良いお店、いくつかご紹介できますよ」

行動は小さくても、お客様にとっては大きな価値になることがあります。

ポイントは
“事実”に対応するのではなく、“気持ち”に寄り添う行動をすること。
これが、テクノロジーにはできない「人の付加価値」です。

                                                                                                             

                                                                                                           

■ OODAで接客はもっと進化する

「良い接客をしよう」
「お客様の期待を超えよう」

そう考えるのは素晴らしいことですが、気持ちだけでは実現できません。

                                                                                                          

大切なのは、
観察 → 判断 → 意思決定 → 行動というサイクルを意識して回し続けること。

                                                                                                             

OODAを活用することで、
接客の質が安定し、スタッフ間でも共通の言語が生まれ、
ホスピタリティを“再現性のある技術”として育てることができます。

                                                                                                             

そして、その積み重ねが
お客様の期待を超える瞬間を生み出し、
「また来たい」という感情につながっていきます。

                                                                                                             

テクノロジーが進化した今だからこそ、
人にしかできない接客の価値を磨くために、OODAというフレームを活用して、

付加価値の高い接客サービスを磨きましょう。

                                                                                                              

ザ・ホスピタリティチーム㈱では、接客サービス、ホスピタリティ、組織づくりに関する、

研修、コンサルティングのサービスを提供しておりますのでお気軽にお問合せください。

                                                                                                          

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