
最近、よく耳にするようになった人的資本経営。
この人的資本経営とは、
『人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上に繋げる経営のあり方』(経済産業省)
であり、この人的資本情報の開示が上場企業に対して義務化されたことから、最近、話題に挙がることが多くなっています。
その具体的な開示とは何なのでしょうか?
これまでの企業の評価はBS(賃借対照表)、PL(損益計算書)などに記載された「財務情報」による評価でした。
しかし、それだけでは企業の評価は測れないとして、
これからは、財務諸表には書かれていない潜在的な実力や将来性について知る為の「非財務情報」が求められる
ようになったのです。
この『非財務情報』こそが、人的資本の情報であり、
・離職率
・社員のエンゲージメント(帰属)指数
・従業員満足度
・社員教育に費やした時間や費用の投資
といった財務諸表には掲載されていない情報を開示することで、
この会社が人財に対して『どれだけ投資をしているのか?』、
『どれだけ社員に愛されているのか?』ということを株主が知り、
その企業の将来性やポテンシャルを見極める重要な指標となります。
しかし、このようなことは上場企業だけの話しではなく、
中小企業においても、開示の義務は無くても、
採用活動の中でも『この会社が自分の為に、どれだけ投資してくれるのか?』
といったことは必ず、この会社で働くかどうかの基準のひとつになっていくことは間違いありません。
その点においても『人的資本を開示しなければならない』という開示の有無という話しではなく、
自社でどのような『従業員に対する投資をして生産性を最大化できるか?』という機会として捉えることが重要であり、
その取り組み方の違いが、これからの企業運営の勝敗を分けると言っても過言ではありません。
それでは、どのようにすれば人的資本は最大化できるのでしょうか?
それは、前述のように
・教育費用を増額する
・エンゲージメント調査を実施して愛社度を数値化する
・離職率を下げる施策を実施する
など、考えられることは色々あると思いますが、
私が、人的資本を最大化する上で一番大切なことは『職場の環境を整える』ということです。
もっと分かりやすく言えば『従業員がイキイキと楽しく働ける職場をつくる』ということに尽きます。
それを証明したのが、Google社が全世界のマネージャーを巻き込んで実施したプロジェクトアリストテレスです。
この調査は組織が効果的に機能して、『生産性を上げる組織にはどのような特徴があるのか』
を4年に亘って調査したというもの。
その結果の中で、グーグルが重要な要素として位置づけたのが、
「組織の心理的安全性が生産性を最大化する!」ということでした。
この心理的安全性とは、対人関係において自分への信頼度が低下するような行動を取った時に、
「周りの反応」に対する安心感や認知の仕方を意味します。
つまり、相手にネガティブな印象を与えるような行動をしてしまっても、
「このチームなら大丈夫だ」
「誰も自分を馬鹿にしない」
とメンバーを信じられるメンタル状況があるかどうかを意味します。
何故、このような心理的安全性が生産性を最大化するかと言えば、
これまでは、従業員はオペレーションの一端を担うという位置づけであり、
マニュアル通り、定型型の仕事をしていれば仕事になっていました。
しかし、これらの定型型の仕事はこれからはAIやロボットなどのテクノロジーが担い、
人は、創造性や付加価値の提供に役割が移り変わっていきます。
また、これからの不確実性の高いVUCA時代において、そこで働くスタッフが、
意見やアイデアを自由闊達に出し合い、『集合知』を活かせる企業運営が求められています。
その上で、これまでの日本の主流であった、
・上意下達で上司の言うことに従っていれば良い
・上司と部下が主従関係
・会議は黙って下を向いていたほうが無難
・否定されるから余計なことは言わない
・部下の管理、統制が重要
といったマネジメント手法で乗り切れる時代ではありません。
そして何よりも、このような旧態依然とした企業風土・文化の会社には人財は集まらないと考えたほうが良いでしょう。
しかし、このような時代変化を理解しながらも、一度作られた企業文化や風土を
そう簡単に変えられないことも理解できます。
そこで、効果的なのは『ホスピタリティを企業の共通価値化すること』です。
ホスピタリティは顧客に対する『もてなし』や『厚遇』だけでなく、人間関係の全てに介在します。
従って、社内における従業員同士の尊重や承認をベースとした『思いやり』や『気遣い』、『もてなし』も
社内におけるホスピタリティなのです。
従って、人的資本を最大化する上で、企業としてまずやらなければならないことは、
『その企業で働く全員が、ホスピタリティを企業運営における大切な価値観として位置づけ、
お互いを尊重して承認し合い、会社全体に心理的安全性を醸成すること』
これが、人的資本を最大化する第一ステップです。
これを無くして、人的資本のデータを良くする為の小手先の
・従業員の不満解消
・離職理由の追求
・従業員アンケートの実施
をしてみたところで、真の人的資本の最大化にはなりません。
このようなことからも過去における、資本主義、成果主義にこだわり過ぎて、
従業員の幸せや、会社の文化作りに投資をしてこなかった、
日本の失われた30年から抜け出す機会とも捉えることもできます。
日本は戦後、焼け野原になってしまい、何も無いところから、
『人的資本』と『パッション』で見事な経済成長を実現しました。
まさに、コロナ後を戦後と捉えて、この人的資本の重要性を思い返して、
『従業員の力を最大化すること』で生産性を最大化して、
次なる成長に結びつける機会だと捉える時期がきているのではないでしょうか?
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