「マニュアル通りやっているのに、なぜかお客様の反応が薄い」
「ルールは守っている。でも、職場の空気がどこか冷たい」
現場でこんな違和感を覚えたことはないでしょうか。
多くの組織では、サービスやマネジメントの質を高めるために、マニュアルやルール、行動基準を整えます。それ自体はとても大切なことです。
ところが、整えれば整えるほど、“心が置き去り”になってしまう職場も少なくありません。
この違和感を解きほぐすヒントになるのが、日本の伝統的な考え方である「守破離(しゅはり)」です。
そして実はこの守破離、ホスピタリティと驚くほど深くつながっています。
■守破離とは何か
守破離とは、もともと武道や茶道などの世界で使われてきた言葉です。
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守:型を守る
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破:型を破る
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離:型から離れる
一般的には「成長のステップ」「技術習得の段階」として説明されることが多いでしょう。
しかし、ホスピタリティの視点で見ると、守破離は単なる技術論ではありません。
それは、相手への向き合い方が深まっていくプロセスなのです。
■守 × ホスピタリティ
ー 型を守ることは、相手への最低限の思いやりー
「守」とは、マニュアルを守ること、決められた手順を守ることです。
挨拶の仕方、言葉遣い、対応の流れ。
これらは効率のためだけに存在しているわけではありません。
本来の目的は、
相手を不安にさせないこと
安心してもらうこと
一定の品質を担保すること
つまり、「守」とは相手を大切にするための“土台”なのです。
ところが、ホスピタリティの視点が抜け落ちると、「守」はこう変質します。
「言われたからやる」
「怒られないために守る」
「評価を下げないための行動」
これでは、どれだけ正しく型を守っていても、相手の心には届きません。
ホスピタリティのない「守」は、作業でしかないのです。
■破 × ホスピタリティ
ー 相手を想ったとき、型に違和感が生まれるー
経験を積むと、現場でこんな瞬間が訪れます。
「このお客様に、いつもの対応は本当に合っているだろうか」
「この部下に、この言い方で伝わるだろうか」
ここで初めて、人は“型”に違和感を覚えます。
この違和感こそが、「破」の入り口です。
大切なのは、破ること自体が目的ではないということ。
相手の立場で考えた結果、
「今は、少し変えたほうがいい」
そう感じたときに、自然と型が揺らぐのです。
自己都合で型を破る人と、ホスピタリティから型を破る人。
この二者は、似ているようでまったく違います。
前者は「自分がやりやすいから」。
後者は「相手にとって、より良いから」。
ここに、ホスピタリティの有無がはっきり表れます。
■離 × ホスピタリティ
― 型を超えた先に残る「その人らしさ」ー
「離」とは、もはや型を意識しなくても、自然に最適な行動ができる状態です。
マニュアルを見なくても、
正解を探さなくても、
目の前の相手に合わせた関わり方ができる。
この段階に到達した人の行動は、とても自然です。
でもそれは、感覚や才能ではありません。
守を徹底的に積み重ね、
破を通して相手理解を深め、
その結果として“にじみ出てくるもの”。
ホスピタリティが身体化した状態とも言えるでしょう。
■守破離のゴールとは何か
守破離のゴールは、
「上手くなること」でも
「評価されること」でもありません。
それは、
目の前の相手にとって、いちばん心地いい関わり方が自然にできること。
ルールを守ることも、
ルールを超えることも、
すべては相手のため。
ここまで到達して初めて、ホスピタリティは“スキル”ではなく、“在り方”になります。
■最後に、リーダーの方へ
もし今、
「現場が形骸化している」
「マニュアル通りなのに成果が出ない」
そう感じているなら、問いを変えてみてください。
「守れているか?」ではなく、
「誰のために守っているのか?」
守破離を、技術論で終わらせない。
そこにホスピタリティを通したとき、
組織も、チームも、もう一段深い成長を始めます。
あなた自身は今、守・破・離のどこに立っているでしょうか。
そしてその行動は、目の前の相手に向いているでしょうか。
その問いから、ホスピタリティはまた育ちはじめます。
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