これからのリーダーに求められる部下への「目配り・気配り・心配り」とは?  ―組織を成功に導くなら、 顧客以前に、社内のインナー・ホスピタリティを高めよ! ―

2025.07.25

これからのリーダーに求められる部下への「目配り・気配り・心配り」とは?  ―組織を成功に導くなら、 顧客以前に、社内のインナー・ホスピタリティを高めよ! ―

マネジメントコラム

顧客にはできて、部下にはできていない現実

多くのリーダーは、現場で成果を出してきた優れたプレイヤーでもあります。

接客や営業の第一線でお客様からの信頼を得てきたその実力は、まさにプロフェッショナルと言えます。

 

そして、その力の源は「ホスピタリティ」にあります。

顧客のニーズを先読みし、期待を超える行動をとる。

それが、リーダーであるあなたが積み重ねてきた価値あるスタイルです。

 

しかし──

ふと足元を見ると、そのホスピタリティが、最も近くにいる「部下」には届いていない現状があります。

 

なぜでしょうか?

 

それは、部下は“顧客ではない”という無意識の線引き、

「言わなくてもわかるだろう」という思い込みが生まれてしまうからです。

 

でも、部下もまた“ひとりのお客様”です。

あなたのマネジメントという“サービス”を受けている大切な存在なのです。

 

■ 部下へのホスピタリティ=「目配り・気配り・心配り」

部下のやる気やパフォーマンスを高めるカギは、実はとてもシンプルです。

それは、顧客に提供しているホスピタリティを、そのまま部下に向けること。

 

その行動を、私は「三配り」と呼んでいます。

研修等で、自分の顧客体験の中で嬉しかった対応は何ですか?

と受講者に聞くと、大きく分けて3つに分類できます。

 

ひとつ目は、

「何か探し物をしている等の困っている時に声を欠けてくれた。」

つまり、自分の状況を見ていてくれると顧客は嬉しいと感じます。

これが「目配り」です。

 

そして二つ目は、

「自分の好みを分かってくれていて、それに合った商品を提供してくれた。」

つまり、自分のことを分かってくれていると顧客は嬉しいと感じます。

これが「気配り」です。

 

そして三つ目は、

「自分のことを想ってくれて、我が事のように親身に対応してくれた。」

つまり、顧客のこと自分の事のように想ってくれると顧客は嬉しいと感じます。

これが「心配り」です。

 

よく、「目配り」「気配り」「心配り」と言いますが、まさにこの「三配り」がホスピタリティの提供のベースにあります。

 

顧客への「三配り」の提供は、満足を超えた期待以上の付加価値となり、顧客満足度の向上だけではなく、顧客エンゲージメントの向上にも大きな影響を与えます。

 

この事は顧客だけの話しではありません。

リーダーであるあなたが、この「三配り」を部下への提供を意識することで、従業員満足度や従業員エンゲージメントに繋がることを意味します。

 

ただ、誤解していただきたくないのは、

「部下を顧客のようにチヤホヤしてほしい」と言っているわけではありません。

ここで伝えたいのは“相手の立場に立って思いやる”というホスピタリティの視点を、社内の人間関係にも持ち込むことの大切さです。

 

部下に媚びたり、過剰に気を遣ったりするのではなく、

「ちゃんと見ているよ」「理解しているよ」「あなたを大切に思っているよ」と、

日常の中でさりげなく伝えること。

その積み重ねが、信頼関係を育み、組織の温度を上げていくのです。

 

■リーダーが部下に提供する「目配り」「気配り」「心配り」

それでは部下に対して、どのように「三配り」を提供すれば良いのでしょうか?

その具体的なマネジメントを解説します。

 

①目配り ― 小さな変化に気づく力

 

「最近、元気がないな。」

「いつもより出社が早かったけど何かあったかな?。」

「誰よりも先に片づけをしていて偉いな。」

 

そんな“ちょっとした変化”に気づくこと。

それが、リーダーにとっての「目配り」です。

 

何も特別な観察力はいりません。

大切なのは、見ようとする意志です。

 

上司が自分の事を見てくれていると分かると、人は自然と「自分を大切にされている」と感じ、モチベーションが高まります。

 

② 気配り ― 部下を理解しようとする力

 

目配りが「気づく力」なら、気配りは「想像する力」です。

 

「この仕事、初めてで不安かもしれないな。」

「異動したばかりで人間関係がまだできていないかも。」

「最近、残業が多くて疲れていそうだな。」

 

こうした“部下の気持ち”を分かってあげようとすることで、

「ひと言の声かけ」や「ちょっとしたフォロー」ができるようになります。

 

たとえば、

「最近、忙しそうだけど体調大丈夫?」

「今の案件、サポートできることある?」

 

そんなささやかなひと言が、信頼関係を深めていくのです。

 

③ 心配り ― 感情に寄り添い、言葉で届ける力

 

目配り・気配りをしても、それを伝えなければ伝わらない

そこで必要なのが、「心配り」です。

 

心配りとは、思っているだけでなく、“言葉にすること”。

 

「いつもありがとう。」

「最近、すごく頑張ってるね。」

「この前の件、とても助かったよ。」

 

こうした言葉は、部下の“存在承認”につながり、自己肯定感や安心感を生み出します。

 

ホスピタリティの本質は、「あなたを大切に思っています」と伝えること。

それを一番近くにいる部下に届けられてこそ、リーダーとしてのホスピタリティが完成するのです。

 

3つの配りが、チームを変える

私が関わったある小売店では、店長がこの「三配り」を実践したことで、

スタッフの定着率が大きく改善し、接客の質も向上しました。

 

何か特別なスキルを使ったわけではありません。

毎朝、「体調どう?」「昨日のお客様対応、助かったよ」と声をかける。

困っているスタッフに「大丈夫、自信を持っていいよ」と言う。

それだけです。

 

でも、そんな“日々の些細な言葉”が、

メンバーにとっては「自分は大切にされている」「見てくれている」という実感になったのです。

 

このようなことで、店全体に温かい空気が流れ、お客様へのホスピタリティも自然と高まりました。

つまり、「内なるホスピタリティ」が「外のサービス」に波及したのです。

 

■ 明日からできる、配るリーダーの第一歩

忙しい現場の中で、全部を完璧にやるのは難しいかもしれません。

でも、まずはひとつでいい。

 

「今日、部下の誰かに“ありがとう”を伝える」

「帰り際に“今日も助かったよ”と声をかける」

 

そんな1歩が、部下の心に届きます。

そして、その心の反応が、またリーダー自身の心を満たしてくれます。

 

部下も、自分も、ご機嫌な組織をつくるために。

「三配り」──

顧客を笑顔にするには、自分の半径5メートルに居る人を笑顔にすることが先決です。

あなたのホスピタリティを、いちばん身近な仲間に届けるところから始めましょう!

 

ザ・ホスピタリティチーム㈱では、組織づくり、チームビルディング、心理的安全性、リーダーシップ等、

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