2021.07.17
マネジメントコラム
「信念を持つ」リーダーと「薄っぺらい」リーダーの違い
あなたはどんな信念を持ってマネジメントをしていますか?
業績不振を理由に社長が交代したあるホテルチェーンで、
就任したばかりの新社長が自 社のあるホテルを視察、訪問したときの出来事です。
そのホテルの幹部たちは、前社長のときと同様に、総支配人以下、
全幹部が玄関で整列 して新社長を出迎えました。
そのとき、新社長が烈火のごとく幹部たちを叱りつけました。
「俺を出迎える暇があったら、お客様にもっと手厚いサービスをしろ!」
それ以降、そのホテルは社長以下全員が顧客第一主義を貫き、見事、業績回復を果たしました。
一方、あるアパレル企業では、社長がこの前は「それでいい」と言っていたのに、
突然「そんなことは言った覚えがない、やり直せ!」と言い出し、誰も逆らえません。
そんな場当たり的な、思いつきによるちゃぶ台返しが繰り返されています。
前者のように、リーダーが正しい信念を持っていると、一貫性があり、部下が同じ方向 を向いて仕事ができるので、生産性が高まり、最終的には業績も向上します。
かたやリーダーに信念がなく、その場凌ぎの言動やマネジメントを続けていると、
上司 に振り回されて部下は迷走し、お客様ではなく上司を見て仕事をし始めます。
それでは、自分にとっての信念とはどのように創られるのでしょうか?
それはあなたが、この仕事で「何に喜びを感じるか」、「何を大切にしたいか」に紐づい ています。
しかし、かくいう私も、そのような信念や自分の軸は無く、表面的で薄っぺらいマネジメントを
かつてはしていました。
「とにかく売上予算を達成しよう」
「会社から突っ込まれるから残業は減らすように」
恥ずかしながら、このような会社から言われたことをたんに部下に伝言するだけの
マネ ジメントでした。
しかし、ある方から仕事における「信念」の大切さを教えてもらい、その必要性を痛感 し、
自分にとっての信念を突き止めることにしました。
そんな信念を模索していた時期のことです。いつものように結婚式の当日に立ち会って いると、
「新郎新婦やそこに参列されるゲストが輝く姿を見ることに、ものすごい喜びを 感じる自分」
にふと気づいたのです。
それから、「お客様や部下を輝かせる」ことが自分自身の信念=ブレない軸となり、
部下から何か問われて判断するときの基準にもなりました。
会社から言われたことも、ただそのまま部下に伝えるだけでなく、
「もっと、我々のプランニングでみんなが輝く結婚式をたくさん創ろう!」
「我々が輝かなければ、お客様も輝かせることができない、だから早く帰ってプライベー トも楽しもう!」
といった自分の信念というフィルターを通してから伝えられるようになりました。
そうすることで、自分の言葉に自信と説得力が生まれ、部下もそのことに共感してくれて、
業務や数字に対するコミットメントを高める力を持ちました。
このように、自分の信念を持ったマネジメントをすることは、
上司からは 「骨のある奴だ」 部下からは「憧れの上司」と見られるようになります。
そして何よりリーダーであるあなた自身にとっての仕事の意味、意義に繫がり、
マネジメントに自信と力強さが増す 最強の武器となるのです。
※本コラムは、著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」を再編集して掲載させていただいております。
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