人的資本で企業価値を最大化する経営へ
ホスピタリティ経営
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サービス業は、顧客満足度を追求してきた時代から、人員不足、離職率の要因もあり、従業員満足度を注視するようになり、今は、従業員の自社への帰属意識を測るエンゲージメントを重視するようになってきました。
また、エンゲージメントを重視する要因として、もう一つあるのが、上場企業に課せられた人的資本の開示です。
その開示項目に、エンゲージメント率も入っている為、今、企業が注目しています。 しかし、これは上場企業だけのものではなく、中小企業においても従業員エンゲージメントの必要性が高まることは間違いありません。
それでは、従業員満足度とエンゲージメントでは何が違うのでしょうか?
従業員満足度(Employee Satisfaction)の特徴としては、従業員が職場での経験や条件に対してどれだけ満足しているか、従業員が給与や労働条件や福利厚生にどれだけ満足しているかを測る指標です。
一方で、従業員エンゲージメント(Employee Engagement)は、従業員が企業のミッションに共感し、どれだけの情熱やコミットメントを持っているか、そして主動的に仕事に取り組んでいるかを測る指標です。
このようなことからも分かるように、従業員満足度は条件面や社内環境面の基本的な条件に満足しているかどうかであり、一方エンゲージメントは、単なる満足度を超えて組織に対して積極的に貢献し、直接成果に影響を与える傾向があります。
したがって、これからの人的資本を最大化する経営においては、従業員に対して企業側からの「良い条件」の提示といった一方通行ではなく、従業員側からの自社への愛情や共感といった帰属意識から生まれる主体的な行動を引き出すこと、「企業と従業員が相思相愛になる」ことがエンゲージを高める上で求められます。
それでは、従業員エンゲージメントを高めるには何が必要なのでしょうか?
エンゲージメントを測る主な項目は、
・組織文化
・チームワーク
・人間関係
・業務満足度
などが挙げられます。
一般的には、従業員に対してエンゲージメント調査を行い、その調査結果に基づいて、低い項目に対して改善をして点数を上げるという方法が一般的です。
しかし、このような調査では、部分最適の要素が強く、企業全体の変革感が少ないので、なかなか数字の改善が見えにくく、効果が限定的であるというのが現実です。
そこで私が推奨しているのは、ホスピタリティによる従業員エンゲージメント率の改善です。
ホスピタリティは、お互いの尊重・承認・理解をベースとした思いやり、気遣い、真心を意味します。
従って、社内にホスピタリティをインストールし、従業員の共通価値化することは、従業員同士の「関係の質の向上」に繋がり、先ほどのエンゲージ項目でいう、「組織文化」「チームワーク」「人間関係」すべてのエンゲージメント数値のアップに繋がります。
また、ホスピタリティは「他者への貢献が自分の喜びになる」ことが根幹の考えである為、顧客や仲間に貢献することが、自分の仕事の喜びや楽しさ、やりがい、誇りに繋がることを理解し、先ほどの項目の業務満足度の向上にも繋がります。
このように、ホスピタリティを社内にインストールすることは、企業側が従業員に一方的に実施する施策と違い、従業員一人ひとりが、自分の会社を良くして、自分自身のエンゲージメントを主体的に上げることに繋がります。
これが企業のより良い組織文化を創る全体最適となり、従業員の主体的なコミットメントを引き出すことに繋がります。
ザ・ホスピタリティチームでは、エンゲージメント向上に関するコンサルティング、研修、講演のサービスを提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。