2021.06.12
マネジメントコラム
部下の可能性に『フタをするマネジメント』と『伸ばすマネジメント』の違い
■部下の可能性を伸ばすリーダーのマネジメントとは?
私が様々な企業に伺い、様々な組織を見てきた中で、
「部下の可能性にフタをしている組織」と、
「部下の可能性を伸ばしている組織」が存在します。
その違いは何か?
それは、その組織のリーダーのマネジメント特性が大きく関係しており、
部下の可能性にフタをするマネジメントをするリーダーの組織は業績は伸び悩み、
部下の可能性を伸ばすマネジメントをしているリーダーの組織は例外無く高い業績を上げています。
しかし、前者のリーダーから業績不振に関するヒアリングをすると、
『少子高齢化でマーケットが縮小しており、思うように売上が上がらない。』
『競合の値引き戦略により顧客が奪われている。』
『うちの商品力では競合には勝てない。』
といった自組織や部下の状況とは関係なく、
他責の事象が語られるケースが多く、そういうリーダーに限って、
部下の可能性に「フタ」をして生かし切れていない傾向があります。
しかし、これだけ多様化する時代にリーダーひとりの考えや意思決定で決断をすることは
リスクが高く、顧客に向き合い第一線で活躍している組織のメンバーの叡智を
結集するマネジメントが必須であり、メンバーの組織への参画がやる気の向上や自分事化、
組織メンバーの可能性を伸ばすことにも繋がります。
それでは、部下の可能性にフタをするマネジメントとは、
具体的にどのようなマネジメントなのでしょうか?
■部下の可能性にフタをするマネジメント10
それは以下のような10のマネジメント特性が挙げられます。
ご自身で当てはまる項目にチェックをしてみてください。
□部下の意見を聞かないで自分の意見を押し付ける。
□部下のことを考えないで、上しか見ていない。
□自分が全部把握していないと気が済まない。(任せない)
□自分の気分で言っていることがコロコロ変わる。
□感情の起伏が激しく、部下が扱いづらい。
□自分の保身や昇進のことしか考えていない。(そう見えてしまう)
□自分のお気に入りのメンバーしか可愛がらない。
□部下のアイデアや提言を上に上げないで、自分で止めてしまう。
□自分の意志やポリシーがない。
□部下に対する愛情表現が足りない。
いかがでしたでしょうか?
3つ以上チェックが付いたリーダーは要注意です。
しかし、いつまでもこれらのマネジメントを続けていると、
いつまで経っても結果が出ないばかりか、
部下は不平不満を抱えながらやらされ感で仕事を続けるか、
できる部下ほどこの組織を去っていくでしょう。
また、リーダー自身がこれらのマネジメントができているか判断に迷う場合は、
メンバーに組織の課題を挙げてもらうことで検証することができます。
その挙がった課題の中で、「組織の風通しが悪い。」
「組織内のコミュニケーションが悪い。」
「情報共有がされていない。」
「職場の雰囲気が悪い。」
といった課題が挙がった場合は、
直接的ではなくてもリーダーのマネジメント特性が関係している可能性が高いので、
自身のマネジメントを見直し、修正していくことが必要です。
リーダーとして理想のマネジメントを目指すことが大切な一方で、
部下の力を引き出す上でマイナスとなるマネジメントをしないことのほうがより重要であり、
そのことが結果的に部下の可能性を伸ばすマネジメントに繋がります。
※本コラムは著書「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」(PHP研究所)
の本文を再編集して掲載しております。
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