2024.09.15
マネジメントコラム
部下のやる気を高める方法 ~ メンバー一人ひとりのやる気スイッチの見つけ方 ~
私たちが仕事をする上で理解しなければいけないのは、
組織の所属するメンバーの「感情」によって生産性が大きく変わるということです。
特に、メンバー「やる気」の違いによって、生産性が変わることをリーダーは理解する必要があります。
例えば、
「居酒屋でスタッフがお客様にもう1杯ドリンクをお勧めするかどうか。」
「レストランで、特別メニューを積極的にお勧めするかどうか。」
「アパレルで、新商品や特定のキャンペーンを自発的にお客様に紹介するかどうか。」
このように、スタッフのやる気によって売上や顧客満足度に大きな影響を及ぼします。
それでは、どのようにすれば部下のやる気を引き出すことができるのでしょうか?
そのやる気を引き出す上でまず大切なのは、
メンバー一人ひとりで「やる気」になるポイントが違うということを理解することが大切です。
人間の動機づけには、大きく分けてふたつあります。
ひとつは「外発的動機付け(Extrinsic Motivation)」であり、もうひとつは「内発的動機付け(Intrinsic Motivation)」です。
外発的動機付けは、外部から与えられる報酬や評価、罰則などによって行動が促される動機です。
行動の理由が自分自身の内側ではなく、外側の要因に基づいているため、短期的な行動の促進に効果的です。
具体的には、
「ボーナスをもらうために目標達成を目指す。」
「上司から叱られないために仕事を終わらせる。」
などが挙げられます。
一方で内発的動機付けは、
内発的動機付けは、個人が自身の興味や楽しさ、自己成長のために行動する動機です。
行動そのものが楽しさや満足感をもたらすため、長期的なモチベーションの維持に効果的です。
実は、この内発的動機付けを高めることが重要であり、
外圧による動機付けと、自分の内から湧き上がってくる動機付けとでは、
アウトプットされるパワーが圧倒的に内発的動機付けのほうが大きいのです。
それでは、リーダーがメンバーの内発的動機を高める為に何をすれば良いのでしょうか?
実は、内発的動機を高める部下のやる気スイッチは10項目あります。
下図をご覧ください。
①達成感・・・目標に対する達成感・仕事をやり切った時の達成感。
②承認感・・・感謝される・褒められる・仕事が認められる。
③意味・意義感・・・この仕事の喜び・誇り・やりがいを感じる。
④責任感・・・任される・権限移譲・あなたならできる。
⑤昇進・・・役職が上がる・等級が上がる。
⑥成長感・・・出来ることが増える・上のステージの仕事ができるようになる。
⑦一体感・・・組織の和を感じる・組織で成し遂げる喜び・チームワーク。
⑧自己実現感・・・なりたい自分になれる・やりたい仕事に就ける・社会貢献。
⑨幸福感・・・この仕事ができる幸せ・このメンバーと一緒に働ける幸せ。
⑩顧客満足度・・・お客様に喜んでいただける・お客様に貢献できる。
あなた自身は、これらの10項目の中で、どの項目にやる気を感じますか?
私が研修で受講者の皆さんに、これらの10項目の中で、どこにやる気スイッチか挙手をしてもらうのですが、
驚くことに偏らずに、一人ひとりやる気スイッチが違うことが分かります。
つまり、「やる気を引き出す」ということにおいて大切なのは、
「やる気のツボは部下一人ひとりによって違う」ということを理解することなのです。
リーダーのあなた自身が「昇進」にやる気スイッチがあり、
部下も自分と同じ「昇進したいに違いない」「偉くなりたいに違いない」と思い込んで、
「そんなことでは出世できないぞ!」と部下に発破をかけても、
部下のやる気スイッチがそこに無ければ、モチベーションが上がることは無いということです。
したがって、リーダーがまずしなければならないのは、自分の部下一人ひとりを観察して、
それぞれの部下のやる気スイッチが、どこにあるのかを見極めることが重要です。
そして、それが分かったら、部下によって声がけを変えるのです。
例えば、「責任感」にやる気スイッチがある部下には、
「この仕事、あなたならできる!」
「あなたにこの仕事を任せたいと思う。責任は自分が取るからお思い切ってやってみて欲しい。」
「承認感」にやる気スイッチがある部下であれば、
「いつも頑張っている姿、本当に感謝しているありがとう。」
「この間のお客様、とても喜んでいたよ、本当にありがとう。」
「成長感」にやる気スイッチがある部下であれば、
「この仕事は、あなたにとって必ず成長に繋がるはずだ。」
「この業務ができるようになれば、あなたはワンステップ上に上がれる。」
このように部下のやる気スイッチに応じた声がけをすることで、
部下の内発的動機を刺激し、やる気を高めることに繋がります。
そして、その根底として大切なのが職場内のお互いの尊重、承認、理解による、
思いやりや気遣いといったホスピタリティが社内に共通価値化しているかが重要です。
いくら部下のやる気を高めたいと思っていても、そもそも上司、部下との関係性は悪ければ、
部下のモチベーションを上げることはできません。
また、社内のメンバー同士の思いやりや気遣いがなく「ギスギス」した職場環境であっても、
メンバーのやる気を高めることはできません。
部下のやる気を高める土台となる、職場内の「ホスピタリティ」があるかどうかが前提条件なのです。
一人ひとりの部下のやる気スイッチを見つけること、そして、その部下のやる気スイッチに応じた、
声がけ、動機付けをすることが組織の生産性を高める上で重要です。
是非、実践してみてください。
ザ・ホスピタリティチームでは、リーダーシップ、組織作り、ホスピタリティに関するコンサルティング、研修、講演のサービスを提供しておりますので、
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