2025.04.06
ホスピタリティコラム
新しい職場や環境で「人間関係をすぐに築く」ためのコツ3選
新入社員として初めて社会に出るとき。
転職で新たな会社に飛び込むとき。
異動で今までと違う部署に配属されたとき。
新しい環境に身を置くとき、誰もが少なからず不安になります。
——行った先の皆さんとうまくやっていけるだろうか。
——受け入れてもらえるだろうか。
——変に思われたりしないかな……。
そんな風に感じたことがある方は、あなただけではありません。
実際、働く人の悩みの多くは「仕事そのもの」よりも「人間関係」にあるとも言われています。
特に最初の印象は、その後の関係性を大きく左右します。
だからこそ、最初の数日、数週間の過ごし方がとても重要です。
私がこれまで多くの現場を見てきた中でも、人間関係の築き方ひとつで、仕事のやりやすさ、安心感、成長のスピードが大きく変わる場面をたくさん見てきました。
そこで今回は、新しい環境で「すぐに馴染む」「信頼される」ための人間関係づくりのコツを、ホスピタリティの視点から3つにまとめてご紹介します。
コツ① 「笑顔とあいさつ」を“先手”で出す
「感じのいい人」という印象をつくるのに、最も効果的なのが“笑顔”と“あいさつ”です。
特に新しい環境では、「あいさつされるのを待つ」のではなく、自分から先にあいさつをする“先手必勝”が基本です。
笑顔で「おはようございます」「よろしくお願いします」と声をかけるだけで、「明るい人だな」「話しかけやすそうだな」といった好印象を与えることができます。
そして何より大切なのが、“一人ひとり”へのあいさつの丁寧さ。
新しく職場に入ったときには、全体に向けた自己紹介やあいさつをする機会があります。
しかしそれだけでは、関係性は深まりません。
「これからお世話になります」と、一人ひとりに向き合ってあいさつを交わすことが、信頼関係を築く第一歩になります。
また、朝のあいさつひとつでも、ただ一度大きな声で言うだけでなく、すれ違うたびに目を見て、笑顔で、名前を呼んであいさつする。
そんな心配りが、職場での印象をぐっと良くしてくれます。
ホスピタリティの基本は、「相手に心地よく過ごしてもらいたい」という思いやりです。
あいさつは、その最初の一歩として、相手に安心感とあたたかさを届けることができます。
コツ②“謙虚さ”と“素直さ”を忘れずに、まずは受け入れる姿勢を持つ
新しい環境に入ると、「もっとこうしたほうがいいのでは?」「前の職場ではこうしていた」と感じることがあるかもしれません。
特に新入社員の中にも、「もっと効率的な方法があるのでは」と思う人もいるでしょう。
ですが、まずは“今あるものを受け入れる姿勢”がとても大切です。
なぜなら、その職場のやり方や仕組み、文化は、これまでの経験や努力を重ねてつくられてきた背景があります。
それをすぐに変えようとするのではなく、「なぜそうなっているのか」を理解しようとすることが信頼される第一歩です。
また、わからないことがあったときには、遠慮せず、素直に尋ねてみましょう。
「初めてなので、教えていただけますか?」
「この場合、どうするのがこの職場のやり方ですか?」
そんな風に、相手に敬意を持って聞く姿勢は、「素直で協力しやすい人だな」と感じてもらえる大きなポイントになります。
もし以前の職場のやり方を話す場面があったときも——
「以前の職場ではこういった方法もあったのですが、こちらではどのようにされていますか?」
というように、相手のやり方を尊重した言い回しを心がけましょう。
ホスピタリティとは、相手の立場に立ち、尊重し、受け入れること。
どんな立場の人であっても、「聞ける人は信頼される人」です。
コツ③“与える”意識を持って関わる~ストロークの力~
新しい環境に入ると、どうしても「どう思われているか」「嫌われたらどうしよう」と、受け身の姿勢になりがちです。
でも、そこで一歩前に出て、“自分から与える”ことを意識できる人は、驚くほど早く職場に馴染んでいきます。
その鍵になるのが、「ストローク」という考え方です。
ストロークとは、心理学で「人と人との間に交わされる心のやりとり」を意味し、簡単に言えば、“相手の心を満たす行動や態度”のことです。
たとえば…
– 「ありがとうございます」と感謝を伝える
– 「助かりました」「そのやり方、すごく参考になります」と声をかける
– 笑顔でうなずく、目を見てうなずく、相づちを打つ
こうした一つひとつの反応が、相手に「あなたをちゃんと見ています」「あなたのことを大切に思っています」というメッセージとして届きます。
人間は、「認められたい」「価値を感じてもらいたい」という思いを本能的に持っています。
だからこそ、先にストロークを“与える人”は、自然と信頼され、好意を持たれやすくなるのです。
自分がどう見られるかではなく、「相手がどう感じるか」を意識した行動をとること。
それが、人間関係を前向きに築くための一番の近道です。
終わりに
人間関係は、待っていても始まりません。
でも、自分から動いて「笑顔であいさつする」「素直に聞く」「与える言葉をかける」ことができれば、職場の空気はやわらかくなり、あなたのことを「信頼できる人」と感じる人が増えていきます。
誰でも最初は不安です。
だからこそ、最初の一歩を“自分から踏み出せるかどうか”が、大きな分かれ道になります。
与えることは、損ではありません。
むしろ、自分自身も働きやすく、居心地のよい環境をつくることにつながります。
ぜひ、ホスピタリティの視点を持ちながら、新しい環境の中で、自分らしく、そして信頼される関係を築いていきましょう。
ザ・ホスピタリティチームでは、「心理的安全性向上」や「関係の質向上」、「チームビルディング」に関する研修やコンサルティングのサービスを提供しておりますので、
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