サービス業の課題を解決に導くコンサルティング

Youtube
チャンネルはこちら
お問い合わせ・無料相談 PAGE TOP
TOPトピックス人的資本を活かすリーダーシップの新たな潮流 ~トップダウンから、目的共感・集合知の時代へ~

TOPICSトピックス

2025.05.30

マネジメントコラム

人的資本を活かすリーダーシップの新たな潮流 ~トップダウンから、目的共感・集合知の時代へ~

■  働く意味が変われば、リーダーシップも変わる

かつて日本が高度経済成長期にあったころ、リーダーに求められていたのは、明確な方向性を示し、

ぐいぐい引っ張っていく“トップダウン型”のリーダーシップでした。

先がある程度見える時代では、それは効果的なマネジメント手法だったのです。

しかし現在、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。

国際情勢の不安定化、物価高騰、円安、気候変動、新型ウイルスのような突発的な出来事──。

何が起きるかわからない、まさに「先が読めない時代」です。

こうした中では、上層部だけの意思決定で物事を動かすスタイルは、むしろリスクになります。

情報の変化が激しく、間違った意思決定がが致命傷になるケースも少なくありません。

だからこそ今、リーダーシップの形もまた“見直し”が求められているのです。

 

VUCA時代に求められる巻き込み力

このような不確実な時代を、ビジネスの世界では「VUCA(ブーカ)」と呼びます。

それは次の四つの頭文字を取ったものです:

VVolatility(変動性)…社会や市場の動きが予測できないほど激しく変わる状態。

UUncertainty(不確実性)…何が起こるかわからず、未来の見通しが立てにくい状態。

CComplexity(複雑性)…様々な要因が絡み合い、問題の構造が複雑になっている状態。

AAmbiguity(曖昧性)…情報があっても正解が見えにくく、判断が難しい状態。

 

VUCA時代においては、正解がひとつとは限らず、トップの判断だけに依存していては変化に乗り遅れてしまいます。

だからこそ、リーダーに求められるのは「巻き込み力」です。

現場も含めて、みんなで知恵を出し合い、考えながら前に進んでいく

そんな「集合知」を活かすマネジメントが重要になってきています。

集合知が活きる組織では、社員一人ひとりが「自分もこの組織をつくっている」という

「意識=自分事化」を持ちやすくなります。

そして、その自分事化は、主体性や自発性を自然と引き出すことにつながるのです。

 

■ 「関係の質」が組織の力を左右する

それでは、どうすれば集合知をうまく活かせる組織をつくれるのでしょうか。

その鍵となるのが、職場内の「関係の質」です。

 

こちらの図をご覧ください。

高度成長期には、「トップダウン型」の組織が主流でした。

これは、上司がすべてを決め、部下はそれに従うという一方向型のリーダーシップです。

スピード感と統率力に優れ、経済が右肩上がりの時代には非常に効果的でした。

次に登場したのが、「階級・軍隊型組織」です。

役職が明確に分かれ、上からの命令は絶対。

精神論や上下関係を重視し、「厳しさ」や「忠誠心」が美徳とされた時代です。

このスタイルは、組織を規律ある集団に保つという意味では機能しましたが、

現代のように個人の価値観が多様化する時代には不向きです。

その後、バブル期以降に台頭したのが、「成果型組織」です。

年功序列から脱却し、個人の業績に応じた評価や報酬を与えるスタイルです。

一見、合理的に思えますが、「結果だけを求められる」「数字に追われる」ことで、

チームワークが崩れたり、短期的成果に偏ったりするリスクがありました。

続いて広まったのが、「ボトムアップ型組織」です。

現場からの声や知恵を吸い上げて意思決定に反映させることで、柔軟で現実的な対応が可能になります。

しかし、現場の意見をまとめきれなかったり、方向性がばらばらになったりする課題も出てきました。

そして今、多くの企業が目指しているのが、「目的実現型組織」です。

これは、トップでも現場でもなく、組織全体が「共通の目的」に向かって協働するスタイルです。

社員一人ひとりが自社の理念・パーパスに共感し、「自分もその目的を実現する一員だ」と思えることで、

自然と自律的に動けるチームが生まれます。

これは企業全体でなくても、各職場が持つ目的やスローガンでも同じ意味を持ちます。

 

この目的実現型を支えているのが、社内の尊重や承認をベースとしたホスピタリティである、

インナー・ホスピタリティです。

つまり、職場の中でメンバー同士が安心して関われる“関係の質”です。

「意見を言えば否定される」「どうせ聞いてもらえない」という空気があれば、

どれだけ優れた組織構造でも、集合知は活かせません。

 

逆に、お互いの意見が尊重され、気兼ねなく発言できる環境では、自然とアイデアが生まれ、

行動につながり、成果にも結びついていきます。

よく、「うちのスタッフは主体性がない」「会議でも何も言わない」と嘆くリーダーがいます。

でもその背景には、「否定されるかもしれない」「どうせ変わらない」という経験の積み重ねがあることも多いのです。

つまり、主体性がないのではなく、主体性を引き出せない空気や文化ができてしまっている。

それをつくっているのは、リーダー自身かもしれないのです。

 

だからこそ今、リーダーには、インナーホスピタリティを意識した関係づくりが求められているのです。

そして実は、この「関係の質」を重んじる姿勢こそ、日本人が本来得意としてきた文化でもあります。

日本社会は古くから「個の主張」よりも「チームの調和」を大切にしてきました。

その精神は「和をもって貴しとなす」という言葉に象徴されるように、

「個」ではなく「和」の力で勝つという、独自の組織文化を形成してきたのです。

1990年代以降、日本企業にも成果主義の導入が進みましたが、必ずしも定着したとは言えません。

なぜなら、「成果で競わせる」という文化は、日本人の価値観や働き方に根本的にフィットしにくかったからです。

個人の成果よりも、チームで助け合いながら成果を出すことに心地よさや誇りを感じる――

それが日本人の強みであり、組織力の源泉なのです。

 

その観点からも、ホスピタリティという考え方は、実はとても日本人に合っていると考えられます。

「相手を思いやる」「和を尊ぶ」「人の気持ちに寄り添う」という文化の中で育ってきた私たちだからこそ、

インナーホスピタリティを起点としたチームづくり、組織運営は、十分に再現性のある道なのです。

 

■ 人的資本とは? そして、なぜ今それが重視されているのか

こうした考え方を後押ししているのが、今、企業や政府が注目している「人的資本経営」という視点です。

かつては「人件費=コスト」と考えられてきましたが、今では人こそが企業の価値を高める「資本」であると捉えられています。

2023年には、上場企業に人的資本の情報開示が義務化されるなど、国も積極的に後押しする流れになっています。

では、人的資本とは何か?

それは、社員が持つ「知識」「経験」「スキル」「人間性」「感性」など、人としての力すべてを含めた、

企業の未来を支える「目に見えない資産」です。

 

この人的資本を活かすには、評価制度や研修制度だけでなく、日常の「人間関係=インナーホスピタリティ」が土台になります。

誰もが安心して働ける環境、信頼と共感でつながる職場――

ホスピタリティが溢れる職場こそ、人的資本は本来の力を発揮するのです。

ザ・ホスピタリティチーム㈱では、心理的安全性向上、組織力強化、チームビルディングなど

ホスピタリティを組織運営活かす研修やコンサルティングのサービスを提供しておりますので、

お気軽にご相談ください。

オンラインセミナー情報!!

 ↓  ↓  ↓  ↓

https://thehospitalityteam.jp/seminar/

研修サービス

コンサルティングサービス

サービス業のプロが一人ひとりの価値を高め、成果に導く
ホスピタリティ経営・コンサルティング・セミナー・講演のことなら
ザ・ホスピタリティーチーム
ザ・ホスピタリティチーム株式会社

Team Mission Shining Everyday!

私たちは、特別な瞬間も、日常の時間も、
わくわくきらきら輝かせる為に存在しています。

私たちについて