2024.03.10
マネジメントコラム
ハラスメントの未防にホスピタリティが効果的な理由!
ある経営者からの相談です。
「職場のハラスメントを無くす為に何をしたら良いのでしょうか?」
最近、このような相談も増えてきました。
ハラスメントとは、特定の個人やグループに対して、嫌がらせ、威圧、または不快感を与える行為や言動のことを意味します。
そして、ハラスメントにはさまざまな種類がありますが一般的なものを挙げさせていただくと、
◆パワーハラスメント(パワハラ)
パワーハラスメント(パワハラ)は、職場における地位などの優位性を利用し、職務上与えられた範囲を逸脱して、
部下や同僚に精神的・肉体的苦痛を与えることを指します。
このパワハラが原因で、退職やうつ病に追い込まれる事案も多く、会社や上司を相手取った訴訟も増加傾向にあります。
企業にとっても最も予防・解決に注力すべきハラスメントであると言えます。
◆セクシャルハラスメント(セクハラ)
セクシャルハラスメント(セクハラ)は、性的な言動を通して、相手を不快にさせる嫌がらせを指します。
性的な関係を要求されて断ったところ、不当な処遇を受けるといった事案もセクハラに該当します。
主に女性が被害者になることが多いですが近年では、男性が被害者になるケースや同性同士のトラブルなども増加しており、セクハラも多様化しています。
◆マタニティハラスメント(マタハラ)
マタニティハラスメント(マタハラ)は、妊娠中や産前産後の女性に対し、就労環境を害するような言動や、福利厚生制度の利用を阻害させるような扱い、
異動や降給などの人事上の不当な扱いをおこなうことを指します。
近年においては、男女雇用機会均など法や育児休業法の整備が進み、コンプライアンスにおいても、留意すべきハラスメントの類型といえるでしょう。
これらはごく一部であり、ハラスメントも多様化しており様々なケースが生じています。
このようなハラスメントに関して従業員から会社に申告があると、ハラスメントを起こした当事者への注意喚起や、
場合によっては異動による配置転換、場合によっては居づらくなって退職といったことも発生し兼ねません。
唯でさえ人員不足のサービス業においてハラスメントは企業運営の大きなダメージとなる要素となっているのが現実です。
そもそも、これらのハラスメントが発生する原因は、
上司と部下の「関係の質」の低さが要因になっているケースが圧倒的に多く、
殺伐とした職場環境からちょっとした言動や行動がハラスメントに繋がっているのが現実です。
このようなハラスメントに対して企業側も、
・ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発。
・ ハラスメントが起こった際の起こした当事者への罰則規定を策定。
・管理職へのハラスメント研修の実施。
といった対策を講じています。
これはこれで大切であり、ある程度の抑止力にはなると思いますが、対処療法に過ぎず、根本的な解決には至りません。
実際、このような策を講じた企業でもハラスメントは無くなるどころか、上司が部下に対して腫れ物に触るような関わり方になってしまい、
還って、ハラスメントに敏感になり過ぎて、部下とのコミュニケーションは希薄となり、逆にハラスメントに繋がりやすくなるという悪循環を引き起こしています。
そうなってしまっている原因としては「やってはいけないこと」ありきで、
「これを言ったらハラスメントに抵触するかもしれない」、
「業務以外の部下とのコミュニケーションを取るのはハラスメントのリスクがあるので避けよう」
といった、部下との関わりに対して後ろ向きにしてしまっているからです。
そこで、ハラスメントの未防に効果的なのは職場への「ホスピタリティ」の浸透です。
ホスピタリティは顧客へのもてなしや厚遇をイメージしがちですが、実はすべての人間関係に介在し、
相手に対する尊重や承認をベースとした思いやりや気遣い、真心を指し、
相手に貢献することによる自分の喜びを意味します。
そして、ホスピタリティをベースとしたマネジメントとは、
上司から部下へのホスピタリティの提供により部下の心を満たし、職場の心理的安全性を高め、
部下の輝きで生産性を最大化するマネジメントです。
したがって、上司が部下に「してはいけないこと」ではなく、
「部下の心を満たすこと」に主眼を置いたマネジメントを前提としています。
具体的には、交流分析のストロークという「相手を心地よくする心理学」をベースとした、
「感謝を伝える」「褒める」「積極的な対話をする」といった、部下の心の栄養を満たす行動・言動・態度を
上司の思考と行動習慣にすることを意味します。
ストロークを上司が意識することで、部下の心のコップが満たされ、上司と部下の関係の質が高まり、
上司の多少失言があっても、ハラスメントまでは発展しないようになります。
このような事からも分かるように、ハラスメントの多くは部下側の「心のコップに栄養が満たされていない状態」に生じることが多く、
上司が部下に対するホスピタリティを意識すること、心の栄養を満たすことが、ハラスメントの未防に繋がります。
また、部下側にとってもホスピタリティを職場の共通価値とすることで、自分の権利や主張ばかりではなく、
上司や仲間を思いやる気持ちが芽生え、ハラスメントに対する考え方も変わります。
いかがでしたでしょうか?
ハラスメントを防ぐために相手に「してはいけないこと」といったリスクを考えるよりも、
ホスピタリティをベースとした、相手が「どうしたら喜ぶのか」を考えたほうが、
前向きになれて、プラスの影響が組織に生じることは間違いありません。
ザ・ホスピタリティチーム(株)では、職場のハラスメントを未防するホスピタリティの研修、コンサルティングのサービスを提供しておりますので、
お気軽にお問合せください。
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