2024.11.17
マネジメントコラム
エンゲージメントサーベイ成功の鍵 ~ 働くみんなが愛する職場をつくる ~
最近、企業の取り組みとして実施する企業が増えている、「エンゲージメントサーベイ」。
そもそもエンゲージメントとは、
従業員が職場や組織に対して持つ心理的な結びつきや愛着、積極的な関与の度合いを意味します。
もっとシンプルに言うと、社員が「この会社や仕事に貢献したい」「ここで働くことが自分にとって意味がある」
と感じている状態です。
そして、従業員満足度との違いは、
ES(従業員満足度)は、従業員が職場環境や福利厚生に対してどれだけ満足しているかを表します。
これに対してエンゲージメントは、満足だけでなく、「組織に貢献したい」「やる気がある」という
主体的な気持ちが含まれます。
ひと言で言うと、従業員満足度( ES)は「職場環境」、エンゲージメントは「職場における行動意欲」
ということになります。
そして、このエンゲージメントを企業が重視するようになった理由としては、
1.人材の多様化と働き手の価値観の変化
以前は「給与」や「安定」が働く理由の大きな要素でしたが、現代では「自己実現」「働きがい」「やりがい」
が重視されるようになりました。
特にミレニアル世代やZ世代は、会社への貢献や社会的な意義を感じられる仕事を求める傾向が強くなっています。
その上で、企業は従業員が自発的に組織に貢献したいと思えるような環境を作らなければ、
優秀な人材を引き留められなくなっています。
2.人材流動性の増加
終身雇用が終息を迎え、人材の流動性が高まる中、優秀な人材の定着が企業の課題になっています。
その上で離職率が高い企業は、採用・教育にコストがかかり、競争力が低下します。
エンゲージメントが高い従業員は会社に愛着を持ち、離職する可能性が低くなるため、
エンゲージメントが重視されるようになりました。
3. 組織の競争力強化の鍵
企業間競争が激化する中、従業員のエンゲージメントが生産性向上やイノベーションの原動力になることが分かっています。
Gallup社の調査によると、エンゲージメントが高い組織は、売上や利益率が高いだけでなく、
事故率や欠勤率も低いことが示されています。
従業員の自発的な行動や創造力が、競争優位を築く重要な要素となっています。
このような理由からエンゲージメントを重視する企業が増えており、
組織や仕事に対する愛着や積極的な関与の度合いを測定するためのアンケート調査が
エンゲージメントサーベイです。
企業が従業員の声を収集し、エンゲージメントの状態を把握して改善に活かす目的で実施されます。
具体的なエンゲージメントサーベイの設問としては、
◆仕事のやりがい・満足度
・「現在の仕事に満足していますか?」
・「毎日、自分の仕事にやりがいを感じていますか?」
◆組織との信頼関係
・「組織のビジョンやミッションに共感していますか?」
・「経営陣は社員の意見を尊重していると感じますか?」
◆上司との関係
・「上司は私の意見や提案を積極的に聞いてくれますか?」
・「上司は私の成長を支援してくれていますか?」
◆心理的安全性
・「職場で自分の意見を自由に言えると感じますか?」
・「失敗しても許され、学びにつながる環境がありますか?」
◆待遇や福利厚生
・「給与や福利厚生に満足していますか?」
・「現在の勤務時間や勤務形態は適切だと感じますか?」
など多岐に亘り、これらの設問に対して、
定量的質問では、5段階評価で「全くそう思わない」~「非常にそう思う」でチェック、
自由記述では、従業員の具体的な声を収集し、改善施策のヒントにするというものです。
もう一方で、エンゲージメントサーベイは、人的資本経営のKPI(重要業績指標)として有効です。
従業員の満足度や組織への貢献意欲を数値化し、生産性向上や離職率低下の実績として外部に公開することで、
企業の透明性と信頼性を高め、投資家や求職者からの評価向上につながります。
このようにエンゲージメント、それを測定するエンゲージメントサーベイの重要性は理解できるのですが、
問題は、このサーベイのやり方と改善に向けた取り組み方法です。
多くの企業の場合、これらの設問項目の悪い項目にフォーカスして、改善方法模索するのですが、
例えば、「給与や福利厚生に満足していますか?」の質問に対しての評価が低ければ、
給与や休日を増やすしかありません。
そして、それが実現したとしても、一瞬、サーベイの評価は上がるかもしれませんが、
またしばらく経つと、更なるアップを要望するようになり、キリがありません。
したがって、今のエンゲージメントサーベイの課題は、
従業員サイドが会社を評価する「評論家」になってしまっているという点です。
そもそもエンゲージメントは冒頭で解説させていただいた通り、
従業員が職場や組織に対して持つ心理的な結びつきや愛着、積極的な関与の度合いです。
つまり、もっと分かり易く言うと従業員と会社が「相思相愛」になるということを意味します。
したがって、「会社VS従業員」ではなく、「会社WITH従業員」の視点が重要であり、
会社が従業員に評価を問うだけでなく、会社と従業員が一緒になって、
より良い組織をつくり、エンゲージメントを上げる施策を一緒に構築する発想が重要です。
それでは、どのようにすれば、会社と従業員が一緒になってエンゲージメントを上げるっことができるのでしょうか?
そのエンゲージメントを上げるのに効果的なのが「企業内のホスピタリティの共通価値化」です。
エンゲージメントサーベイの設問で多いのが、「関係の質」によるところです。
「職場の人間関係」
「上司との関係」
「経営者との人間関係」
「職場の心理的安全性」
これらは、対象者との関係性による満足、不満足がエンゲージメント評価に大きな影響を与えています。
その上でホスピタリティは「相手への尊重や承認をベースとした思いやりや配慮、気遣い」を意味します。
企業全体で、その重要性を共有し、経営者から一般社員まで、このホスピタリティという価値観を大切にすることで、
企業全体の「関係の質」が向上し、エンゲージメントが上がります。
しかも、会社からの一方的な施策ではなく、会社サイドと従業員サイドが一緒に、
良い会社、職場をつくる機運を高め、「共創」により相思相愛の関係性が構築できるのです。
実際、企業のエンゲージメント向上を目的とした「ホスピタリティ」に関する研修等のご要望も増えており、
研修を通じて、相互尊重、相互理解を通じてお互いを分かり合う重要性を実感していただいています。
ザ・ホスピタリティチーム(株)では、エンゲージメント向上に関する研修・コンサルティングのサービスを
提供しておりますので、お気軽にご相談ください。
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