なぜ、部下は力を発揮できないのか? ~人と組織の力を引き出す4つの要素~

2026.08.26

なぜ、部下は力を発揮できないのか? ~人と組織の力を引き出す4つの要素~

マネジメントコラム

「もっと主体的に動いてほしい」

「能力はあるはずなのに、なかなか力を発揮してくれない」

「最近の若い社員は、仕事への意欲が低いように感じる」

                                                                                           

リーダーの皆さんから、このような声を聞くことがあります。

                                                                                            

そんな時、私たちはつい、

「本人のやる気の問題ではないか」

「もっと仕事に対する意識を高く持ってほしい」

と考えてしまいます。

                                                                                                  

しかし、本当に本人の「やる気」だけの問題なのでしょうか。

私は、人が仕事で力を発揮するためには、本人の能力や意欲だけではなく、

「その人が力を発揮したくなる土壌」が必要だと考えています。

ザ・ホスピタリティチームでは、その土壌を考えるうえで、大きく4つの要素があると考えています。

                                                                                            

それが、

① 人・関係
② 仕事・貢献
③ 意味・理念
④ 働く環境

という、「人と組織の力を引き出す4つの要素」です。

                                                                                                  

そして、この4つを考えていくと、私たちがこれまで大切にしてきた「ホスピタリティ」が、

お客様への接客だけではなく、働く人の力を引き出し、組織の力へと変えていくマネジメントにも深く関係していることが見えてきます。

                                                                                             

① 人・関係――「誰と、どんな関係で働くのか」

ひとつめは、「人・関係」です。

「仕事内容は好きだったけれど、人間関係がつらくて辞めた」

という話を聞く一方で、

「仕事は大変だけれど、この仲間と一緒だから頑張れる」

という人もいます。

                                                                                           

働くうえで、「誰と働くか」「どのような関係の中で働くか」は、とても重要です。

上司が自分のことを理解しようとしてくれる。

困った時に相談できる仲間がいる。

失敗しても責めるだけではなく、次に向けて一緒に考えてくれる。

自分の考えや意見を安心して言える。

こうした信頼関係があることで、人は安心して自分の力を発揮できるようになります。

私たちは、この領域を「インナーホスピタリティ」と呼んでいます。

                                                                                           

インナーホスピタリティとは、社内で働く仲間同士が互いを尊重し、

相手の立場を理解しながら、より良い関係を築いていくことです。

ホスピタリティというと、「お客様に向けるもの」と思われがちですが、

その前に大切なのは、一緒に働く仲間へのホスピタリティです。

職場の「関係の質」が高まれば、相談や意見が生まれ、協力しやすくなり、一人ひとりが持っている力を発揮しやすくなります。

そして、個人の力がつながることで、チームとしてより大きな力を発揮できるようになるのです。

                                                                                             

② 仕事・貢献――「自分の仕事は誰の役に立っているのか」

ふたつめは、「仕事・貢献」です。

世の中には、仕事そのものに強い憧れを持ちやすい職業や企業があります。

「ホテルで働くことが夢だった」

「大好きな音楽に関わる仕事がしたい」

「憧れていたブランドで働きたい」

こうした仕事そのものの魅力は、働くうえで大きな力になります。

                                                                                             

しかし、すべての人が、最初から憧れていた仕事に就いているわけではありません。

私たちの生活や社会に欠かせない仕事であっても、

その仕事の魅力や意味を十分に実感できずに働いている人は少なくありません。

だからこそ私は、「仕事そのものの魅力」だけではなく、

「その仕事によって誰かに貢献できる魅力」が重要だと考えています。

例えば、サービスエリアで商品を販売する仕事も、

「商品を並べて、レジを打つ仕事」

と捉えるのか、

「旅をするお客様に、その土地ならではの楽しさや、ほっとする時間を届ける仕事」

と捉えるのかでは、仕事の意味は大きく変わります。

                                                                                            

「自分の仕事によって、お客様が喜んでくれた」

「自分の仕事が誰かの役に立った」

という貢献実感は、働く人自身の喜びや、仕事への誇りにつながります。

これが、私たちの考える「カスタマーホスピタリティ」です。

                                                                                           

カスタマーホスピタリティとは、単に丁寧な接客をすることではありません。

お客様の立場に立ち、その人にとって何が喜びや価値になるのかを考え、自ら行動すること。

そして、その結果として生まれたお客様の喜びが、働く人自身の喜びにもなる。

私たちは、「お客様に貢献することが自分の喜びになる」ことが、

仕事へのやりがいや誇りを生み出す大切な力になると考えています。

                                                                                            

③ 意味・理念――「何のために働くのか」

三つめは、「意味・理念」です。

人は、ただ目の前の仕事をこなすだけではなく、

「私たちは何のためにこの仕事をしているのか」

「この会社は何を実現しようとしているのか」

「自分たちの仕事は、社会にどんな価値を生み出しているのか」

が見えることで、仕事に意味を感じやすくなります。

                                                                                           

会社の理念やパーパスに共感し、

「自分もその実現に関わりたい」

と思えることは、働くうえでの大きな力になります。

私たちは、この領域を「ソーシャルホスピタリティ」と呼んでいます。

                                                                                             

ソーシャルホスピタリティとは、自社や自分たちの仕事が、地域や社会、未来にどのような価値を提供するのかを考え、

社会とのより良い関係を築いていくことです。

理念を単なる額縁の中の言葉にするのではなく、

「私たちは、この仕事を通じて誰を幸せにしたいのか」

「どんな社会をつくることに貢献したいのか」

まで働く一人ひとりが理解し、自分自身の仕事と結びつける。

それによって、日々の仕事が単なる「作業」ではなく、自分たちが目指す未来につながる仕事へと変わっていきます。 

                                                                                            

④ 働く環境――「安心して力を発揮し続けられるか」

そして四つめが、「働く環境」です。

どれだけ人間関係が良くても、仕事にやりがいを感じていても、会社の理念に共感していても、

「子育てと両立できない」

「働く時間の選択肢がない」

「待遇に納得できない」

「安心して働き続けられる制度がない」

という状態では、持っている力を発揮し続けることは難しくなります。

                                                                                        

勤務時間、休日、給与、福利厚生、柔軟な働き方、職場環境などは、ホスピタリティそのものではありません。

しかし、インナー・カスタマー・ソーシャルという3つのホスピタリティを機能させるための大切な基盤です。

働く人が安心して働き続けられる環境があってこそ、人は持っている力を十分に発揮することができます。

                                                                                           

■「部下のやる気」の問題にする前に

ここまで見てくると、部下が力を発揮できていない時に、

「もっとやる気を出してほしい」

「もっと主体的になってほしい」

と本人だけに求めても、問題が解決しない理由が見えてきます。

                                                                                             

もしかすると、上司や仲間との関係に不安を抱えているのかもしれません。

自分の仕事が誰の役に立っているのか、実感できていないのかもしれません。

会社が何を目指しているのか、自分の仕事とどうつながっているのかが見えていないのかもしれません。

あるいは、働き方そのものに無理があるのかもしれません。

                                                                                              

だからリーダーには、ぜひ一度、自分の職場を4つの視点から見てほしいと思います。

① 部下が安心して力を発揮できる「人・関係」があるだろうか。
② 自分の仕事による「仕事・貢献」の喜びを実感できているだろうか。
③ 何のために働くのかという「意味・理念」が共有されているだろうか。
④ 安心して働き続けられる「働く環境」が整っているだろうか。

「部下に何が足りないのか」と考えるのではなく、

「部下が力を発揮するために、私たちの組織に何が足りないのか」

という視点を持つ。

これも、これからのリーダーに求められる大切なマネジメントではないでしょうか。

                                                                                            

■ホスピタリティは、人と組織の力を引き出す

ホスピタリティは、お客様に笑顔で接することや、丁寧なサービスを提供することだけではありません。

人との関係を良くし、一人ひとりの力を引き出す「インナーホスピタリティ」。

仕事を通じてお客様への貢献を生み出し、それを働く喜びにつなげる「カスタマーホスピタリティ」。

自分たちの仕事を社会への価値や存在意義につなげる「ソーシャルホスピタリティ」。

この3つのホスピタリティがつながることで、

「この会社で、この仲間と、誰かの役に立つ仕事がしたい」

という働く人の力が引き出されていきます。

                                                                                             

そして、その土台として、安心して働き続けられる環境を整えていく。

私たちザ・ホスピタリティチームでは、ホスピタリティを単なる「おもてなし」や「接客」の考え方ではなく、

人と組織の力を引き出し、顧客や社会への価値、そして企業の成果へとつなげていくマネジメントの力だと考えています。

部下が力を発揮できていないと感じた時、

「本人のやる気」の問題にする前に、

「その人が力を発揮できる土壌を、私たちはつくれているだろうか?」

と考えてみる。

                                                                                           

そこに、部下の力を引き出すヒントがあるのではないでしょうか。

                                                                                       

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

「もっとメンバーが主体的に動く組織にしたい」

「職場の人間関係やチームワークを良くしたい」

「一人ひとりが仕事にやりがいや誇りを持ち、お客様により良い価値を届けられる組織をつくりたい」

そのためには、一人ひとりの意識やスキルだけを変えようとするのではなく、

まず働く仲間同士の関係の質を高め、一人ひとりが持っている力をチームの力へと変えていくことが大切です。

                                                                                          

ザ・ホスピタリティチームでは、社内のホスピタリティを高め、互いを理解し、組織の目的を共有しながら、

メンバー一人ひとりが主体的に力を発揮できるチームづくりを目指す「ホスピタリティチーム構築研修」をご提供しています。

部下の力をもっと引き出したい。

チームの関係性を高めたい。

そして、働く人の喜びを、お客様の喜びへとつなげていきたい。

そんな組織づくりをお考えの方は、ぜひ研修内容をご覧ください。

 

ザ・ホスピタリティチーム株式会社

代表取締役/ホスピタリティコンサルタント

船坂 光弘

                                                                                        

ホスピタリティチーム構築研修

ホスピタリティ型組織構築プロジェクト

                                                                                               

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