2020.11.19
マネジメントコラム
あなたの組織はどのタイプ?「サービス業の効果的なマネジメントスタイルとは?」
スポーツの世界ではリーダーの戦略やマネジメントによって、チームのスタイルが大きく変わります。
例えば、野球で言えば、点を取られない守りのチームにするのか、
ホームランを打てる攻撃的なチームにするのかといった戦略の違いで練習内容も大きく変わります。
監督やコーチのマネジメントにおいても、選手の管理を重視するのと、自主性を重視するのとでは、出来上がるチームは大きく変わります。
これはスポーツの世界だけでなく、ビジネスの世界でも全く同様であり、
リーダーの戦略やマネジメントスタイルで組織が全く違うものになるということを認識しておく必要があります。
従って、あなたが組織の目標達成する為にリーダーとして、
どのような「戦略」で、どのようにメンバーを「教育」して、
どのような「組織」を目指すかによってマネジメントスタイルは変わるということになります。
それでは、どのような組織・マネジメントスタイルが目標達成に効果的なのでしょうか?
一般的に組織は5つのタイプに分けることができます。
➀ トップダウン型組織
リーダーが絶対的な権限を持ち、組織を支配的に運営するスタイルです。疲弊した組織を立て直す時などには効果的なマネジメントスタイルと考えられています。
➁ 階級・軍隊型組織
上意下達で役職の階級に基づく序列によって、組織は管理されます。統率や管理を重視する製造業や大人数の組織を管理するには効果的です。
➂ 成果型組織
階層構造は持ちながら、成果を上げたスタッフは評価を受けられる組織スタイルです。個人で売上目標があるような営業部門などでよく見られます。
➃ ボトムアップ型組織
組織内で共有された価値観や文化を基に現場への権限移譲が進む組織スタイルです。
現場や一般スタッフの意見や意向が尊重される為、顧客との接点が現場にある業態で効果的です。
➄ 目的実現型組織
自社と個人の目的を実現する為にルールや仕組みを活用し、共鳴しながらスタッフが自主的に関わる組織スタイルです。スタッフの創造性を発揮するようなクリエイティブな仕事、自社だけではなくフリーランスと提携してプロジェクト化するような職種に適しています。
これらの中で接客・サービス業において、私の経験上、一番成果が出せている組織スタイルだと感じるのは「ボトムアップ型」、
「目的実現・次世代型組織」です。
私の経験においても、ホテルの婚礼支配人だった時代に、まさに私は「トップダウン型・支配型組織」を築いていました。
上意下達で、部下は私の言うことを聞いてくれて、自分もリーダーらしい仕事をしているという実感もあり、
このスタイルに自己満足をしていました。
しかし、残念ながら結果は伴いませんでした。
自分だけ忙しく、指示待ちのスタッフ達の中で、「何で自分は大変な想いをしているのに、もっと部下は動いてくれないんだ」
と部下に不満を持っていました。
しかしそれは、「私が部下をそうさせるマネジメントをしていたから」に過ぎませんでした。
それに気付いた私は、トップダウン型・支配型組織に見切りをつけ、一気にボトムアップ型組織への転換に舵を切ります。
顧客接点の最前線にいるスタッフにから意見を吸い上げ、商品開発や販売戦略に生かし、
自分の抱えていた仕事もメンバーに割り振り、権限も委譲して私はフォロー役に徹しました。
そして「目的実現型組織」にある、メンバー一人ひとりの仕事の目的である「なりたい自分」と会社の目標とを繋ぎ合わせ、
メンバーの仕事における自己実現の為に、なりたい自分シートや定期面談を活用しながら、
メンバーをサポートする仕組みを構築しました。
このような取り組みが功を奏して日本一のプロジェクトが実現できたと実感しています。
これからの時代の接客・サービス業は、スピードの速い時代変化に対応する為に、
顧客接点の最前線で活躍しているスタッフの意見や考えをどう戦略に生かすかが重要となります。
また、接客サービスにおいても、どのお客様にも同じサービスを提供する定型型サービスではなく、
それぞれのお客様のニーズに合わせて、スタッフ自らがそのお客様のことを考え、
そのお客様に適応したサービスを提供する創造力が求められます。
その為には、今の組織のスタイルを見直し、自組織の目標達成の為に接客・サービス業に適したマネジメントを
実践することが重要です。
(参照:実務でつかむ!ティール組織 吉原史郎氏/大和出版)
本コラムの内容も含めて、サービス業の効果的なマネジメントが解説されている著書、
「接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと」がPHP研究所より発刊されています。
よろしければ是非、ご一読ください。
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