会社は社員の生きがいを実現する場

先日、あるテレビ番組で、タマノイ酢の播野社長が出演されていました。

タマノイ酢は、パソコンを1人1台ではなくあえて共用にして、

スタッフ同士のコミュニケーションを図っていたり、

新入社員に自社の商品に対する指摘を幹部にプレゼンさせたり、

突然、大きな人事異動をしたりと独自のマネジメントで、オンリーワンを確立している企業です。

その中で播野社長の気になる言葉がありました。

それは、「会社は社員の生きがいを実現する場」である。

人はよく会社の大切な経営資源と言いますが、人は資源という考え方ではなく、

「人が会社を生きがいを実現する場」として活用するという考え方です。

今の世の中、会社の経営を存続する為に、あるいは社員の雇用を守る為に、目の前の売上、

利益の確保に翻弄しざるを得ません。

しかし、それを追い求めれば追い求めるほど、どこか何かがすさんでいくという気持ちになる。

何か、今の日本の現状ではないかと思います。

日本は先進国であり、他の国より色んな面で恵まれているはずなのに、どこかギスギスした不安に

覆われている気がしてなりません。

それは、少子高齢化によるマーケットの縮小であったり、他国の影響で景気や環境が

変わってしまったり・・・。

将来に対する不安は誰もが持っています。

「会社は社員の生きがいを実現する場」であり、収益を上げることは手段であり、

会社の役割ではない。

播野社長の言葉は、これから日本が目指すべき企業のあり方が語られているような気がします。

最近、働き方改革ということを言われてきて、働き方も多様化に向けて進んでいます。

「社員の生きがい」を知り、それを会社がサポートする。

そいうった金銭的報酬以外の精神的報酬の拡充が求められる時代です。

社員の生きがいを高めながら経営をどう成り立たせるかが経営者に求められる時代ですね。

 

 

 

 

 

組織のムードが生産性、顧客満足度(CS)、従業員満足度(ES)を上げる

サービス産業において、組織のムードの重要性についての認識が薄い印象を持ちます。

ムードの良い組織と悪い組織は以下のような特徴があります。

〇ムードの良い組織

・スタッフが明るい

・スタッフが元気

・チームワークが良い

・風通しが良い

・連携が取れている

 

×ムードが悪い組織

・スタッフが暗い

・スタッフが元気がない

・チームワークが取れていない

・ギクシャクしている

・嫌な雰囲気が漂っている

 

このような事からも組織のムードによって業績に影響を及ぼすことは明快ですし、リーダーの皆さまは、組織のムードという観点をマネジメントの課題として見据えていただく必要があります。

特にサービス産業においては、バック部門と接客スペースが殆どの場合、繋がっているケースが多く、組織の雰囲気や空気は、そのまま接客スペースに漂っています。

 

皆さまも過去の顧客経験から、店の雰囲気に対して冷たく感じたり、空気が淀んでいると感じた経験があるのではないでしょうか?

 

従って、組織のムードが悪いのに、お客様にだけ最高のサービスを提供できるわけがありませんし、スタッフのモチベーションややる気も組織のムードに直結する部分が少なからずあるという点もリーダーは理解する必要があります。

私の過去の経験からすると、

『笑顔の多い組織はお客様に対する笑顔が全体的に良い』

『リーダーがいつも笑顔の組織は、部下も笑顔が良い』

『笑顔の多い組織はサービスと業績が良い』

といった明らかな傾向があります。

 

それにはリーダー自らが笑顔で居ることが重要です。

 

ホスピタリティは、他者に貢献することによる自分の喜びを意味します。

それは、お客様だけではなく、スタッフ同士、上司部下においても同じことが言えます。

お互いを思いやり、気遣い、声掛けをし合うことは、スタッフ同士の他者貢献に繋がり、それは、組織に貢献していることによる自分自身の喜びに繋がっています。

つまり、従業員満足度(ES)、生産性向上にも直結していることを意味します。

 

そして、そのようなムードの良い組織環境に居るスタッフから提供されるサービスは、笑顔やホスピタリティに溢れた、お客様想いの最高のサービスとなり、顧客満足度(CS)、顧客ロイヤリティに直結しています。

 

つまり、その『組織のムード』が『業績に直結』するということです。

 

しかし、その組織のムードのあり方について、あまり考えていないリーダーが多いように思いますし、やはり、そのムードに大きな影響を及ぼしているのはその組織のリーダーであることは間違いありませんので、大いに自覚を持っていただく必要があります。

〇常に明るく元気でいること

〇話しかけられる余裕があること

〇笑顔でいること

〇スタッフに積極的に声を掛けること

リーダーが率先してすることで組織のムードが格段に変わりますよ。

 

ご自身の組織のムードはいかがですか?

 

 

 

 

 

スタッフが「誇り」を持って働く企業の特徴

私は、年間約200日は出張しておりますし、

年間100泊以上はホテルに宿泊しています。

その中で、様々な顧客体験(お客様体験)をするのですが、

「ホスピタリティの高いサービスをするところとしないところの差」について

日々考えます。

その「差」の大きな要素のひとつは「その仕事に誇りを持っているかどうか?」

です。

仕事に誇りを持っている人は、

〇 イキイキとして仕事をしている

〇 自信を感じる

〇 モチベーションが高い

といった特徴があります。

それは、個人から感じることもあれば、企業全体から感じることもあります。

その企業のひとつが大阪にあるホテルリッツカールトンです。

私の中で、ホテル全体から誇りを感じた数少ないホテルです。

もうひとつは、本にもなっていますが、東京駅の「新幹線清掃チーム」の

「テッセイ」です。

ホームの入ってくる新幹線、出発した新幹線を深々とお辞儀をして見送る姿、

折り返し運転の為、7分という限られた時間で完璧に清掃をする手際の良さ、

清掃をして終わりではなく、清掃後の新幹線の乗客ひとりひとりをお迎えを

している姿、そして、夏はアロハシャツや浴衣といったコスチュームでも

お客様を楽しませてくれます。

その様子は海外メディアにも大きく取り上げられたほどです。

清掃以外の仕事をしたところで、収入が増える訳でもないのに、

何故、そこまでするのか?

やはり、そこには社長の考え方が大きく関係をしていました。

「私たちの商品は清掃ではなく、旅の想い出を作ることである。」

自分達の仕事は、清掃だけではなく、お客様に気持ちよく新幹線をご利用いただき、

かけがいのない旅の想い出を作ってもらうこと。

この考え方がスタッフの意識や行動を変え、仕事にやりがいや誇りを生ませた。

と本には書かれています。

やはり、「新幹線の中をきれいにすることは手段であり」、

目的は、それを通じて、お客様のかけがいのない想い出を自分たちが作る。

このことを軸にしているので、次のお客様のお迎えやコスチュームの工夫も納得

できます。

仕事の「意味」や「意義」を理解することで、そこに「共感」が生まれ、

それが大きな経営の力となるということを立証している例です。

先のリッツカールトンも「クレド」という理念、指針を愚直に遂行しているし、

ディズニーも「ゲストの幸福が私たちの幸福になる」というビジョンがあります。

この3社に共通しているのは、「仕事の意味・意義」が浸透して、それがスタッフの

行動に落とし込まれている点、そして、それがスタッフのやりがいや誇りに繋がっている

点です。

あなたの会社は、仕事の意味、意義がスタッフにきちんと伝わっていますか?

それが、スタッフの「力」となり、会社の原動力になっていますか?