サービスの特徴とは?

成熟社会の中で、モノは溢れ、物質的な満足ではなく精神的な満足へ時代が移り変わる中、顧客も「モノ」を購入するという観点よりも、その「モノ」が提供される過程の「サービス」に付加価値を感じて購入するケースが増えています。

つまり、 プロダクト力 < サービス力 という構図になりつつあります。

飲食店でも、ただ美味しい料理が運ばれるよりも、その料理の食材のこだわりや、料理長の想いをスタッフがきちんと説明した上で提供されたほうが価値を感じますし、そこに例えば、サービススタッフが、熱々のスープをその場でかけて仕上げるといったプロセスがあると、より付加価値を感じます。

雑貨のような書籍店「ヴィレッジバンガード」も、雑貨や本というモノを提供するスタンスではなく、スタッフの独特の手書きによるPOPで、その商品に対するこだわりや想いを面白おかしく表現して、付加価値を提供している事例です。

従って、これからの時代で重要なのは商品を磨くことよりも、サービス力を上げることであり、サービスの特徴を十分理解しておく必要性があります。

サービスには4つの特徴があります。

①無形性・・・サービスにはカタチも在庫もありません。

②同時性・・・サービスが生産されたと同時に消費している、サービスの需要と供給が同時に行われています。

③変動性・・・全ての顧客に同じサービスを提供することが困難で、顧客によって、スタッフの対応などの条件が変動します。

④消滅性・・・カタチに残らずに、サービス終了とともに消滅してしまいます。

また、サービスの品質的特徴は、

製造業・・・内部の絶対基準で品質や生産性が決まる。=絶対的

サービス業・・・顧客とのやり取りの中で品質や評価が決まる。=相対的

このようなサービスの特徴を経営者だけでなく、現場も十分理解し、商品づくり、サービスづくりをしていく必要性があります。

これらを見ても分かるように、サービスは顧客に応じて変動して、カタチが無く、残らずに消滅してしまいます。

だからこそ「顧客のサービスを受けた印象」が、満足度と直結しており、その印象如何によって、次回利用するかどうかが決まるといっても過言ではありません。

顧客に良い印象を持ってもらうには、

〇自社のサービスの独自性とは何か?

〇自社のサービスの付加価値とは何か?

〇お客様に何を約束すべきか?

〇どんな人に利用してもらいたいか?

を明確にしなければ、印象に残らない無難なサービスになりますよね。

あなたの会社の「サービス」は顧客の印象に残るサービスになっていますか?

 

 

 

 

日本の全産業はサービス産業化する

今、日本の産業の約75%は第三次産業であるサービス産業です。

私が小学校の時に教わった1970年代は、第一次産業である農林水産業が10%、第二次産業である工業が50%、第三次産業が40%という感じで、第二次産業が日本の中心産業でした。

それがこの約40年で大きく産業構造は変わり、約8割がサービス産業となっています。

つまり、それだけサービス業に従事している方が増えているので、サービスというものに高い関心と厳しい目線を持っている点、また、消費者もそれだけ「サービス」という機会に触れることも多く、サービスに対する期待値も確実に上がっています。

従って以前と同じサービス、もっと言えば、昨年と同じサービスを提供していたのでは時代遅れとなってしまい、時代に取り残されてしまう世の中です。

そして産業に関して言えば、最近では第6次産業という考え方も出てきました。

これは、第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売や観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むことを意味しており、今村奈良臣・東京大学名誉教授が提唱ししました。

つまり農業に従事している方も農作物を生産するだけに留まらずに、それをサービスに変えて、観光農園のように、収穫体験を楽しんでいただくサービスを提供することにより、生産者が顧客接点を持ち、作り手の想いやこだわりを知ってもらうことで、消費者は付加価値を得るといった、生産者にとっても消費者にとっても様々な喜びに繋がっています。

このように、これからの時代は「モノを得ることに対する物質的満足」ではなく、「モノを通じてどのような精神的満足度が得られるか」が求められる時代です。

そういう点では「良いモノを作れば売れる」時代は終わり、それを如何に「サービス」を通じて付加価値を提供できるかが求められます。

このように現代においては、以前のような産業の境界線はなくなってきおり、そのすべての産業がサービス産業化しているという認識を持つべきであり、商品作りから顧客にサービスとして提供するまでのプロセスをトータルで考える必要があります。

皆さまの会社では、商品づくりから提供までストーリー化されていますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

お客様と信頼関係をつくる4つのステップ

お客様と信頼関係をつくることはビジネス上では大きな意味を持ちます。

特に、住宅、家、車、結婚式、指輪などの高額商品を販売する際には、いくら商品が良くてもスタッフとお客様との信頼関係がなければ購入まで至りません。

特に、初めて来店をされたお客様を接客することを新規接客といいますが、初対面でありながら限られた接客時間の中で、商品を魅力的に説明をすることはもちろんのこと、「この人にお願いしたい!」と思ってもらえる信頼関係を築くことは重要なファクターです。

それでは、お客様との距離を縮めて信頼関係を築く上で大切なことはどんなことなのでしょうか?

次の4つのステップが必要とされます。

① 第一印象

まず、人は「この人はこんな人だ」という判断を6秒の見た目で判断します。

従って、どんなにじっくり話せばいい人であっても、第一印象で持たれた印象はなかなか拭えませんので第一印象で好感を

持たれるということがまずは大切な条件となります。

特に、見た目で判断されるので、出会った際の笑顔、身なり、使用しているボールペン等の文具のセンスに至るまで、第一

印象を磨くことが大切です。

 

② 親近感

次に親近感です。これには、ストロークが効果的です。つまり、お客様との接触頻度を高めるということです。

人は会う回数が増えれば増えるほど親近感が増すという傾向がありますが、上記セールスの場合、しっかり接客できるのは

ワンチャンスであるといっても過言ではなく、再来店をあてにしていては機会損失に繋がります。

従って、初来店をしていただいた時に、お客様に興味を持って「声掛け」「笑顔」「お名前を呼ぶ」などの相手との

接触頻度、関わる回数を増やし、親近感を早く醸成することが大切となります。

 

③ 定着化

相手との親密感を得られたら、次は定着化です。これは相手との共通項、類似性を得るということです。

お客様との話しの中で、同じ県出身だった、高校時代同じ野球部だった、同じやぎ座だった等、お客様との共通項や類似性

を得ると急激に関係性が良くなった経験がある方も多いのではないでしょうか?

それだけ、共通項、類似性が得られるとお客様との距離がグッと縮まります。

 

④ 相互理解

定着化まで進むと、お客様とも話しも弾み、出会ってすぐの時よりも、お客様が言いにくい料金交渉や競合での折衝の

状況等も話せてもらえる関係に進化しています。

これにより多くの情報をお客様から引き出せるので、より深い提案ができたり、金額交渉も腹を割って話せたり、お客様に

とっても、スタッフにとっても良い接客時間をつくることが可能となります。

 

このような4つのステップを踏むことで、お客様との距離も縮まり親密感も増し、信頼関係を築くことができます。

 

私が接客の現場を見ても、相変わらず商品を魅力的に説明をすることに終始しているスタッフの姿を多く目にします。

世の中にモノは溢れ、モノの魅力だけでは売れない時代です。従って、このひとつひとつのステップを大切にして、

商品の魅力だけでなく、お客様との信頼関係をつくるという視点を持つことがこれからの時代はより重要となります。

 

人材育成におけるスタッフの成長とは?

人材育成をする上で、スタッフの成長を測る指標は大きく分けて3つ挙げられます。

まず、ひとつめは『スキルアップ』です。

例えば、レストランで皿を2枚しか持てなかったスタッフが3枚持てるようになる。

ホテルのフロントでチェックインしかできなかったのが、チェックアウトまでできるようになる等、今までできなかったことが、スキルを身に着けることによってできるようになることで成長の度合いを測ることができます。

 

そして、ふたつ目は『精神的な成長』です。

日によって仕事のパフォーマンスに差が出ていたのが、安定した仕事ができるようになったり、ミスが少なくなる、今まで感じられなかったモチベーションややる気を感じられることで仕事に主体的に取り組む姿勢が見られる。

このようにスタッフの精神的な変化が見られることで成長を感じることができます。

 

そして3つ目がこれからのマネジメントには大きな視点となりますが、『どれだけ人に役立つ存在になったか』です。

この3つ目がホスピタリティとの関係性が高いのですが、ホスピタリィは『他者貢献による喜び』を意味します。

従って、自分自身が仕事をする上で『誰かのお役に立てたかどうか?』というのは、そのスタッフの大きな喜び、モチベーションに繋がります。

つまり以前より自分がどれだけ誰かのお役に立てるようになったかが『成長』と言い換えることができるのです。

 

『今の自分のお役立ち度』―『以前のお役立ち度』=『自分自身の成長』

 

例えば新入社員において、入社当時何もできなかった新入社員が一定の教育期間を終えて、お客様の前に出て接客をして、お客様に喜んでいただけたことでお役に立てたこと。

そして、それが売上に繋がったことで会社にも貢献できたこと。

この喜びは、そのスタッフにとっての大きな成長と言うことができます。

 

これは分かり易い一例でしたが、ベテランスタッフにおいても『自分の成長』を『他者貢献』と比較することで、自分の成長度合いが分かります。

 

分かり易い例でいうと、営業の仕事で昨年1,000万円の売上を受注したスタッフが今年は1,200万円受注したということであれば、昨年よりも200万円会社へのお役立ち度が上がったことになりますし、お客様においても昨年より自社の商品を購入していただくお客様が増えることで、生活が豊かになったり、幸せを感じていただくお客様が増えることでお役立ち度が上がった、つまりその営業マンの成長と言えます。

 

ではリーダーの成長で言うと、

部下の成長にコミットして育てることで『お客様に喜んでもらうスタッフを増やす』ことで、世の中へのお役立ち度は上がり、リーダーの成長と言い換えることができます。

即ち、リーダーのプレーヤーとしての『お役立ち度』は限界があり、部下を育てることで、組織全体の『お役立ち度』を上げること=リーダーとしての『お役立ち度』の向上=『リーダーの成長』と言うことができます。

この視点はリーダーの現在のステージ感、これから目指すステージ感を意識づける上でも重要です。

 

この3つの視点を持ちながら人材育成することが大切ですし、特に3つ目の『お役立ち度』に関しては、『仕事の意義』とも繋がっているのでスタッフへの価値共有としては効果的です。

 

目の前の業務に追われて、人材育成を疎かにしているリーダーの皆さん。

『部下育成』も『自分の成長』と繋がっていることを念頭にマネジメントしてくださいね。

 

 

 

 

 

人材育成の問題点と課題

採用難、離職率の向上により、慢性的な人材難である昨今において、人材育成はこれからの時代の重要な経営課題となります。

その上で、私がサービス業の現場を見る限りでは、未だに人材育成の体系化ができておらず、現場で場当たり的な育成になっている感が否めません。

新人が辞めてしまう多くの理由としては、その職場に馴染めなかったという理由が大きい訳ですが、それは即ち、現場も忙しい為、新人の為に十分なケアをしてあげられずに、放置されて居心地が悪く辞めてしまうケースを意味します。

現場も慢性的な人不足に陥っており、責任者もプレイングマネージャーなので、新人育成に時間が取れないという現状です。

では、どのようにすれば現場で新人が辞めない人材育成ができるようなるのでしょうか?

それには3つのポイントがあります。

まずひとつ目は、業務全体を見える化することです。

いきなり現場に入って、先輩に指導を受けるというケースが多いのですが、まずは「何ができるようになれば良いか?」という業務全体を見える化することです。

これにより、新人も、自分がどのような基準でどこまでできるようになれば良いかということが明確になります。

分かり易く言えばチェックシートの作成です。

例えばレストランの場合、

・電話対応で、最後に自分の名前をきちんと告げたか?

・ご予約のお客様を満面の笑顔でお名前を呼んでご案内できたか?

・お釣りは、両手でお客様の手に触れて丁寧にお渡しできか?

など、お迎えからお見送りに関する、チェック項目を一覧にして見える化したものです。

これによりシフトで動いている現場でも、このスタッフがどこまでができて、どこまでができていないのかが先輩スタッフにも把握できると共に、基準が明確なので、先輩によって言っていることが違って戸惑うという点解消されます。

そして、何より、このチェック表を見える化することにより先輩スタッフ全員が指導に対する意識を高められるというメリットもあります。

そしてふたつ目が業務ツールの準備です。

分かり易く言えばマニュアルなのですが、最近ですと、そのマニュアルを掘り下げてセリフ化した「スクリプト」なども効果的なツールとして活用されています。

これに関しても、あって当たり前のように思われますが、意外に無い現場が多いですし、あっても活用されていないケースも多くみられます。

新人にとって、何が困るかというと「何をしたら良いか分からない」ということです。

先輩方も忙しく、目の前の仕事に追われて、新人に関われなくて放置されて居ずらい。

こんな現場も多いのが現状です。

それには、マニュアルやスクリプトは自習するツールになるので、それがあるだけで、自分だけで勉強ができ、困った時にも見れるので新人にとってはかなり安心できるツールに成り得ます。

そして、3つめが指導計画書の作成です。

先日もあるホテルでアンケートを行なった結果、部下指導において殆どの現場で指導計画書が存在していませんでした。

それが無いと「いつまでにここまでできるようになる」という目標が新人にも、先輩にもないので、場当たり的になり、後回しになって結局育成に遅れが出て、生産性の低下にも繋がります。

従って、1カ月後、2カ月後、3カ月後のマイルストーンを明確にして、その為の指導計画、フィードバックをする仕組みを確立することが重要です。

この3つが、きちんと仕組化されているかどうかで人材育成の質やスピードは大きく変わります。

今まではどちらかというと、目の前の売上に目が行きがちだったのですが、それを支えているのは全て「人」です。

 

新人も早く仕事を覚えて、この会社のお役に立ちたい、お客様に喜んでもらいたいと思っています。

まさに、他者貢献を意味するホスピタリティの心を持って入社しているのです。

その「人」を生かせるかどうかは、それを受け入れる現場が握っています。

 

人手不足倒産が後を絶ちません。

人材育成を経営課題としてきちんと認識して、戦略をしっかり立てていくことをすることが今の時代求められています。

 

皆さまの会社ではきちんと人材育成が体系化されていますか?

日々の部下の仕事を成長に変換する方法

リーダーの皆さまが部下を日々マネジメントする中で、部下の成長に関する課題を持っているリーダーの皆さまも多いと感じています。

「どのようにすれば、部下の早期戦力化が図れ、組織の生産性向上が図れるのか?」

「どのようにすれば、部下自身が成長に貪欲になり、前のめりで仕事に打ち込んでもらえるのか?」

こんな声が現場のリーダーの皆さまから聞こえてきます。

この課題に対して、解決策は2つ考えられます。

まずひとつ目は、まず重要なのは「1日1日にどれだけこだわりを持って仕事をしてもらえるか」、すなわち、目標をしっかり持ってもらうということです。

何となく過ごす1日と、こだわりを持って過ごす1日では1日の質が大きく違います。

それには「何故自分はこの仕事をしているのか?」「自分の仕事の意義」「自分の使命」を理解していることが重要です。

先日もあるホテルの新入社員研修で、調理志望の新入社員に「この仕事に何で就いたの?」と聞いたところ、

「自分は母子家庭で、貧しい生活の中で育てられました。だから、自分は調理の世界に進み、美味しい料理を母親に食べさせたい!という想いでこの仕事を選びました。」

という答えが返ってきました。

「休みが多いから」志望した人と「母親に美味しい料理を食べさせたい」と志望した人とでは、1日のこだわりと仕事の質が大きく違うことは想像がつくと思います。

従って、「日々部下にこだわりを持ってもらえるような目標」を持たせることは、部下の成長には大きなエッセンスとなります。

そして、もうひとつが「部下の体験を成長に変えるプロセス」を実行するということです。

デービット・コルブの「経験学習モデル」という理論があります。

これは、日々の仕事における体験を、学び・気づきに変えて部下の成長を促すという考え方です。

体験:日々の仕事における経験・体験

省察(内省):日々の仕事における振り返り、内省を促し学び・気づきを得る

概念化(教訓化):学び・気づきを自分の教訓にする

試行:翌日から教訓を試すことで部下のステージが上がる

このサイクルを回すことにより、日々の体験を成長に変換することが可能となります。

これには内省を促す日報や終礼、チェックシート、面談等の仕組みの活用が必要となりますが、この繰り返しにより、日々、何となく過ごす1日ではなく、自分の成長の為の1日に変換することを可能とします。

教育・研修の為に、時間や経費を割くのも大切ですが、日々の仕事を成長に繋げる仕組みを考えることも重要です。

あなたの会社では、日々の仕事を部下の成長に繋げられていますか?

 

 

会社は社員の生きがいを実現する場

先日、あるテレビ番組で、タマノイ酢の播野社長が出演されていました。

タマノイ酢は、パソコンを1人1台ではなくあえて共用にして、

スタッフ同士のコミュニケーションを図っていたり、

新入社員に自社の商品に対する指摘を幹部にプレゼンさせたり、

突然、大きな人事異動をしたりと独自のマネジメントで、オンリーワンを確立している企業です。

その中で播野社長の気になる言葉がありました。

それは、「会社は社員の生きがいを実現する場」である。

人はよく会社の大切な経営資源と言いますが、人は資源という考え方ではなく、

「人が会社を生きがいを実現する場」として活用するという考え方です。

今の世の中、会社の経営を存続する為に、あるいは社員の雇用を守る為に、目の前の売上、

利益の確保に翻弄しざるを得ません。

しかし、それを追い求めれば追い求めるほど、どこか何かがすさんでいくという気持ちになる。

何か、今の日本の現状ではないかと思います。

日本は先進国であり、他の国より色んな面で恵まれているはずなのに、どこかギスギスした不安に

覆われている気がしてなりません。

それは、少子高齢化によるマーケットの縮小であったり、他国の影響で景気や環境が

変わってしまったり・・・。

将来に対する不安は誰もが持っています。

「会社は社員の生きがいを実現する場」であり、収益を上げることは手段であり、

会社の役割ではない。

播野社長の言葉は、これから日本が目指すべき企業のあり方が語られているような気がします。

最近、働き方改革ということを言われてきて、働き方も多様化に向けて進んでいます。

「社員の生きがい」を知り、それを会社がサポートする。

そいうった金銭的報酬以外の精神的報酬の拡充が求められる時代です。

社員の生きがいを高めながら経営をどう成り立たせるかが経営者に求められる時代ですね。

 

 

 

 

 

組織のムードが生産性、顧客満足度(CS)、従業員満足度(ES)を上げる

サービス産業において、組織のムードの重要性についての認識が薄い印象を持ちます。

ムードの良い組織と悪い組織は以下のような特徴があります。

〇ムードの良い組織

・スタッフが明るい

・スタッフが元気

・チームワークが良い

・風通しが良い

・連携が取れている

 

×ムードが悪い組織

・スタッフが暗い

・スタッフが元気がない

・チームワークが取れていない

・ギクシャクしている

・嫌な雰囲気が漂っている

 

このような事からも組織のムードによって業績に影響を及ぼすことは明快ですし、リーダーの皆さまは、組織のムードという観点をマネジメントの課題として見据えていただく必要があります。

特にサービス産業においては、バック部門と接客スペースが殆どの場合、繋がっているケースが多く、組織の雰囲気や空気は、そのまま接客スペースに漂っています。

 

皆さまも過去の顧客経験から、店の雰囲気に対して冷たく感じたり、空気が淀んでいると感じた経験があるのではないでしょうか?

 

従って、組織のムードが悪いのに、お客様にだけ最高のサービスを提供できるわけがありませんし、スタッフのモチベーションややる気も組織のムードに直結する部分が少なからずあるという点もリーダーは理解する必要があります。

私の過去の経験からすると、

『笑顔の多い組織はお客様に対する笑顔が全体的に良い』

『リーダーがいつも笑顔の組織は、部下も笑顔が良い』

『笑顔の多い組織はサービスと業績が良い』

といった明らかな傾向があります。

 

それにはリーダー自らが笑顔で居ることが重要です。

 

ホスピタリティは、他者に貢献することによる自分の喜びを意味します。

それは、お客様だけではなく、スタッフ同士、上司部下においても同じことが言えます。

お互いを思いやり、気遣い、声掛けをし合うことは、スタッフ同士の他者貢献に繋がり、それは、組織に貢献していることによる自分自身の喜びに繋がっています。

つまり、従業員満足度(ES)、生産性向上にも直結していることを意味します。

 

そして、そのようなムードの良い組織環境に居るスタッフから提供されるサービスは、笑顔やホスピタリティに溢れた、お客様想いの最高のサービスとなり、顧客満足度(CS)、顧客ロイヤリティに直結しています。

 

つまり、その『組織のムード』が『業績に直結』するということです。

 

しかし、その組織のムードのあり方について、あまり考えていないリーダーが多いように思いますし、やはり、そのムードに大きな影響を及ぼしているのはその組織のリーダーであることは間違いありませんので、大いに自覚を持っていただく必要があります。

〇常に明るく元気でいること

〇話しかけられる余裕があること

〇笑顔でいること

〇スタッフに積極的に声を掛けること

リーダーが率先してすることで組織のムードが格段に変わりますよ。

 

ご自身の組織のムードはいかがですか?

 

 

 

 

 

スタッフが「誇り」を持って働く企業の特徴

私は、年間約200日は出張しておりますし、

年間100泊以上はホテルに宿泊しています。

その中で、様々な顧客体験(お客様体験)をするのですが、

「ホスピタリティの高いサービスをするところとしないところの差」について

日々考えます。

その「差」の大きな要素のひとつは「その仕事に誇りを持っているかどうか?」

です。

仕事に誇りを持っている人は、

〇 イキイキとして仕事をしている

〇 自信を感じる

〇 モチベーションが高い

といった特徴があります。

それは、個人から感じることもあれば、企業全体から感じることもあります。

その企業のひとつが大阪にあるホテルリッツカールトンです。

私の中で、ホテル全体から誇りを感じた数少ないホテルです。

もうひとつは、本にもなっていますが、東京駅の「新幹線清掃チーム」の

「テッセイ」です。

ホームの入ってくる新幹線、出発した新幹線を深々とお辞儀をして見送る姿、

折り返し運転の為、7分という限られた時間で完璧に清掃をする手際の良さ、

清掃をして終わりではなく、清掃後の新幹線の乗客ひとりひとりをお迎えを

している姿、そして、夏はアロハシャツや浴衣といったコスチュームでも

お客様を楽しませてくれます。

その様子は海外メディアにも大きく取り上げられたほどです。

清掃以外の仕事をしたところで、収入が増える訳でもないのに、

何故、そこまでするのか?

やはり、そこには社長の考え方が大きく関係をしていました。

「私たちの商品は清掃ではなく、旅の想い出を作ることである。」

自分達の仕事は、清掃だけではなく、お客様に気持ちよく新幹線をご利用いただき、

かけがいのない旅の想い出を作ってもらうこと。

この考え方がスタッフの意識や行動を変え、仕事にやりがいや誇りを生ませた。

と本には書かれています。

やはり、「新幹線の中をきれいにすることは手段であり」、

目的は、それを通じて、お客様のかけがいのない想い出を自分たちが作る。

このことを軸にしているので、次のお客様のお迎えやコスチュームの工夫も納得

できます。

仕事の「意味」や「意義」を理解することで、そこに「共感」が生まれ、

それが大きな経営の力となるということを立証している例です。

先のリッツカールトンも「クレド」という理念、指針を愚直に遂行しているし、

ディズニーも「ゲストの幸福が私たちの幸福になる」というビジョンがあります。

この3社に共通しているのは、「仕事の意味・意義」が浸透して、それがスタッフの

行動に落とし込まれている点、そして、それがスタッフのやりがいや誇りに繋がっている

点です。

あなたの会社は、仕事の意味、意義がスタッフにきちんと伝わっていますか?

それが、スタッフの「力」となり、会社の原動力になっていますか?