ホスピタリティを活かせる仕事とは?

先日、ある方から「ホスピタリティを活かせる仕事はどんな仕事がありますか?」と質問されました。

元々、ホスピタリティはホテルのサービスに代表する厚遇のおもてなしというイメージが強く、ワンランク上のサービスを提供する際に引用されていました。

しかし、今や、ホテル業界だけではなくあらゆる業界で「ホスピタリティ」の重要性が問われています。

その理由としては、21世紀の成熟した社会において、サービスの質を求める消費者が以前よりも多くなっている点、全産業の75%がサービス産業であり、サービス産業で働く人が増えた為、接客サービスに対する消費者の目線が以前よりも格段に上がったという点が挙げられます。

つまり少し前までは、消費者からのサービスに対して期待値が低かった業界も、他業界と比較されて期待値が上がっているのに加えて、競争激化により価格競争による疲弊を脱却する為に、接客サービスを磨き、付加価値による差別化を図る企業も増えています。

代表的な例で言うと、少し前のタクシー業界の接客サービスは他業種に比べてお世辞にも良いとは言えませんでした。

そこに接客サービスを徹底的に追求したMKタクシーの登場により、タクシー業界全体の接客サービスのレベルが上がったという事実があります。

実際、それに追随するように日本交通、名鉄タクシーも接客サービスを磨いて、お客様の支持を集めています。

このように、あらゆる業界でこのような事象が起こっており、ホスピタリティを活かせる業界は全ての産業と言っても過言ではありません。

私も様々な業界において研修、コンサルティング活動をしておりますが、最近ですとIT業界や病院、介護施設、学習塾、住宅メーカー、消防署等、業界を問わず研修をさせていただいております。

それだけ、様々な業界において必要性を感じていただいていると実感しています。

これからAI等により、人を介さないで消費者が購入を完結できるものも増えていく中で、人にしかできないサービス、もっと言えば、人が心のこもったサービスすることによる付加価値の提供が重要であり、それに対するホスピタリティの果たす役割は益々大きくなるでしょう。

 

 

 

 

 

ホスピタリティをマネジメントに活用する方法

ホスピタリティは、「お客様へのおもてなし」という意味合いだけではなく、

「他者に貢献する喜びや幸せ」を意味します。

他者とは、お客様や一緒に働いている仲間、家族、地域社会等多岐に亘ります。

従って、ビジネスにおけるホスピタリティの活用は、

如何に他者に貢献することを、企業のパワーにするかということになります。

それは、お客様に貢献してお客様に喜んでいただくことで、それをやる気に繋げて、

生産性を向上させたり、

組織に貢献する為に自分の責任や役割を担い、その貢献の結果として目標達成をして

職場の仲間と喜びを分かちあったり、

企業として、地域社会に貢献することでお客様や、地域から評価をいただいて、

企業のブランド力が向上することにより、自企業で働いていることへの誇りを持てたりと、

他者に貢献すること、つまりホスピタリティをマネジメントに生かすことで、

〇顧客満足度(CS)向上

〇従業員満足度(ES)向上

〇組織力向上

〇生産性向上

〇定着率向上

〇採用率向上

〇付加価値向上

〇サービス力向上

〇ブランド力向上

最終的には収益向上、企業力向上に繋がります。

しかもホスピタリティは競合他社との比較による相対価値ではなく、

自社のあり方を問う絶対価値の追求なので、企業としてのぶれない軸と

なりますし、ホスピタリティの考え方は集客、採用力等の部分最適ではなく、

企業全体に関わる全体最適にあたるので、目先の施策と違い、

企業の考え方、価値観や理念を築く大きな力となります。

明日が不安な世の中だからこそ、「本来何の為にこの事業をしているのか?」

「誰にとって貢献しているのか?」といった原点に回帰し、

周りに振り回されずに、自社のスタンスや考え方を明確にすることは、

その企業の強みとなり、最大の差別化となります。

そのような企業のベースがあってこそ、初めてそれぞれの施策が生きるというものです。

「ホスピタリティを経営戦略に。」

この時代を勝ち残る最強の戦略です。

 

 

 

 

 

常勝チームは、何故常に勝てるのか?

第99回夏の高校野球が終わり来年はいよいよ100回大会、高校球児が白球を追う姿は回や時代を重ねても心を打ち続けます。

しかし、何故、名将と言われる監督はどの高校に行っても結果を出すのでしょうか?

確かに、ネットワークでいい選手をスカウトできるという点もあると思いますが、

実はそれだけではないのです。

私が感じる、名将の共通点は『野球以前の人づくり』にあると考えます。

今年の甲子園出場校のある監督が『野球の前の野球が大切』と言っていました。

それは、野球をする以前にグランド整備やボールを磨くこと、監督、先輩、父兄に対しての挨拶や礼儀を徹底することだそうです。

つまり、練習量や技術の向上ではなく高校球児としての人格を形成することが、結果に繋がることを意味します。

あの松井秀喜を世に排出した星稜高校山下監督は、

「心が変われば行動が変わる、
行動が変われば習慣が変わる、
習慣が変われば人格が変わる、
人格が変われば運命が変わる」

という名言を残しています。

このようなブレない指導方針があるからこそ、選手は人として成長し、結果を出せることができると思います。

さて、私たちビジネスに置き換えるといかがでしょうか?

売上を上げなければならない、スキルを上げなければならない、この事は勿論大切ですが、そのことに終始してしまうと、目先のことに振り回されて、大義を見失うような気がしてなりません。

ビジネスの世界でも例外ではありません。

松下幸之助もこのような名言を残しています。

『一生懸命な人にしかチャンスは微笑まない。』

『まず汗を出せ、汗の中から知恵を出せ、それが出来ないものは去れ。』

『普通の努力ではチャンスをチャンスと見極められない。熱心の上に熱心であることが見極める眼を開く。』

 

これらの言葉は、売上を作る為でも、スキルを上げる為の言葉ではありません。

『人をつくる言葉』です。

如何に、信念を持って『人をつくる』ことが結果的に勝利に繋がるということが理解できます。

 

あなたの会社では『人づくり』していますか?

 

 

 

 

 

パワフルに自走する組織をつくる3つのポイント

私も様々な企業にお邪魔していますが、課題として挙がるのが組織に関する課題です。

その課題は組織内の人間関係に関すること、他部署との軋轢、経営者との温度差など多岐に亘りますが、経営者に聞くと多くの場合「言われたことしかやらない」「自発性がない」、つまり、経営サイドが言わなくても、自分達で考えパワフルに自走できる組織であって欲しいという要望が一番多い気がします。

それでは、どのようにすれば既存の組織が自走する組織に生まれ変わることができるのでしょうか?

それには3つのポイントがあります。

①「リーダーの情熱」

基本的にスタッフがリーダーより情熱を持つことは稀で、最初は情熱を持っていても、リーダーが冷めていると次第にその情熱が冷めていきます。

「蒸気機関車は水では走らない」という話しがあります。

やはり、沸騰して蒸気になって初めて重い機関車を動かすことができます。

組織も同じでリーダーが水のように冷たい状況では組織は走らない、つまりリーダーが熱く、蒸気の状態でないと組織は動かないということです。

②自走する仕組みが作られていない

既存の組織が放っておいて、勝手に意識が上がり自走するようにはなりません。

そこには、自走できない課題があるから自走しないのです。

多くの場合は、リーダーもプレイングマネージャーである為に現場が忙しくて目の前の業務に追われ、戦略を考える時間が取れない、もしくはリーダーだけで戦略を考えて、部下に実行させるがやらされ感でうまくいかないケースです。

このようなケースでは、まず部下との情報共有がうまくいっていないケースが多く、ミーティングもあまり行えず、せいぜい朝礼の指示止まりで、部下の意見も聞いた上で物事を決められていないケースが多いです。

また役割分担も明確でないケースも多く、誰が、いつまでに、何をしなければならないということが明確でないので、何となく日々の業務に終始してしまうケースが多く見受けられます。

やはり、ミーティング等の情報を共有する仕組み、みんなで話し合う時間を作り組織のメンバー全員で考える時間を仕組化しないと、いつまで経っても場当たり的な戦略マネジメントになってしまいます。

また役割も明確にして、次回のミーティングまでに「何を」、「どこまでやらなければいけないか」ということを明確にして、PDCAを回すことが重要です。

スタッフにとっても任されることがモチベーションになるケースが多いので、何かしらの役割を与えることは効果的です。

③目標が共有されていない

この目標が共有されていないケースも自走する組織の弊害になっています。

結局、スタッフひとりひとりが今日何をしなければいけないかが明確にっていないと、目的意識が薄く、仕事の質も量もそれなりになってしまいます。

あなたの部下は、年間売上目標がいくらか言えますか?

今日、いくら売り上げなければいけないか答えられますか?

数字はマネージャーが把握していて、現場は数字よりもお客様の事を考えて顧客満足に繋げてくれればいい。

こんな考え方のマネージャーも多いのですが、実際それでは現場スタッフの目的意識が薄れます。

お客様にご満足いただけた対価としてお金をもらえること、それが売上となり、売上=満足値であるという点から言うと、目標の共有無くしてスタッフのやりがいや達成感の見える化が成し得ません。

やはり、目標に対する意識、売上に対する意識を強く持っているチームであればあるほど、売上が足りなければ新しいことを考えますし、勝手に目標に向かって自走します。

このように、自走していない組織には、自走しない理由が必ずあります。

そもそもこのようなマネジメントに関する教育をマネージャーが受けておらず、プレーヤーの延長線上でマネージャーをやらされていて、やり方が分からないケースが殆どです。

私は、人の力は無限だと思っていますし、本来の組織の伸びしろを潰している組織を沢山見てきているので、今一度、既存の組織が限界まで力を発揮できているかどうか、忙しいことを理由に目の前の業務に追われて本来やらなければいけない仕事をやっていないのではないか?ということを考えてみてください。

 

 

サービスの特徴とは?

成熟社会の中で、モノは溢れ、物質的な満足ではなく精神的な満足へ時代が移り変わる中、顧客も「モノ」を購入するという観点よりも、その「モノ」が提供される過程の「サービス」に付加価値を感じて購入するケースが増えています。

つまり、 プロダクト力 < サービス力 という構図になりつつあります。

飲食店でも、ただ美味しい料理が運ばれるよりも、その料理の食材のこだわりや、料理長の想いをスタッフがきちんと説明した上で提供されたほうが価値を感じますし、そこに例えば、サービススタッフが、熱々のスープをその場でかけて仕上げるといったプロセスがあると、より付加価値を感じます。

雑貨のような書籍店「ヴィレッジバンガード」も、雑貨や本というモノを提供するスタンスではなく、スタッフの独特の手書きによるPOPで、その商品に対するこだわりや想いを面白おかしく表現して、付加価値を提供している事例です。

従って、これからの時代で重要なのは商品を磨くことよりも、サービス力を上げることであり、サービスの特徴を十分理解しておく必要性があります。

サービスには4つの特徴があります。

①無形性・・・サービスにはカタチも在庫もありません。

②同時性・・・サービスが生産されたと同時に消費している、サービスの需要と供給が同時に行われています。

③変動性・・・全ての顧客に同じサービスを提供することが困難で、顧客によって、スタッフの対応などの条件が変動します。

④消滅性・・・カタチに残らずに、サービス終了とともに消滅してしまいます。

また、サービスの品質的特徴は、

製造業・・・内部の絶対基準で品質や生産性が決まる。=絶対的

サービス業・・・顧客とのやり取りの中で品質や評価が決まる。=相対的

このようなサービスの特徴を経営者だけでなく、現場も十分理解し、商品づくり、サービスづくりをしていく必要性があります。

これらを見ても分かるように、サービスは顧客に応じて変動して、カタチが無く、残らずに消滅してしまいます。

だからこそ「顧客のサービスを受けた印象」が、満足度と直結しており、その印象如何によって、次回利用するかどうかが決まるといっても過言ではありません。

顧客に良い印象を持ってもらうには、

〇自社のサービスの独自性とは何か?

〇自社のサービスの付加価値とは何か?

〇お客様に何を約束すべきか?

〇どんな人に利用してもらいたいか?

を明確にしなければ、印象に残らない無難なサービスになりますよね。

あなたの会社の「サービス」は顧客の印象に残るサービスになっていますか?

 

 

 

 

日本の全産業はサービス産業化する

今、日本の産業の約75%は第三次産業であるサービス産業です。

私が小学校の時に教わった1970年代は、第一次産業である農林水産業が10%、第二次産業である工業が50%、第三次産業が40%という感じで、第二次産業が日本の中心産業でした。

それがこの約40年で大きく産業構造は変わり、約8割がサービス産業となっています。

つまり、それだけサービス業に従事している方が増えているので、サービスというものに高い関心と厳しい目線を持っている点、また、消費者もそれだけ「サービス」という機会に触れることも多く、サービスに対する期待値も確実に上がっています。

従って以前と同じサービス、もっと言えば、昨年と同じサービスを提供していたのでは時代遅れとなってしまい、時代に取り残されてしまう世の中です。

そして産業に関して言えば、最近では第6次産業という考え方も出てきました。

これは、第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売や観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むことを意味しており、今村奈良臣・東京大学名誉教授が提唱ししました。

つまり農業に従事している方も農作物を生産するだけに留まらずに、それをサービスに変えて、観光農園のように、収穫体験を楽しんでいただくサービスを提供することにより、生産者が顧客接点を持ち、作り手の想いやこだわりを知ってもらうことで、消費者は付加価値を得るといった、生産者にとっても消費者にとっても様々な喜びに繋がっています。

このように、これからの時代は「モノを得ることに対する物質的満足」ではなく、「モノを通じてどのような精神的満足度が得られるか」が求められる時代です。

そういう点では「良いモノを作れば売れる」時代は終わり、それを如何に「サービス」を通じて付加価値を提供できるかが求められます。

このように現代においては、以前のような産業の境界線はなくなってきおり、そのすべての産業がサービス産業化しているという認識を持つべきであり、商品作りから顧客にサービスとして提供するまでのプロセスをトータルで考える必要があります。

皆さまの会社では、商品づくりから提供までストーリー化されていますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

お客様と信頼関係をつくる4つのステップ

お客様と信頼関係をつくることはビジネス上では大きな意味を持ちます。

特に、住宅、家、車、結婚式、指輪などの高額商品を販売する際には、いくら商品が良くてもスタッフとお客様との信頼関係がなければ購入まで至りません。

特に、初めて来店をされたお客様を接客することを新規接客といいますが、初対面でありながら限られた接客時間の中で、商品を魅力的に説明をすることはもちろんのこと、「この人にお願いしたい!」と思ってもらえる信頼関係を築くことは重要なファクターです。

それでは、お客様との距離を縮めて信頼関係を築く上で大切なことはどんなことなのでしょうか?

次の4つのステップが必要とされます。

① 第一印象

まず、人は「この人はこんな人だ」という判断を6秒の見た目で判断します。

従って、どんなにじっくり話せばいい人であっても、第一印象で持たれた印象はなかなか拭えませんので第一印象で好感を

持たれるということがまずは大切な条件となります。

特に、見た目で判断されるので、出会った際の笑顔、身なり、使用しているボールペン等の文具のセンスに至るまで、第一

印象を磨くことが大切です。

 

② 親近感

次に親近感です。これには、ストロークが効果的です。つまり、お客様との接触頻度を高めるということです。

人は会う回数が増えれば増えるほど親近感が増すという傾向がありますが、上記セールスの場合、しっかり接客できるのは

ワンチャンスであるといっても過言ではなく、再来店をあてにしていては機会損失に繋がります。

従って、初来店をしていただいた時に、お客様に興味を持って「声掛け」「笑顔」「お名前を呼ぶ」などの相手との

接触頻度、関わる回数を増やし、親近感を早く醸成することが大切となります。

 

③ 定着化

相手との親密感を得られたら、次は定着化です。これは相手との共通項、類似性を得るということです。

お客様との話しの中で、同じ県出身だった、高校時代同じ野球部だった、同じやぎ座だった等、お客様との共通項や類似性

を得ると急激に関係性が良くなった経験がある方も多いのではないでしょうか?

それだけ、共通項、類似性が得られるとお客様との距離がグッと縮まります。

 

④ 相互理解

定着化まで進むと、お客様とも話しも弾み、出会ってすぐの時よりも、お客様が言いにくい料金交渉や競合での折衝の

状況等も話せてもらえる関係に進化しています。

これにより多くの情報をお客様から引き出せるので、より深い提案ができたり、金額交渉も腹を割って話せたり、お客様に

とっても、スタッフにとっても良い接客時間をつくることが可能となります。

 

このような4つのステップを踏むことで、お客様との距離も縮まり親密感も増し、信頼関係を築くことができます。

 

私が接客の現場を見ても、相変わらず商品を魅力的に説明をすることに終始しているスタッフの姿を多く目にします。

世の中にモノは溢れ、モノの魅力だけでは売れない時代です。従って、このひとつひとつのステップを大切にして、

商品の魅力だけでなく、お客様との信頼関係をつくるという視点を持つことがこれからの時代はより重要となります。

 

人材育成におけるスタッフの成長とは?

人材育成をする上で、スタッフの成長を測る指標は大きく分けて3つ挙げられます。

まず、ひとつめは『スキルアップ』です。

例えば、レストランで皿を2枚しか持てなかったスタッフが3枚持てるようになる。

ホテルのフロントでチェックインしかできなかったのが、チェックアウトまでできるようになる等、今までできなかったことが、スキルを身に着けることによってできるようになることで成長の度合いを測ることができます。

 

そして、ふたつ目は『精神的な成長』です。

日によって仕事のパフォーマンスに差が出ていたのが、安定した仕事ができるようになったり、ミスが少なくなる、今まで感じられなかったモチベーションややる気を感じられることで仕事に主体的に取り組む姿勢が見られる。

このようにスタッフの精神的な変化が見られることで成長を感じることができます。

 

そして3つ目がこれからのマネジメントには大きな視点となりますが、『どれだけ人に役立つ存在になったか』です。

この3つ目がホスピタリティとの関係性が高いのですが、ホスピタリィは『他者貢献による喜び』を意味します。

従って、自分自身が仕事をする上で『誰かのお役に立てたかどうか?』というのは、そのスタッフの大きな喜び、モチベーションに繋がります。

つまり以前より自分がどれだけ誰かのお役に立てるようになったかが『成長』と言い換えることができるのです。

 

『今の自分のお役立ち度』―『以前のお役立ち度』=『自分自身の成長』

 

例えば新入社員において、入社当時何もできなかった新入社員が一定の教育期間を終えて、お客様の前に出て接客をして、お客様に喜んでいただけたことでお役に立てたこと。

そして、それが売上に繋がったことで会社にも貢献できたこと。

この喜びは、そのスタッフにとっての大きな成長と言うことができます。

 

これは分かり易い一例でしたが、ベテランスタッフにおいても『自分の成長』を『他者貢献』と比較することで、自分の成長度合いが分かります。

 

分かり易い例でいうと、営業の仕事で昨年1,000万円の売上を受注したスタッフが今年は1,200万円受注したということであれば、昨年よりも200万円会社へのお役立ち度が上がったことになりますし、お客様においても昨年より自社の商品を購入していただくお客様が増えることで、生活が豊かになったり、幸せを感じていただくお客様が増えることでお役立ち度が上がった、つまりその営業マンの成長と言えます。

 

ではリーダーの成長で言うと、

部下の成長にコミットして育てることで『お客様に喜んでもらうスタッフを増やす』ことで、世の中へのお役立ち度は上がり、リーダーの成長と言い換えることができます。

即ち、リーダーのプレーヤーとしての『お役立ち度』は限界があり、部下を育てることで、組織全体の『お役立ち度』を上げること=リーダーとしての『お役立ち度』の向上=『リーダーの成長』と言うことができます。

この視点はリーダーの現在のステージ感、これから目指すステージ感を意識づける上でも重要です。

 

この3つの視点を持ちながら人材育成することが大切ですし、特に3つ目の『お役立ち度』に関しては、『仕事の意義』とも繋がっているのでスタッフへの価値共有としては効果的です。

 

目の前の業務に追われて、人材育成を疎かにしているリーダーの皆さん。

『部下育成』も『自分の成長』と繋がっていることを念頭にマネジメントしてくださいね。

 

 

 

 

 

人材育成の問題点と課題

採用難、離職率の向上により、慢性的な人材難である昨今において、人材育成はこれからの時代の重要な経営課題となります。

その上で、私がサービス業の現場を見る限りでは、未だに人材育成の体系化ができておらず、現場で場当たり的な育成になっている感が否めません。

新人が辞めてしまう多くの理由としては、その職場に馴染めなかったという理由が大きい訳ですが、それは即ち、現場も忙しい為、新人の為に十分なケアをしてあげられずに、放置されて居心地が悪く辞めてしまうケースを意味します。

現場も慢性的な人不足に陥っており、責任者もプレイングマネージャーなので、新人育成に時間が取れないという現状です。

では、どのようにすれば現場で新人が辞めない人材育成ができるようなるのでしょうか?

それには3つのポイントがあります。

まずひとつ目は、業務全体を見える化することです。

いきなり現場に入って、先輩に指導を受けるというケースが多いのですが、まずは「何ができるようになれば良いか?」という業務全体を見える化することです。

これにより、新人も、自分がどのような基準でどこまでできるようになれば良いかということが明確になります。

分かり易く言えばチェックシートの作成です。

例えばレストランの場合、

・電話対応で、最後に自分の名前をきちんと告げたか?

・ご予約のお客様を満面の笑顔でお名前を呼んでご案内できたか?

・お釣りは、両手でお客様の手に触れて丁寧にお渡しできか?

など、お迎えからお見送りに関する、チェック項目を一覧にして見える化したものです。

これによりシフトで動いている現場でも、このスタッフがどこまでができて、どこまでができていないのかが先輩スタッフにも把握できると共に、基準が明確なので、先輩によって言っていることが違って戸惑うという点解消されます。

そして、何より、このチェック表を見える化することにより先輩スタッフ全員が指導に対する意識を高められるというメリットもあります。

そしてふたつ目が業務ツールの準備です。

分かり易く言えばマニュアルなのですが、最近ですと、そのマニュアルを掘り下げてセリフ化した「スクリプト」なども効果的なツールとして活用されています。

これに関しても、あって当たり前のように思われますが、意外に無い現場が多いですし、あっても活用されていないケースも多くみられます。

新人にとって、何が困るかというと「何をしたら良いか分からない」ということです。

先輩方も忙しく、目の前の仕事に追われて、新人に関われなくて放置されて居ずらい。

こんな現場も多いのが現状です。

それには、マニュアルやスクリプトは自習するツールになるので、それがあるだけで、自分だけで勉強ができ、困った時にも見れるので新人にとってはかなり安心できるツールに成り得ます。

そして、3つめが指導計画書の作成です。

先日もあるホテルでアンケートを行なった結果、部下指導において殆どの現場で指導計画書が存在していませんでした。

それが無いと「いつまでにここまでできるようになる」という目標が新人にも、先輩にもないので、場当たり的になり、後回しになって結局育成に遅れが出て、生産性の低下にも繋がります。

従って、1カ月後、2カ月後、3カ月後のマイルストーンを明確にして、その為の指導計画、フィードバックをする仕組みを確立することが重要です。

この3つが、きちんと仕組化されているかどうかで人材育成の質やスピードは大きく変わります。

今まではどちらかというと、目の前の売上に目が行きがちだったのですが、それを支えているのは全て「人」です。

 

新人も早く仕事を覚えて、この会社のお役に立ちたい、お客様に喜んでもらいたいと思っています。

まさに、他者貢献を意味するホスピタリティの心を持って入社しているのです。

その「人」を生かせるかどうかは、それを受け入れる現場が握っています。

 

人手不足倒産が後を絶ちません。

人材育成を経営課題としてきちんと認識して、戦略をしっかり立てていくことをすることが今の時代求められています。

 

皆さまの会社ではきちんと人材育成が体系化されていますか?

日々の部下の仕事を成長に変換する方法

リーダーの皆さまが部下を日々マネジメントする中で、部下の成長に関する課題を持っているリーダーの皆さまも多いと感じています。

「どのようにすれば、部下の早期戦力化が図れ、組織の生産性向上が図れるのか?」

「どのようにすれば、部下自身が成長に貪欲になり、前のめりで仕事に打ち込んでもらえるのか?」

こんな声が現場のリーダーの皆さまから聞こえてきます。

この課題に対して、解決策は2つ考えられます。

まずひとつ目は、まず重要なのは「1日1日にどれだけこだわりを持って仕事をしてもらえるか」、すなわち、目標をしっかり持ってもらうということです。

何となく過ごす1日と、こだわりを持って過ごす1日では1日の質が大きく違います。

それには「何故自分はこの仕事をしているのか?」「自分の仕事の意義」「自分の使命」を理解していることが重要です。

先日もあるホテルの新入社員研修で、調理志望の新入社員に「この仕事に何で就いたの?」と聞いたところ、

「自分は母子家庭で、貧しい生活の中で育てられました。だから、自分は調理の世界に進み、美味しい料理を母親に食べさせたい!という想いでこの仕事を選びました。」

という答えが返ってきました。

「休みが多いから」志望した人と「母親に美味しい料理を食べさせたい」と志望した人とでは、1日のこだわりと仕事の質が大きく違うことは想像がつくと思います。

従って、「日々部下にこだわりを持ってもらえるような目標」を持たせることは、部下の成長には大きなエッセンスとなります。

そして、もうひとつが「部下の体験を成長に変えるプロセス」を実行するということです。

デービット・コルブの「経験学習モデル」という理論があります。

これは、日々の仕事における体験を、学び・気づきに変えて部下の成長を促すという考え方です。

体験:日々の仕事における経験・体験

省察(内省):日々の仕事における振り返り、内省を促し学び・気づきを得る

概念化(教訓化):学び・気づきを自分の教訓にする

試行:翌日から教訓を試すことで部下のステージが上がる

このサイクルを回すことにより、日々の体験を成長に変換することが可能となります。

これには内省を促す日報や終礼、チェックシート、面談等の仕組みの活用が必要となりますが、この繰り返しにより、日々、何となく過ごす1日ではなく、自分の成長の為の1日に変換することを可能とします。

教育・研修の為に、時間や経費を割くのも大切ですが、日々の仕事を成長に繋げる仕組みを考えることも重要です。

あなたの会社では、日々の仕事を部下の成長に繋げられていますか?